日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

トシゾーネモトの人気に嫉妬

・拙作「悪意の研究」の稽古場にトシゾーネモト現わる。姐が「こちらが脚本家の根元さんです」と皆に紹介したところ、
「これがあの……」
「本物のトシゾーネモトさん?」
「後でサインもらおう」
などと、たいそうな人気である。にもかかわらず本人は「あんたのせいだ」と怒っていたが、最終的にはその方が通りがいいとわかったのか、みずから「トシゾーネモトです」と名乗っていた。トシゾーネモトが真の筆名になる日もそう遠くないことであろう。
・先日は一場のみの稽古だったので、平山を加えた二場の稽古を見るのははじめて。面白い。トシゾーネモトには前もって台本を渡してあったのだが、
「腹黒いっていうか、真っ黒ですよね」
と言われる。
「表も裏も真っ黒じゃないですか」
その通りかもしれん。
・稽古後は当然飲み会であったが、連休最終日であったため閉店時間が早く、さほど深刻な時間にはならずに終了。みのりさんは電車のあるうちに帰ってしまい、平山、トシゾーネモトと同乗してタクシー。帰宅は二時。けっきょくいつもとたいして変わらぬ。土日の稽古にも行くつもり。森海月組と、宮下組のみのりさんをまだ見ていない。