玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ショート・ピースに日本アニメ界を見た(後編)GAMBO 武器よさらば

アニメ感想ブログなのに、SHORT PEACEを褒めたときはブクマがつかなかったのに「『風立ちぬ』は潰したい!」みたいに怒り狂った時はブクマがついたので、やっぱり僕は憎しみだけで戦う闇のオーラ力の戦士なんだと思う。中途半端なオーラ力の黒騎士なんだと思う。狡猾さだ!
ショート・ピースに日本アニメ界を見た(前編)OP九十九・火要鎮 - 玖足手帖-アニメ&創作-


  • GAMBO

このお話は三つの要所があります。



では、以下ネタバレ


  • 昔話っていうかプロレス

話の筋としては戦国時代の東北地方の田舎の山の夏場に3メートルの宇宙人の鬼が落ちてきて、女の子をさらっていくので、地元の守り神的な2メートルのシロクマ(ホッキョクグマではなくアルビノのヒグマ)が戦うというのがまず一つ。
この妖怪と神の戦いと言うのは、猿神退治みたいなものだなーって思うので、リアルな日本昔話みたいな感じです。

亜細亜堂バージョン


まあ、今回の映画は21世紀のCG技術と作画力でリアルになったとはいえ、まんが日本昔ばなしでもかなりダークな雰囲気の回があったので、単純に今回のショートピースの方が昔のまんが昔ばなしよりもリアルなバイオレンス描写だからすぐれているというわけではないのですが。
どちらも良い!


それはそうと、GAMBOは特に意味もなくプロレスです。
っていうか、原案脚本の石井克人さんの原案コンセプトが「鬼と熊のプロレス」と言うのが最初からあったそうで。
その時点でかなり気が狂った感じなんですが。
CGと手書き作画の力を駆使して、3メートルの宇宙人がクマにチョークスリーパーをかけたり、クマが宇宙人にベアハッグしたり、かなり本格的なプロレスアニメになっています!
最近、っていうかアントニオ猪木が政界に引っこんでジャイアント馬場が死んでプロレスから引退してから、プロレスは下火になって、テレビでもあんまり放送されてない。
ロボットプロレスブームと言うのが70年代にあって、勇者ライディーンとか鋼鉄ジーグはかなりプロレスっぽい格闘戦をしていた。
ですが、最近のロボットは泥臭いプロレスよりもリアルな銃撃戦とか派手なビームとか空中戦になってます。バトル萬画でもむしろプロレスっていうよりはK-1系の殴打が多いし。そういうわけで、アニメであんまりプロレスを見ることは減ってるんですが。
まさか久しぶりに見た本格プロレスアニメが「宇宙人と熊」とは!なんという異種格闘技


パンフレットを読むと「目をそむけたくなるような暴力性」を表現しているそうなんですが「宇宙人と熊」というネタが面白すぎてそむけたくなるような辛い感じはなく、意外と笑えました。
戦国時代のクマなのに、すっごく本格的なプロレスとか、寝技とか投げ技をしてて意味と時代がわけがわからんかった。完了形変態熊か。面白かったなあ。

で、熊のくせに妙にリアルなプロレス技を披露してくれるんですが、それはCGと言うよりは吉成曜作画でした。
最後、血がドバーって出るんですが、そこら辺の流血の表現は明らかにCGっていうより吉成曜さんの作画ですっごい面白かった。
「バトルや暴力の残酷さ!」「痛みを感じさせること」「破壊衝動と罪と罰!」というテーマ性を考えるよりも「すっごいよく動いてるなー」って動画の快感を感じながらヘラヘラ面白がれるような作画アニメでした。

熊が宇宙人の腸をぶちまけるとか、エヴァンゲリオン弐号機と量産型エヴァンゲリオンの格闘みたいに素直に面白かったなー。
キリシタンは説教臭いことを言っていたが、キリシタンは説教するのが趣味なのだ。キリシタンだからな。

フリクリ 原画集

フリクリ 原画集

オークにさらわれた村娘がリョナられる!
っていう非常にわかりやすいエロの快感もある。それは本当に貞本義行さんですよ!
あー、非実在美少女をさらってエロイことをしたい!暴力を振るいたい!
というゲスな欲望も自分の中の獣性として自覚はするのですが、そこら辺、やっぱり貞本さんですよねー。
やっぱり新世紀エヴァンゲリオンも中学生の女子や男子にエロいことやひどい目に合わせたい!っていう欲望を刺激する部分があるし、すごい薄い本とか今も昔も出続けてるし。パチンコで売れたのも、やっぱり綾波やアスカのエロいプラグスーツ姿をボンヤリ眺めてるだけで気持ちいいっていうパチンコおっさんの煩悩を刺激した部分もあると思うわけよ。ミサトさんの普段着姿とかぼんやり眺めながらパチンコした里奈。基本的にパチンコの動画はぼんやり眺めつつ、あとリーチのアクションとお色気で興奮するものですから。
貞本さんの絵はかわいいし清潔感もあるし、リアルよりにも記号っぽさにもどっちにも行けるバランスのいい絵なので、アニメファンにも一般層にも人気が出るんですけど。
そういう、記号的な清潔感があるデザインだけど、おっぱいとか骨盤とかが妙に強調されてるエロさもあるのが貞本義行デザインでもあるので、非常に清楚な所から汚されたところまでのギャップが激しくて、興奮します。
リョナラーとしてはとてもいいです。

新世紀エヴァンゲリオン画集DIE STERNE〈Ver.2.0〉

新世紀エヴァンゲリオン画集DIE STERNE〈Ver.2.0〉

やっぱり貞本義行さんの絵はエロイなー。幼女も!幼女がオークにリョナられるか、熊が死ぬか、イケメンに寝取られるかっていう所のエロチシズムが中編アニメーションとして最後まで緊張感があってエロかったです。
あと、エヴァンゲリオン第25話Airみたいな感じの惨殺グロ描写もあって、すごく貞本さんらしくて興奮しました。俺たちの90年代!


しかし、僕は彼女いない歴30代独身男性童貞キモヲタなので、現実とアニメの区別をつけてアニメばっかり見てるんで、だからこういうエログロアニメを見ても娯楽としてもちゃんと節度を持って楽しめるんですが。ストリッパーやキャバクラ嬢やアイドルや声優ともちゃんと仕事とプライベートの区別をつけられる紳士なのですが。
現実とアニメの区別がつかない若者がこういうアニメをクールジャパンとして見るのはどうか、と自民党の先生も仰っている。

片山さつき「今日本で1番売れてる歌手の1人は明らかに初音ミクですよね?初音ミクがある日突然引退したり亡くなったら、あしたのジョーの力石のお葬式並みになると思う。そういうアイコンが作られて、そこにどんどん若者が入ってしまったなかで、児童ポルノ的な、扇情的なものをしょっちゅう見せられて、それが犯罪に走らないと言い切れるのかどうか」
http://news.nicovideo.jp/watch/nw677814

今日本で1番売れてるアニメーターの1人は明らかにヱヴァンゲリヲン新劇場版細田守作品の貞本義行さんですよね?貞本さんがある日突然引退したり亡くなったら、AKIRAの金田さんのお葬式並みになると思う。そういうアイコンが作られて、そこにどんどん若者が入ってしまったなかで、児童ポルノ的な、扇情的なものをしょっちゅう見せられて、それが犯罪に走らないと言い切れるのかどうか!


まあ、犯罪はアニメのせいと言うよりは生活苦から起こる方が多いんですけどね。


しかし、いいリョナプロレスアニメだったなー。

  • 武器よさらば

カトキハジメさんが初監督作品と言うことですが、パワードスーツのデザインもしていて、それをガレージキットかプラモデルかアクションフィギュアとして売り出したいという下心もあるそうで、売れたらいいですね!
5人組の男性がパワードスーツを着て、装甲車のレーダーのアシストの下で戦う話なので、機動戦士ガンダム08小隊を人間サイズにしたような話です。カトキさんなのでジムっぽい雰囲気です。車輛のデザインは山根公利さん。

↑これはジムじゃなくてガンキャノン


話の流れとしてはブラックマジック M-66のロボットが攻殻機動隊の歩行戦車になったみたいな感じっす。今回、北久保さんは関係ない。
いやー、80年代後半から90年代前半っぽい、俺たちの青春時代がよみがえるような雰囲気でしたね!


主演が二又一成さん(機動警察パトレイバー(進士幹泰))、助演で檀臣幸さん(Vガンダムのクロノクル・アシャー)っていうのも90年代前半っぽさとしてすごかった。
すごくヘタレっぽくてたまらん。
クロノクルの妙にプライドが高そうだけどヘタレでドジっ子な演技が健在だったし、二又さんもすごく芸歴が30年くらい長いのに物凄いヘタレっぽい感じが健在で素晴らしかった。


牛山茂さん大塚明夫さんも洋画っぽくてナイス。
あと、いちいち死亡フラグを回収していくところもB級アクション洋画っぽさでそれっぽくてナイス。エイリアン2っぽくもありますね。


ラストのバカバカしさもパトレイバーのギャグ回みたいで非常に二又さんらしくていい。
しかし、ShortPeaceのオープニングフィルムが少女の股間で、エンディングがおっさんの股間で〆るというのがうまいのかバカなのか…。
膣から生まれてペニスから出て行って死ぬっていう男性の一生を表現した…のかなあ?
まあ、面白かったですよ。


メカの演技としてはやっぱり覗きカメラとプロープがリアルSFメカ好きの男の子が好きそうな感じでよかった。
しかし、バカスカヘルファイアを撃ちまくっていて、廃品回収としては赤字な気がするけど、公共事業だからいいのかなー?

  • 総括

そういうわけで、サンライズ制作なんですが、ジブリっぽさや細田守っぽさGAINAXスタッフ、日アニ、東映系の要素、押井系の要素もいろいろと取り込みつつ、昔の日本昔ばなしっぽさや90年代っぽさもありつつ、っていう感じで、日本アニメ界の縮図を見た感じで、密度が高くてバラエティがあって面白かったです。