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2010-11-04

IT業界におけるSES契約について

| 19:04 | IT業界におけるSES契約についてを含むブックマーク IT業界におけるSES契約についてのブックマークコメント

IT業界にいるとSES契約というのをよく聞きます。SES契約というものがどういうものなのか明確に分かってなかった点もあったので、今回まとめてみました。まずSES契約の定義について、wikipediaでは以下のように記載されています。

システムエンジニアリングサービス契約(SES契約)とは、ソフトウェアやシステムの開発における、委託契約の一種。 システムエンジニアの能力を契約の対象とするものである。

問題点

委託契約は、民法では請負と解釈されるため、SES契約に基づく受託労働者が、委託元企業から直接指揮命令を受けるなど、実態が派遣の場合は、偽装請負となる可能性が高い。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E5%A5%91%E7%B4%84

ここで出てくる「請負」・「派遣」・「偽装派遣」 について調べてみました。

請負契約についてwikipediaでは以下のように記載されています。

請負(うけおい)とは、民法の典型契約の一種であり、当事者の一方(請負人)が相手方に対し仕事の完成を約し、他方(注文者)がこの仕事の完成に対する報酬を支払うことを約することにより成立する(民法632条)。請負契約の法的性質は諾成・双務・有償契約である。なお、営業として行われた作業又は労務の請負は商行為となる(商法502条5号)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%8B%E8%B2%A0

要するに、成果物の瑕疵責任は請け負った企業や労働者が負うかわり、発注元企業は指揮・管理はできない。物の瑕疵責任は請け負った企業や労働者が負うことを意味しています。

つぎに派遣契約について

事業主(派遣元という)が、自分が雇用する労働者を自分のために労働させるのではなく、他の事業主(派遣先という)に派遣して、派遣先の指揮命令を受けて派遣先のために労働させる事をいう。

この雇用形態の労働者のことを一般に派遣社員(はけんしゃいん)といい、雇用関係は派遣元と派遣社員の間に存在するが、指揮命令関係は派遣先と派遣社員の間に存在するのが特徴である。労働者保護の観点から、派遣できる業種、派遣期間の上限、派遣を業として行うための許認可制度など様々な規定が労働者派遣法により定められている。俗に人材派遣、もしくは単に派遣と呼ばれる事が多い。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85%E6%B4%BE%E9%81%A3%E4%BA%8B%E6%A5%AD

あくまで時間給計算なので、労働者は成果物(プログラムや設計書)の責任を負わない。

これらの関係でよく話題にあがるのが偽装派遣

偽装請負(ぎそううけおい)とは、業務請負、業務委託もしくは個人事業主の契約形式を採る場合であって、実態が労働者供給あるいは供給された労働者の使役である、または労働者派遣として適正に管理すべきである状況を指す。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%BD%E8%A3%85%E8%AB%8B%E8%B2%A0

法律的な観点は専門家でないので、あえて細かいことには触れないようにしたいと思います。


IT業界の会社間でよく締結される業務委託契約は、「SES契約」とか「準委任契約」といいます。本当の意味の「請負契約」と比較して、SES契約は瑕疵担保責任を請負う側がそれほど負わなくて済み、金額も請負契約より低いようです。日本における中小ITベンダの多くはこの契約で売上を上げています。

私もかつてこのSES契約で現場に入っていた時期があります。そこで多くの方と知り合いましたが、正直、今のIT技術者のレベルは高いといえません。技術を始めとし、海外の製品に「おんぶにだっこ」の状態です。また、開発言語の使い方だけをスクールで覚えて現場に配属されてくる「にわか技術者」がたくさんいます。

SES契約が普及したため、正社員として中小のITベンダに入社しても結局、現場に常駐というのもざらです。どこの会社にも属さないで若くして、フリーで技術者をやっている方も多くいらっしゃいます。

ただ、技術者としての誇りをもって仕事をしている人が何人いるのでしょう。プロとしてしっかり自覚し、技術的な基盤をもった技術者が少ないのには非常に残念に思います。「にわか技術者」ばかりを養成していては日本のIT産業が発展することはないでしょう。

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