旧玖足手帖-日記帳- このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2007-05-22-火 ブログは富野の事しか書く余裕がないと思ったら3時かよ

[][]ブレンパワード14「魂は孤独?」

ブレンパワード 第14話 魂は孤独?(B-ch)

脚本:面出明美 絵コンテ:川瀬敏文 演出:渡邊哲哉 作画監督:津幡住明

またしても変なタイトルである。戦闘シーンの連続の話に、このようなタイトルをつけるセンスはイエスだね!

それにしても、今回の話は中盤の山場の全面戦争ということで、長い!いつもよりもボリュームがある。

で、一人でも頑張って戦ったユウブレンだが。ブレンというのは人間を乗せて、その命のエネルギーぼくらのっぽく吸うのだが、ブレンだけでも頑張る。かわいい。

だが、やはり一人ではグランチャーに勝てずに海に叩き落されてしまう。

そして、勇が叫ぶ!

「馬鹿か!おまえは!図体がでかいからってパイロットが乗ったグランチャーと戦えるほど、おまえは良く出来ちゃいないんだ!親父達が何と言おうとおまえ達は人間を乗せる為のスペースを用意して生まれたんだ、それは何故だか分かるか、ええ?おまえ達がこの地球の進化の歴史の中で学んだ事だよな。人間の反射神経と判断力と感性、それに生殖だけは人間のものを利用するつもりだからだ、こいつのコピーは面倒だもんな!しかし、力を行使する事は自分達のものにした。フッ、人間って奴は力の使い方を知らないエゴイスティックな動物だからだろう?だからおまえ達は、おまえ達に必要な人間だけを摂取して、地球が育てた生物の生体エネルギーの全てを吸収して銀河旅行をするつもりだ!それがおまえ達だ!けどそういうおまえ達が何故かグランチャーとブレンパワードという二つに分かれて生まれた。しかも雄と雌との関係でもない。もっと根源的に、陰陽とか、プラスマイナスぐらいはっきりと反発し合う習性をもっている、何故だよ!?一つで完全無欠に永遠であるものなどこの世の中にはない。だからこうやってぐちゃぐちゃに生まれてきたんなら、オルファンだってそうだろう!?自分の反対にあるものと戦って探しているものがあるんだろう!?ビー・プレートとかもう一人のオルファンとかさ!オーガニックで有機的なものが1つのものであるわけはないのに!貴様、おまえは!比瑪程度の女に唆されて・・・うっ?・・・馬鹿野郎!お、おい。怪我は無いよな?どうだ、ええ?ブレン、痛いところは無いか。悪口は言ったつもりはないぞ・・・。よし、よく戻ってきた、ブレン。震えているのか?何があったんだ?俺がついててやるから怖がるな。何が怖かったのか、教えてくれるか?」

ここまでペットに本気で説教できる飼い主の愛情はすごい。

白鳥哲の怒涛の長台詞の迫力はすごい。

感情的過ぎる叫びと、設定的に重要なネタバレを同時にハイテンションに持っていく構成はすごい。視聴者のレベルなどはお構いなしだ!

はっきり言って、ここでこのように設定レベルの事をベラベラと叫ぶのはアニメ学校では0点の脚本だ。クシャナ様の突撃戦だ。危険で挑戦的な演出だ。


まあ、こういう不自然すぎる叫びを何とか解釈すると、勇は、常日頃からオルファン現象について考えているのが、極限状況で叫んだ。僕の希望的な意訳をすると、「ブレンとついになれるのは人間なのだから、オレのところに戻って来い!」と言う事を、もっと本質的な部分から叫びたかったんだと思う。

しかし、勇の怒りと考察といたわりと励ましに至る感情の波はとても見るほうもワクワクする。揺さぶられる。

僕は、精神的に心臓が痛くなる持病があるのだが。それで、嫌な事があったり、退屈なアニメを見ていたりすると人生が無駄な感じがして心臓が痛むのですが。富野作品の場合は、作中の緊迫感やストレスを感じて、心臓が痛くなる。しかし、作中の喜びを感じて、チャクラが開くエクスタシーを感じる事もある。僕は、目や神経だけで無く、体と魂全体で富野アニメを鑑賞しています。

娯楽の王様!


国連軍に対する虐殺を行なうグランチャーを見て、ヒメブレンは戦いを怖れる。それでも、比瑪がスリット・ウェハーをなでてやると、気力を取り戻す!

富野は反戦のためにアンチテーゼ戦争映画を作ったことが戦争を望むかもしれない若者を生み出した事を反省しても、戦争アニメを作っている!戦争の非常さよりもヒメの掌の温かさを感じろ、と!


ジョナサンと勇の激闘!

アンチボディで、生身で!

おおおおおおおっ!

これはすごいぞ!

掟破りの5回パン!しかも連続で。しかも1回ずつ速度とベクトルが微妙に違う。

出崎でもここまでのことはしなかった!富野のやった事、どんな理由があろうと出崎統以上だ!鬼だ!外道の極みだ!うわああああああっ!!!

こういう戦闘シーン演出が、ブレンパワードの戦闘シーンがつまらない、紙芝居だと言われる原因なのだろうか?

私は大好きです。

カッコいいロボットが良く動いても、動く事によってドラマが活性化しないと詰まらんわけで、ブレンパワードは絵は紙芝居で最低限の動きかもしれんが、最低限で最大のエモーションを発生させていて!

それに、決して絵のクオリティも低いとは思わないぞ!俺に見る目がないだけ?

富野アニメを本気出して愛しながら見ると、ネットでの大衆の評価とは真逆の結論に至ることが多い。俺は富野のアンチボディ!だ!い!す!き!

それで、いのまたむつみデザインの濃厚なキャラが永野護のデザインした不思議生物を使って戦う絵の迫力はすごいし、5回パンやカメラのブレを反則並に使う演出も素晴らしい。その上、菅野よう子の音楽があまりにも過剰すぎる!

これ、ある意味ドラッグムービーだよね。なんか、チャクラが開くわ。


ですから、囚人022さんの、

http://zmock022.blog19.fc2.com/?tag=%A5%D6%A5%EC%A5%F3%A5%D1%A5%EF%A1%BC%A5%C9#entry682

 私の中では比類ない作品であるブレンなんですが、富野アニメが好きだと言う人の間でも評価は微妙で。たとえば、ブレンの戦闘シーンとか、ハチャメチャで「わけ分からん」といったような感想をときどき聞くわけです。

 全身でブレンの音楽を浴びながら、つらつらと思いついたんですが、ブレンパワードでの戦闘シーンというのは、文字通りに「気のせめぎあい」なんだよなぁと。だからミリタリー好きの諸兄が喜ぶような、(ガンダムでは見られるような)戦術戦略なものだったりとか、そういうものとは初めから異質なんですよね。

と言う事には全くの同意をするわけです。

私もブレンを半分見て、やっと確信に至ったわけですが、ブレンの戦闘は、ミリタリーな戦闘ではなく、ミュージカルやオペラやシェイクスピア劇やバレエに近い感覚があります。

ブレンパワードは、プリンセスチュチュなわけです。

D

美しい方が勝つ!魂の強さ!怖気づいた方が負ける!覚悟が武器だ!

アンチボディの性能などと言う物は、基本的には同じなのですから、勝ちたい気が強い方が勝つ!

富野監督は、ミリタリーとかリアルロボットだと言われるガンダムの監督なので、戦略とかが得意だと思いがちなのですが、その実は、単純に主人公を盛り上げるために、強さのランク付けをするという構成論なわけです。

アムロの輸送機はアッシマーよりも百式よりも強いと言うランク付け。

ソロモン守備隊より強い連邦艦隊より強いエルメスよりも強いガンダムより強いアムロのニュータイプ力。

と、そのように富野の演出はマシンスペックを順列する事で強さを強調するわけですが、決して、マシンスペックだけで勝っているのではなくて、弾切れのタイミングとかだまし討ちとか戦術も細かい要素を計算して演出するわけです。

それでいて、トミノリアルな演出ができるのに、それにすぐに飽きる人でもある。

で、ブレンパワードなんか、明らかに気力で動いてる設定だし。演出もエモーショナルすぎる。

ならば、トミノはリアル路線を捨てたのか?と言うと、またそうでもなく、むしろ、戦闘の勝ち負けを左右する機体の性能や補給やら地の利などと同様のレベルのパラメーターとして、感情を重くとらまえた演出をしていると言う事なのだろう。感情をリアルに計算して、それで勝ち負けをつけるわけですから、まさに「気のせめぎあい」なのですね。


だから、ジョナサンは勇に悪口を言いまくる。このライバルのあり方というのは斬新だ。シャア派アムロをかなりうまく誉めた人だが、その他のライバルはロボット戦闘では負けつづけるのが運命で、なかなか主人公と対等の立場を保ちながら主人公を引き立てると言う事は難しい。

ジョナサンも事実、勇に何度も負け、グランチャーは義手を余儀なくされている。

そこで、主人公の家庭を崩壊させて悪口を言って優位に立つと言う戦法を取るライバルは斬新である。それに、ジョナサンは一面においては勇よりもイイ男かもしれないのだ。これは恐ろしい!

気力が萎えると、ブレンが負けてしまう!

がんばれ勇!


ジョナサンのセリフは結構興味深い。

寝たバレ

ジョナサン 「本当の覚悟ができていれば親殺しだってできる!キレてやるんじゃない、逆上しなくたって正義の確信があり、信念を通そうという確固たるものがあればできるもんだ!」

親や女という性に復讐したがる男の語る、正しい殺しの方法!しかし、それはテロリスト論理だ。

ジョナサン 「すまない。言い過ぎたな。しかしもう一つ現状報告をしておくと、女房の態度が変わってもそれに気付かないのがおまえのお父ちゃんって事だ!おまえはそういう男と女の間に生まれた子供なんだ!」

しかし、この直後にオルファンの行動を冷静に分析する伊佐未研作博士はなかなか格好が良いぞ。以前、ID:psb1981さんに、「男が上手くマイホームパパをやれれば、といった感じでしょうか。確かに富野監督もそれがいいのかも、と考えている節があると思います。ただ男にもやっぱり「男の業」というものがあって、マイホームパパというのは男にとってある意味「挫折」なんですね。http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20070215

と、言われた事があったのだが、確かに、それもそうだと思った。

つまり、自分の妻がメスをやっていようと、娘がアンチボディだろうと、息子が牙をむこうと、自分の信じる研究を、オーガニック的で全地球的でパラダイムシフトかもしれない研究に、狭い科学者技術論だけで無くオーガニック的な意思をも対象とした研究を集中して戦えている伊佐未研作博士は、醜男ではあるが格好がいい男だと思う。

だが、冷え切った関係の妻は醜男には満足できなくも成るし、息子の意思を無視するほど溺愛し、若い男にも尻を振る。しかし、そういう女はどこまで言っても満足する事は知らないのだろうな。

そういう親を見せられると、勇は辛い・・・。子は親を自ら否定する時自分も否定するからな。

研作博士のように個人主義になれれば楽ではあるのだろうが。

しかし、研作博士もどこかに勇に対する情もまだある。

アニメキャラなのにねえ。生々しい。


ともかくもともかく、激戦は終わった。


そこで発覚する、彼女が出来たラッセの死亡フラグ

おいおい・・・。白血病の上にエホバの証人治療拒否かよ!

アニメでこういう人はじめて見た。コモドのヨルバ教もすごかったけど。

だが、それを宗教心のためと言う風ではなく、ラッセという男の人生哲学だから、と言う風に描いてて、それは男らしくて素敵だ。その哲学をラッセに芽生えさせたのがブレンパワードとの出会いだと言うのも、主題にも絡んでいてうまい。

脇役でも、その人の人生においては主役だと言うのが富野アニメだ。ラッセは三木眞一郎でカッコいいしな。






カナン 「それ、まるで母なるものの事ね。人間の女達が母になる事をしなくなった。それで子供達は奈落に落ちる。だからオルファンが敵になる」

勇 「そう。それもあるかもな。女が母になる事をやめて、男もそれを許したんだ」

カナン 「戦争が無くなって、自由過ぎて、男も女も自分達の欲望だけに目を向けてしまったのよ」

勇 「生存競争を自分に向けたらエゴだけが育ったんだ」

この会話も、先頭の後の興奮を冷ます会話なんだが、深い。

深いゆえに、ブレンは宗教電波アニメだと言われるが、僕はその内容はともかくとして、こういう深い話を出来る男女の関係と言うのは素敵だと思う。

ふつう、愛し合うカップルでも、その地位を維持するために言いたい事もいえないこんな世の中じゃポイズンだったりするのだが。

それに、ブレンパワードの登場人物はとても考える。

信念をもって命を掛けて戦うと同時に、常に自分の戦いが命を賭ける価値の或る物なのか、自分が戦っている相手は本当は何なのか…。一見矛盾したような態度だが、矛盾できる所に人間の突破力があるのかもしれない。

カナン 「このブレンチャイルドに触っていると、そういう考え方の間違いに気付くみたいで・・・あたし、あの人を愛しても良いのかしら?」

勇 「良いよ、素敵な事じゃないか。カナンとラッセならベストカップルだ」

このやり取りは、本田透のホームページで、

勇はどうやら女性に関心が

全くなく、端にも引っかけません。ひどいはなしです。

# 主人公の気を引こうとしたカナンが、「私、ラッセ(金髪色男)にほれ

# てるの」とブラフをかけても、「すばらしいじゃないか。応援するよ。」

# とアメリカンなリアクションを返す始末です。

http://ya.sakura.ne.jp/~otsukimi/hondat/saru/chara_ka.htm

と、言う風なうがった見方がされていたが、カナンはラッセに本気だろう。

主人公だけがモテるエロゲーに慣れているといけないと思う。


と、パイロットたちが激戦の傷を癒している間に、

国連は、オルファンの浮上が止まり、とりあえずの津波被害が止まった(?)ことと、リクレイマー側がエネルギー問題にオーガニックを利用すると言う動きに答えて、オルファン撃沈作戦を中断した。

国連軍の艦艇が沈められ、1000人規模の人が亡くなったはずだ。

遺族保障などはどうなるのか。

それでも、リクレイマーの犯罪行為を問う事もできず、その技術的アドバンテージ恩恵にあずかろうという世界なのか。国連のえらいさん達は、疲弊した地球を捨て、自分達もオルファンで地球の外に旅行したいと思うような、そんな世界なのか。

まるでガンダムのスペースノイドの嫌な面のようだ。

リクレイマーが国連とも内通している気配は、グリプス戦役よりもねじれている。末端で死ぬ兵士は何のために死ぬのか。

しかし、伊佐未勇は生まれた地球の平和のために、オルファンと戦う!彼の脳のオーガニックな輝きは素敵だ!


ああああ、やっぱり、トミノアニメは芸能でスネ。見てて楽しすぎる。


で、今日も日記が長かったわけだが。あのね、君達ね。

ブレンパワードはやばい。

これでも見所の1部分だけ。

で、ブレンパワードを見てるときがやばい。今日は、「戦闘がスゲー!もうこれで次回に続くな、」と思ったらAパートだったり、「戦闘が終わった!次回が楽しみ!」と思ったらラッセの病気イベントなどと言うコテコテのネタが投入され、やっと終わったと思ったら、いきなり敵の弱点を叩く作戦をハイテンションではじめるのだ。

30分アニメとは感じられない。1時間以上はあったと思う。体感。

ブレンパワードいいワー。

っていうか、富野マジックやワー。

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