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2014-09-06-土

[][][]リセット祭からのゼーガペイン感想(アベニールをさがして 紹介)

昨年のリセット祭りからセレブラントになりました。

それで、今年もリセット祭りが先日あったので、去年書いて途中だった記事を書きます。


ゼーガペインの原作、キャラクター原案/デザインディレクター伊東岳彦幡池裕行)さんが、富野由悠季監督が95年〜96年に書いたライトノベル「アベニールをさがして」の表紙と挿絵を担当したからつなげてみよう、と言うだけなんですけど。

ゼーガペインは放送終了から9年たってもファン活動が活発で、パチスロになったりフィギュアが出たりしてますし。

根強いファンが多いので、私みたいなバンダイチャンネルの見放題配信で初めてこないだ見たばかりの私があれこれ言う資格はないのですが。

http://tunes.sakura.ne.jp/zegapain/?ZEGAPAIN%20WIKI

no title

ファンによる考察WIKIや感想サイトも充実。そう言うわけで、ゼーガペインはすごく面白く視聴したのですが、他の考察サイトを超える感想を書く独創的価値は生み出せないと思った。


ただ、アベニールをさがしてとゼーガペインを並べて書いてる人は見つけられなかったので、私が書く。これなら古参ファンのセレブラントが強いゼーガ界隈でも、ガノタの僕は新しい要素の文章を書けるんじゃないかな、と。

僕は富野監督のアニメも好きだけど、小説も好きなんですよー。


あと、ゼーガペインのレギュラーキャラの一人で主人公たちの年上のキャラとして面白くなる6話に登場するクリス・アヴニールとアーク・アヴニール夫妻が名前にアヴニール(フランス語で「未来」)を冠しているという時点で、「このアニメはアベニールをさがしてのネクストをさがします!」と宣言しているというわけです。

ゼーガペインのキャラクターメカニックの名前は大体みんな「水」や「海」や「鳥と蛇の神話」をモチーフにしてるし、すごく考えられているんですが。

人名 | ゼーガペインwiki

あえてアヴニール夫妻は水や鳥や蛇とは関係なく「未来」をもとにしたアベニールなので、これは完璧にアベニールをさがしてます。


と言うわけで、9年前の作品のゼーガペインのファンを増やしていこうという今回のゼーガプロジェクトのセレブラント狩りに乗っかって、逆に18年前のアベニールをさがしてを推奨していこうという2段構えの戦法で行きます。

アベニールをさがしての主だった感想

ドメインパーキング

ヤバ面白い! 富野由悠季 『アベニールをさがして』 読了 囚人022の避難所

TOMINOSUKI / 富野愛好病 もう一度アベニールをさがして――『アベニールをさがして』の紹介

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私の感想

アベニールをさがして読了! - 旧玖足手帖-日記帳-


  • ゼーガペインとの共通点その1-主人公が似ている

f:id:nuryouguda:20130917213303j:image

アベニールをさがしての表紙を見て分かるように主人公の日向オノレがツンツン頭の髪型の熱血高校生ですよ!

見た目だけでなく、熱血で体を鍛えている一方、日向オノレもソゴル・キョウと同じく地味に博識なんですね。ソゴル・キョウは水泳部員の熱血漢ですが、哲学とか科学の知識が結構豊富。アベニールをさがして、のオノレも96年発表の小説だが国際ネットゲームで英語を勉強していたり、富野主人公らしくメカの操縦などの知識も豊富だったりして。

また、日向オノレの名前はフランス人の作家オノレ・ド・バルザックから取られているので、ゼーガペインのアヴニール夫妻がフランス人と言う所に似ていますね。

バルザックの小説の特性は、社会全体を俯瞰する巨大な視点と同時に、人間の精神の内部を精密に描き、その双方を鮮烈な形で対応させていくというところにある。そうした社会と個人の関係の他に、芸術と人生、欲望と理性、男と女、聖と俗、霊肉といった様々な二元論をもとに、時に諧謔的に、時に幻想的に、時にサスペンスフルにと、様々な種類の人間を描くにあたって豊かな趣向を凝らして書かれた諸作品は、深刻で根源的なテーマを扱いながらもすぐれて娯楽的でもある。

オノレ・ド・バルザック - Wikipedia

この二元的な感じもゼーガや富野作品に通じるところがある。

また、キャラクターデザインが同じ人なので、パイロットスーツのデザインラインの趣味もゼーガペインとアベニールをさがして、は似ている。

アベニールをさがしてのヒロインは色んな年上のお姉さんが出てきて、それはゼーガのシズノ先輩や副会長に引き継がれているかな。(富野作品の方はエログロの度合いが強すぎるけど…)

で、アベニールをさがしてのメインヒロインのアケモちゃんは3巻の表紙にかわいく描いてあるが、富野作品ではかなり珍しい普通の女の子。(とはいっても宇宙船の操縦くらいはできるのだが)その点はカミナギ・リョーコに引き継がれたようなイメージです。


  • その2-メカが似ている。
ROBOT魂[SIDE HL] ゼーガペイン アルティール

ROBOT魂[SIDE HL] ゼーガペイン アルティール

上記の3巻の表紙画像ですが、ゼーガペインのホロニックローダーと同じく、アベニールをさがしてのテンダーギアも胸部コックピットが透明装甲に成っていて外を見れる戦闘機に頭と手足が付いているようなデザインです。テンダーギアを複座敷にして胸部を前後に長くすると、ゼーガペインになるようなデザインです。

また、アベニールをさがしての主役メカはアラフマーンといって、

アッラフマーンとはすべての創造物に対し、その努力の如何にかかわらず、隅々まで与えられる無償の慈悲

no title

というムスリムの概念なのです。他にも、アベニールをさがしてにはエジプトの神の「オシリス」の名前を冠した宇宙戦艦が出てくる。アベニールをさがしては機動戦士ガンダムF91と共通して「コスモ・クルス教」という宗教が登場しているため、このように神話のネーミングを雑多に混在させたネーミングに成っている。(閃光のハサウェイのマフティー・ナビーユ・エリンなど)

ゼーガペインのメカやキャラクターもそういう宗教用語や神話を流用しているので、雰囲気が似ている。

また、アラフマーンの必殺技のインスパイアーエンジンのスペース・ボールもゼーガペインのホロボルトプレッシャーに似ている。最後にゼーガペイン・アルティールが光の翼を武器にするのはVガンダム的。


  • その3 宗教的テーマが似ている

ゼーガペインもラスト付近でシマ司令が「色即是空 空即是色」と般若心経を唱える。ゼーガペインの強いテーマでは量子コンピュータの中のデータの人間が体を持って現実に帰還することを願う、という所があった。

空と色、無と物質の相補性をテーマとして持っている。

(もちろん、ゼーガペインにはほかにも青春ドラマとか恋愛ドラマとか、宗教的、理論的なテーマ以外のものも内包しているのだが。また、鳥と蛇の神話を採り入れているのも面白いし、電脳空間の中でデータ化した人間、というSFエッセンスも強い。)

ゼーガペインのキャッチコピー「消されるな、この想い 忘れるな、我が痛み」と言うのも、つまりは精神と肉体の実在を重視する、と言う風に幻体との対比を描いているんですね。

そして、富野作品でも特に聖戦士ダンバインバイストン・ウェルと地上の関係のように、魂が安らかに過ごす世界と、魂が肉体を持って修練をする場所としての地上世界という構図が多くある。

イデオンの中の第六文明人の精神集合体と二つの人類たちもそうだし、ガンダムニュータイプの概念世界と現実もそんな感じ。

ゼーガペインの脚本家の一人の故・桶谷顕さんもVガンダムに参加していましたし。

それで、特に「アベニールをさがして」はその肉体性をテーマにしています。

「アベニールをさがして」の「アベニール」とは、女性キャラクターの名前でもあるんだけど、同時に菩薩としても描かれている。

その菩薩が語る事には、

≪肉の歓喜と肉の苦しみを知ることは、波動でしかない世界を豊かにするものなのです。波動は、肉を手に入れることによって、豊かになることができたと了解しているのですから……≫

偉大なアベニールは、そのもの自身が言葉を語り得るのも、肉の修行をとおして知った幾多の経験率の集積によって育ったのだ、と語った。

こういうバイストン・ウェルの思想とも共通する富野監督の宇宙観は、ゼーガペインでの幻体と肉体の対比とか、サーバー内の夢と現実の世界観にも共通している。

また、アベニールをさがしての終盤には、こういうセリフもある。

「アベニールは、こういったのではないかね?命同士が、場所と時間を問わずに交感できるようになるなら、宇宙の生成の時代から千差万別の命が無数にあったのだから、それぞれの命の体験を聞き学ぶだけでも、ひとつの命にとっては、一億年と言う時間も短いだろう」

このセリフはゼーガペインのナーガが「永遠」や量子テレポートを手に入れようとした考えに似ている。

ただ、富野監督の「アベニールをさがして」は富野監督がオウム事件後の鬱病が酷い時に書かれたSF小説ということもあるし、ガンダムワールドのニュータイプ思想の影響もあるわけで、人間が肉体から解脱して神を目指そう、と言うようなテーマである。

般若心経のラストの、

「羯帝羯帝波羅羯帝 波羅僧羯帝 菩提 僧莎訶 」

「往け、往け、彼の岸へ。いざ、ともに渡らん、幸いなるかな」

と言う風な救済論と進化論です。

また、進化した人類のガルズオルムと、ガンダムのニュータイプは似ているかもしれない。

太陽の輝きが、銀河系をのみ込むまでに、成長せねばならぬ。宇宙は、新たな精神のモチーフを待っている。 もはや、時はない。あと300億年もない…(機動戦士ガンダム 1978年富野メモ ラスト・メッセージ「シャリア・ブルの手紙」


それに対してゼーガペインは逆にデータ人間が肉体を取り戻す、と言う話なので富野監督とは同じようなテーマを描きながらも、般若心経の色即是空空即是色の解釈が違っている。

彼岸に渡って永遠の存在になるより、この世に留まって有限の肉体で森羅万象とガチンコで向き合ってみたい、という有限の個であることの肯定を持って人間賛歌を描いている。

そういう点で、ゼーガペインは原作の伊東岳彦さんが富野監督の「アベニールをさがして」を読んでイラストを描いて、富野監督のメッセージを受けた事への、返答とか自分なりのアレンジ、とも思えるんですね。

非常に観念的な富野監督の小説のテーマを、冒険ロボットアニメや学園思春期ジュブナイル、サイバーサスペンスという分かりやすい活劇にして描き直した、とも思えるんですな。



ゼーガペインの下田正美監督は、ざっと調べたところあんまり富野監督との絡みはない感じなんですが。


そういうわけで、マイナーな名作のゼーガペインですが、

今ならバンダイチャンネルで会員は月額千円で見放題!

「ゼーガペイン」 | バンダイチャンネル

9年経っても熱烈なファン(セレブラント)がいる名作です!

ゼーガペイン FILE.01 [DVD]

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そして、ゼーガペインを気に入ったら、ぜひ、さらにマイナーで朝日ソノラマ文庫で初版しか発行されてない「アベニールをさがして」を読んでみてください!


「アベニールをさがして」は近未来を舞台にして、スペースコロニーの最初のものが建造されたり、無限エネルギーのインスパイアー・エンジンが出たりと、宇宙エレベーターフォトンバッテリーが出てくる最新アニメの「ガンダム Gのレコンギスタ」にも通じるエッセンスがありますし、ミノフスキー粒子も出てきてガンダムにも微妙につながる世界観です。

なので、富野ファンやアニメファンなら、隠れた名作をぜひご覧になってくださいな。

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