玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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重戦機エルガイム36、37爺回と妹回

第36話 オールド・ソルジャー 脚本:河原よしえ ストーリーボード、演出:川手浩次 作画監督:金山明博
第37話 オリビー・クライシス 脚本:富田祐弘 ストーリーボード:滝沢敏文 演出:杉島邦久 作画監督北爪宏幸

  • 36話

サムライトルーパーから小説家になった河原よしえさんの脚本。でも、今回にスポットが当たるのは老人で十三人衆第5席次ワザン・ルーン。


ネタバレ


13人衆でも古参にあると思われる老戦士。武人的な性格の持ち主。作戦失敗で囚われた際に出会ったダバの姿に初陣で戦死した息子ミザンの面影を重ねて見ていた。円熟した人格と歴戦の武人としての風格から多くの兵士に慕われており(泣きながら彼の出撃を見送った兵士もいる)、その人望の篤さにギャブレーも感心していた。エルガイムMk-IIのバスターランチャーの直撃からリィリィを庇って戦死した。


って、wikiにまとめられるだけの今回のエピソードでしか活躍が無かった…。


老戦士が部下に慕われているが死ぬ、って言う良いはなしなんだが、彼がかばったリィリィはワザンを蹴落とそうとしている嫌な女であり、彼が命がけで守るほどの女じゃないんじゃねーのって気がするので、素直に感動できない。ワザンを慕っている部下のモブもバカに見える。自爆や特攻を美化しないと称される富野作品ならでは、なのか単に話の筋が雑に殺したいだけだったのかは謎。
雰囲気的にはいい話なんだが。
あと、ワザンやリィリィとギャブレーが、バルブドとかアシュラテンプルとかグルーンにホイホイ乗り換えて共有しており、専用機っぽくないので、敵の幹部のわりに大物感が無いし、また、ギャブレーなどのHMの乗り換えの理由もエルガイムではかなり不明瞭な所が多いので戦略としてもHMにどういう個体差があるのかわからん。ネイの専用機としてインパクトがあったオージェが地味にモブキャラに操縦されているというのも、がっかりする・・・。2番機らしい?
まー、色んなロボットをまんべんなく見せてプラモデルを売りたいバンダイと、その姿勢に反感を持つ富野、という構図だろうか。
ここら辺の不協和音はZガンダムでも続く。
また、いつの間にか反乱軍はミズン星の首都を包囲しているらしいが、包囲されている首都に住む人や再占領されたところの人の描写が全くないし、惑星間戦争な割にどういう戦線が構築されているのか全く分からないし、世界観のイメージが分からない。「ヤーマン族が民族根絶やしをされたからポセイダルが悪い!」というのも、ちょっととってつけた感じがあります。ヤーマン以外の民族の構造も見えてこないしなー。そういう点で、エルガイムの元ネタのスター・ウォーズアクバー提督が魚類だったり宇宙人の肌が水色だったり宇宙人の外観で民族性をアピールしてる所が上手かったのかなーって思いました。


  • 37話

妹回。私は妹萌えなので、自然と評価が甘くなるし、久しぶりに面白かったです。
クワサン・オリビーとダバ・マイロードが過去にスキー場で怪我したことをきっかけに婚約したっていう回想のエピソードと、現在で再会した二人がHMで戦う描写がたがいちがいに組み合わさっている非言語的な絵作りの演出が上手かったです。
妹、いいよね。
そういうわけで、アムとレッシィはがんばっているけど婚約済みの義妹には勝てないんすよ・・・。
レッシィは地味にホエールの女船長となって、ターナのダバ隊を支える指揮官になっていた。


作画の点でも、今回は恩田尚之さんとか北爪先生とか窪岡俊之さんが原画で参加していて、Gレコのメカデザインの「あきまん」氏がZガンダムの時に動画マンとして在籍していたみゆきプロもクレジットされていて見どころがある。
次回は結城信輝さんのスポット参戦らしい。
http://rinshi.sakura.ne.jp/anime/L-GAIM.html


メカ戦闘でも金田伊功っぽく蟹股でジャンプするHMとか、動画枚数はあんまり多くないけどスピード感のあるアクションだったと思います。
クワサン・オリビーは近衛隊の指揮官なのでロボットに乗る意味はあんまり説得力がないが、彼女が乗るカルバリー・テンプル・ヘルミーネはオリジナルヘビーメタルだし、金髪のお嬢様っぽい女性的なラインで黄色と朱色の配色もきれいでした。カルバリーテンプルは片目にスコープが付いていて顔が左右非対称なのも、洗脳されたお姫様って感じでよかった。
まあ、指揮官で洗脳されてる少女のオリビーがロボ戦に出る意味はないんだが、ダバとの絡みはロマンチックだったので、まあいいかと。ダバのエルガイムMk-IIの灰色の男性的な色と黄色のカルバリーテンプルの女性的な色合いがダバとクワサンの相似形っぽくて良い。


クワサン・オリビーが単なるヤーマン探知機じゃなくて、彼女の人格の中にポセイダルの人格が埋め込まれている―とかいうのはいまいちよくわからんかった。まー、なんか、「妹が敵のボスに直刷操られているのはピンチ」という感覚を打ち出したかったのかなあ。ポセイダルの政治的にこういう人物が本当に必要なのかは論理的には分からんけど、まあ、ドラマを盛り上げようという気分は感じた。

ROBOT魂 [SIDE HM] カルバリーテンプル ヘルミーネ

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