ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

銀座

 もうちょっとゆっくり岩合の猫を見られるかと思っていたのだけれど、大変な人混みでなんだか気持ち悪くなりそうだったのであっという間に外に出た。そのまま霧雨状態になっている外を歩いて銀座に行こうかとも思ったけれど、ちょっと距離はあるなぁというので、銀座線で銀座に出た。
 この雨の中銀座の中央通りは歩行者天国(こんないい方はもうしないのだろうか)になっていてぶらぶらとすることができる。これだったら歩いてきても良かったのかもしれない。
 建て替え工事が進んでいた銀座のヤマハのビルが12階建てになって先月の26日にオープンした。なんと一階は全く店舗なんかじゃなくて、あたかもショウ・ルームのようになっている。CD売り場は2階にエスカレーターで上がるようになっている。エスカレーターは山野とは違って下りもある。エレベーターも山野が1基なのに対して2基ある。あるのだけれど、7-9階が333席のホールになっていることも考えるとこの2基でも多分物足りない、ということになるだろうなぁと思う。ホールの収容人員は前に較べたら少ないんだろうなぁ。地下一階に下りてみて、どうせ一階分なんだからと階段で上がろうとした。ステップの一段がひょっとすると結構高いかもしれない。全体に見て落ち着いたカラー・コーディネーションといえるのかもしれないけれど、暗い。
 10〜12階はヤマハ・ミュージック・アベニュー銀座という音楽教室だけれど、残念ながらここではジャズ・ヴォーカル教室は開かれていない。じゃ、どこでやっているかというのはどうやったら分かるの?と訪ねたら各店か、ウェブで調べるしかないというのがレセプションの話だった。
 鰻屋さんでの十一代目金原亭馬生独演会。今日の演目は「三枚起請」。この噺は最近あんまり聞いていない。年に二回のこの会でしか逢わない知人がお嬢ちゃんの結婚式で逢えなかった。どんな顔しているんだろうかと想像するだけでおかしい。
 先月の国立演芸場中席の鹿芝居の脚本は林家正雀さんだけれど、元ネタはかつてのり平さんが芝居でやった「死神」なんだそうだ。
 ニッポン放送うえやなぎまさひこは今年も東京マラソンを走ったのだそうで、5時間45分45秒。
 ところで京橋三丁目という町会は一体何事が起きているんだろうか。鍛冶橋通りに面した東京大栄ビル、片倉工業のビル、京橋三丁目ビル、中央通りを渡って第一生命のビルまでみんな真っ白な塀に囲まれちゃって、解体、解体である。またどこかの不動産屋でやたらと東京を金に任せて買い占めてみたくもないような背の高いビルに建て替えちゃう天に唾する企業でも買い占めたか。
 京橋の昔懐かし、甘味処の「あづま」が店じまいしたあとに入ったのは「吉野屋」の牛丼だった。あまりにも情緒がないよ。そんなこと云われたくないね、と文句が出そうだ。

ねこ 岩合光昭 写真展

 今日は銀座の一角で集まりがあるついでに日本橋三越でやっているという岩合光昭のねこ写真展に寄っていこうとちょっと早めに出た。三越の新館7階の催事場で15日までやっている。気楽にやってきたら、なんと切符売り場に長蛇の列ができていて、後ろには「ここが最後尾」の札が立っている。こりゃだめだなぁ、どれほど時間が掛かるか分からないと諦めようとしたけれど取り敢えずと入った。
 写真が掲げてある高さが比較的低いものだから、ずらずらと並びながら動くんだか動かないんだか分からない人の列の影になってしまう。それでも隙を見ながら見るのだけれど、人いきれで暑い。場内にはアナウンスがあって「気分の悪くなられたお客様はお申し出下さい」なんてことまでいうくらい。本当に面白い瞬間の写真がこれでもか、これでもかと続く。岩合光昭の視点は猫が好きじゃなくちゃこうはならない、というカットばかりだ。例の田代島の写真もある。猫好きって多いんだなぁ。なにしろ岩合のサイン会を待つ人の列が会場の外にずらずらと伸びていた。
 家を出る頃にはNHKBS-hiが13時からハイビジョンスペシャル「マルタの猫」−地中海・人とネコの不思議な物語−を、そしてそのあと14時からハイビジョンスペシャル「決定版 ねこ大百科」と立て続けに放送。今日は「ねこ」の日か。

チリといえば

 今度の地震で沿岸の鮭の養殖場は相当なダメージを受けたのではないだろうか。ロイターによれば鮭養殖の盛んな地域は震源地から南に800-900kmほどいったあたりだというから、それほどのダメージはなかった可能性はあるけれど、少なくともいけすが流されるとか、網にダメージがあった可能性は充分にある。それよりも流通が途絶えることによって製品の出荷や、給餌が滞ることも考えられる。チリから来ている鮭の大半はいわゆる銀鮭といわれている類で日本の宮城県あたりで養殖している鮭と近い。わが国に輸入されている鮭の中ではノルウェースコットランドから来ているものはアトランティック・サーモンといってどちらかというとニジマスに近い種類でちょっと違う。銀鮭の方が値段は安い。だから、余計に鮭弁に影響があるという話になっているんだろう。
 先に大きな地震被害を受けたハイティに較べると遙かにチリの方が国民の生活レベルは高く、対応力もありそうなのに、それでも物資をめぐって略奪が起きる。人間はいざとなったらいろいろなことをしてしまう。
 豪州でかなりな数のチリ人労働者に出会った。なぜなのかは分からないけれど、cityで働いているビルの清掃スタッフにチリ人が多くいた。必ず愚痴を言う。チリで経験を積んだ仕事をここの国では評価してもらえない、こんな仕事しか見つからないと。言語的な問題は大きい。不思議なことに日本から来た人たちは喋るのだけが下手ッくそだ。ところが他の人たちはおしなべて、平気でべらべら喋るが、書かせたり、読ませたりするとからっきしだめ。これだとなかなか給料の高い仕事には就けない。それでもあとからあとからやってくる。
 かつて日本の大学で水産を学び研究したチリ出身者と豪州で知り合った。病弱な奥さんは豪州に入るビザを取得できず、チリに残したままサーモン・ファームで品質管理の仕事をしていた。都会に来て日本食を食べるのが楽しみだといっていた。あれだけのバックグラウンドを持ったスーパーバイザーを生かし切れない日本人管理者はそんなところで仕事をしちゃいけないんだなぁ。彼は今どこにいるんだろう。