玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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∀ ガンダム 第29話「ソレイユのふたり」

脚本・星山博之 絵コンテ・横田和/斧谷稔 演出・山口美浩 作画監督佐久間信一

(↓全セリフ)
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(↓脚本準拠なので、アニメ本編と違う公式サイトのあらすじ)
ストーリー|∀ガンダムWeb
(↓秀逸な感想)
∀ガンダム 第29話「ソレイユのふたり」 囚人022の避難所

∀ガンダムを1ヵ月もあまりにも見ていなかったがために、ガンダム分が低下した。
ガンダム分が減ると集中力が切れたり、ダルさや関節痛が発生する。
土日と言わず毎日見て、通勤中に感想を書かねば!
ノパソよりはケータイで満員電車対応なりよ

今回は、女性に対する萌えの人格無視、フェミニズム、女のロマンスと業を書いてます。



んで二回連続の星山脚本回だけど、二回連続で超わかりにくい。
前回は核兵器を巡ってみんなが混乱して分かりにくかった。
今回はディアナ・ソレル様とキエル・ハイムお嬢様がまた入れ替わって、今度はキエルさんがディアナ様としてロランに会いに来る話。
また入れ替わったのか!
視聴者おいてきぼり。
あれ?核兵器は?ギャバンはどうなったの?ソシエの気持ちは?親衛隊やディアナカウンターの力関係は?マニューピチって?
いろいろはしょりすぎ。


まあ、行間を読んだらわかるんだけどね。フィル少佐派の全権掌握によって、ディアナ派のディアナカウンターの佐官は拘束されたり、ディアナ親衛隊はスモーなどのモビルスーツや装備を奪われて冷や飯食いになった可能性があるんだろうな。と言う風に。
ラストシーンの親衛隊員がすごい苦労したんだろうな、とか。
でも、そんなのは全部行間。


やっぱり、これ、金髪ディアナ様の萌えアニメだよね。
視聴者の疑問なんか知るか!
二人の金髪さんに萌えるのだ!
つぅぅぅきの魂よぉおおーっ!
ソレイユ(太陽のような美しい金髪)の二人を描く事が第一です!


キエルさんはディアナ様以上にディアナ様を演じて、グェン・サード・ラインフォードとハッタリのみで渡り合う。
ミリシャに人質にされても、ポゥに殺されかけても、キエルさんは全く動じない。
朝日を浴びて輝くゴールド・スモーを引き連れたキエルお嬢様は神々しい。
ソレイユに囚われたディアナ様も、フィル少佐の脅しに一歩も引かない。
かっこいいお姫様を描く事が第一です!
そもそも、核爆弾が爆発した話も、結局は夜中の夜明けが二人の金髪さんを美しく照らしただけだし、
今回もフィル少佐は「核兵器なんかどうでもいい!ディアナとキエルを掴まえろ!」とか言う。
金髪さん>>>>>超えられない壁>>>>>核兵器
という萌え至上主義の価値観。
なんだそれ!
お姫様が高貴で美しければ、どっちがどっちでも構わない!
ロランはキエル扮するディアナも等しく敬愛するし、ムーンレィスの技術者グループも「ディアナ様ならうれしい」とか。
なんだそれ!
女性のアイデンティティとか無視かよ。
金髪さんに萌えられたら誰でもいいんですよ!男という愚民は!
敬愛と萌えに値する女性なら誰だって!
お二人で一人、お一人で、ふたり!
萌え記号論(金髪萌え)は突き詰めればここまでかっこいい芝居になるんだな!


うーむ
富野ガンダムは高尚だとか政治的だとか、最近のガンダムは萌ややおいに走ってるとの意見をよく聞くが、富野由悠季が一番えげつない萌えをやらかしてる。
むしろガチ萌えガチホモだから、まったりかわいい萌えにはならん。萌え過ぎて、萌えアニメの範疇に治まらないトミノ。萌えも世界観も物語もコテコテに濃厚。シビれる憧れる。


そのうえ視聴者にもディアナとキエルのどっちがどっちだと説明はしない。そんな場面は一切ない。
説明はしてないが、一応肌の色と目の色がちょっとだけ違うから、種明かしはしてある。見れば分かる。
だから、エヴァみたいな謎解きゲームにはならない。
(そもそも似てる理由も「偶然そっくり」だからミステリも糞もない)
だが、セリフと演出によって、視聴者は見れば分かるはずの見分けを混乱させられる。
そんなの売れるわけないじゃんw
派手な謎解きがあるわけでもなく、混乱する人間模様を描くために演出を意図的に混乱させたわかりにくい作品だなんて!


だが、それがいい
混乱してはいるが、人間模様をミステリやSF設定よりも丹念に描く方が私は好きだ。
むしろ、その混乱こそが戦争を招く人間のサガだよねっていうテーマ性を、ややこしい演出から感じろ、と、君は!


だって、ダビンチコードを見たり、アスラクラインの説明セリフを聞かされたら、僕は「ああ、よくがんばって設定をきれいにまとめたモノだな。」って言って何も感動も残らない。
空想を緻密にまとめるのは簡単なんすよ。僕もよくやるし。
でも、アスラクラインで操緒が「ともくんがんばったね」ってゆったら超萌える。
わぁい
芝居は設定よりも人間どうしの関わりの方が重要です。
一クールのアニメを他の作品と区別する記号にしか過ぎない設定なんか糞食らえだ。
トミノは一年枠があっても人間関係を描いて設定は膨大なのに説明しない。それもどうかと思う!
ま、だからこそ僕みたいなオタクが解析する遊びができるんだがね(笑)


んで、今回のターンAガンダムは金髪さんの他にも女性を描いてましたね。
リリ様がグェン卿にくっついて、飛行戦艦の上でタイタニックごっこをしてご満悦。
アメリアの大統領になる男に抱かれるのは、女のロマンだな。
でも、リリ様はその先を行くんだよなー!後半は!
自分でアメリアの政治をしちゃう。
今回は革新的なメガ粒子砲などの兵器を見て「人類は偉大だと思えますわ!」というが、後半で一万年も宇宙戦争を繰り返す人間の進歩のなさを知り、「人類ってちっとも偉大ではございませんわね」なんて言う。
一貫してるかな?
しかし、キエルもリリも序盤はグェンというイケメン御曹司の気を惹こうとしてたのに、戦争をしてる男を見たら、自分で動きだす。
そう言うのはフェミニズム
ターンエーガンダムは女性人気も高いのは、女性が喜ぶ社会進出を書いてるから?


いや、キエルもリリも元から単にグェンを立身のために利用してただけで、フェミニズムというよりか、女にとって男なんてそんなもんだよねって言う人間らしさでしかないのかも。
これはフェミニズムの主義主張とは違うよね。
Vガンダムカテジナ・ルースは出世にこだわりつつ、クロノクルという王子を捨て切れなかったのが弱さかな。
キエルさんは今回、「グエンは野心家だから戦争を広げる」とかつて憧れた男を一蹴。
もちろん、ハリー・オードという宇宙一かっこいい王子(あきまん、談)が女王のためとは言え、自分だけを守ってくれてると言う快感もあるんだろうけどね。
じゃあ、女は強くてもどこか王子を求める気分もあるんだよね。フェミニズムではないね。
ガンダム恋愛おもしれーなー。


カテジナさんと言えば、今回のフラン・ドールもかわいかった。蛭が落ちて来て女の子らしく怖がる。
(二話では蛭を嫌がってたロランが今回はもう慣れてるのが紳士で可愛い)
重要なのは、フランにロランが「核兵器を預かったんだ」って言う告白シーンを行間で省略してるのに、女の子と男の子の森での語らいの可愛さを描いてる事です。
フランは核兵器を知らないでロランの様子がおかしいのを調べに来ただけなのに、いつの間にか二人で仲良く「(核ミサイルを)宇宙に持っていって捨てる!」と結論のみ言う。
段取りは要らない!萌え第一!
でも、分かりやすいまったり萌えアニメはお約束とご都合主義で段取りはしっかりした安心感がある。
トミーノは段取りを極限まで省いて萌や燃えや思想や電波をぶち込んだキチガイチューンナップ。ピーキー過ぎてお前にゃ無理だ。でこすけやろう。


あと、今回の敵のポゥ・エイジもフェミニズムっぽかった。
ポゥの乗ってるモビルスーツのシルバースモーに今回はスカートみたいな追加ロケットが付いてた。
で、かっこいいハリーは「スカートを穿いたままで私に勝てると思うな!」と偉そうかつ格好よく言うが、スカートみたいなロケットをポゥが脱ぎ捨ててハリーのゴールド・スモーに突撃させたら、ハリーはロケットに押されて動けなくなったw
なんだこのフェミ展開は
よしながふみ
(あんまり読んでないが)


んで、ハリーを突破したポゥはディアナのふりをしたキエルをさらおうとする。
しかし、キエルさんは金髪美人で毅然とした高貴姫なので、体育会系のポゥはかないません。
ディアナ様に心酔して軍隊に入った記憶と、軍隊の上司で恋人でマッチョの間で板挟みになります。
で、結局は自分の男に「俺が王ならお前を女王にしてやる」と言われた事を過大解釈して、「私が女王ならディアナは要らない!」って殺そうとする。
自分の男の言葉に舞い上がったり、自分以外の女が崇められる事を否定するなんて、すごく女のダメな部分だな。



ターンエーガンダムは萌えで女性のアイデンティティを無視してるし、女性のロマンスもフェミニズムも業も書いてる。素晴らしいな。
id:y_arimが言ってたけど、富野は男や女というより、人間を描いてるんだねえ。


ただ、今回のソシエちゃんは脇役に徹してジョゼフと一緒に移動して援護射撃をしただけ。
ソシエ・ハイムは展開上で割りを食ってるなあw
今回はディアナ様とお姉様が中心だからなんだが、ディアナのふりをした姉へのリアクションや、死んだギャバンの事を想ったりというのがない。
キエルさんは男の戦争を止める事に忙しくて妹に会う暇がない。ロランとは話すのにな。
ソシエがギャバンの死を受け入れるのは次回。
ギャバンがあんな消え方をしたら悲しむきっかけもなかったんだろうが、ちと不自然にディアナ優先かも。
次回のドレスに期待。


あ、あと、今回の男達は、戦争にはしゃいでました。
特に技術者たち!(女性技師もいるが)
宇宙船を月に飛ばすためなら、ムーンレィスも地球人も垣根なく協力するが、邪魔をする者は同胞も砲撃して殺す。
それはメガ粒子砲という新技術を試したいだけのように見えるはしゃぎ方だ。
敵味方がないのは良いことだが、技術のためなら道具と邪魔者しかいないのかも?
こういう技術者バカの書き方は流石に富野監督はうまいな。
戦時中に戦闘機用与圧服を作る技師だった監督の父親の影響だな。


で、技術者だけでなく、それを使って戦う軍人もいるし、
指導者のグェン卿は技術者の人心を掌握するためにねぎらって
「あなたがたの技術のおかげでウィルゲムは飛ぶ事ができたが、その技術はあなたがたの生活も豊かにするので力を貸して欲しい」
と名演説をする。あ、ベンチャー経営者によく居る感じだ。
富野監督は虫プロだけでなく、CM制作会社に入って娑婆の経営者とも仕事をしてたしなあ。人間観察が旨かったんだろうなあ。
やっぱり、アニメを見たりアニメを作るために現実の社会があるよね! (笑)


あ、今回のロランとホワイトドールは、ディアナ様のピンチに丁度良く無断単独行動から帰って来てポゥを撃退したので、とてもおいしかったです。
やっぱり主人公様が見せ場を持ってくよな。ロランが一番王子さま!
ガンダムヒーローマンガだな。
人間関係のドロドロだけではない。
超おもしろかっこいいぜ!


でも、ロランが核兵器の捨て場所に迷ってさまよって、捨て場所を決めてウィルゲムに戻ってきたら、ロランに核を託したゼノア大尉は死んでいて、善良そうに見えたゼノアが掘り出したモビルアーマーが敵になっていたことを知るロラン。
やっぱそういうほろ苦い人間関係も面白いな。



とかなんとか、
たかが三十分のテレビまんがを四千字レポートにして、通勤時間二日を使って携帯電話で本文を書いてる僕はバカですか。
でも、頭はスッキリして来た。脳内麻薬出る。
というか、一話につき、これだけ長い。
流石にあきまん氏にも「世界一長ったらしくてグダグダした富野ブログ」と言われただけはある。ガンダムについて書くことがあり過ぎる。
だから、口頭で「ガンダムのどこが面白いの?」と聞かれるのはすごい苦手。
大抵、言い終わる前に相手が呆れ飽きる。
無理して短く言うと、自分がもやもやする。
ま、一言で言うと、「僕がとてもおもしろがってるという事実!」


ガンダムをいくらか見てる人となら延々と会話できるけどねー
でも、ボトムズウテナやお兄さまへを見てないから僕はオタクじゃないと思います。