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2014-10-19-日

[][]創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第9節

サブタイトル[ラスベガスと王の心]

前節

創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第8節 - 旧玖足手帖-日記帳-


  • 待ち合わせ指定場所まであと4km

 ヘルファイヤ対地ミサイル、空対地機銃の砲弾、それとクラスター爆弾が雨あられとレイに降り注ぐ。が、ものすごいスピードでハーレーバイクロンはそれを回避する。

サスペンションタイヤの弾性を利用し、岩山の斜面を跳ねまわる動きはバイクというより、体操選手か、ピンボールかという素早さである。

0「エリア2、これでは人間離れしすぎてはいないか」

2「人間からは、我々は爆風に飛ばされ、偶然この動きに成ったと見えるだろう。物理運動の範囲内だ」

 だが、レイが華麗にバイクを操って回避すれば、余計地球人を煽ることになった。

  

  

アパッチパイロット「あのバイクはなんだ!テロリストのロボット兵器か?」

アパッチ、コ・パイ「撃破しろって命令だろ」

 火を噴くロケットランチャ。


 結果的に砲火は強まる。

7「地球人の通信を傍受した。発見されたが、狙撃を諦め、砲撃の物量でエリア0を殲滅する方針らしい」

0「この爆撃はそうだろう。粉塵に埋まることを提案する」

2「もう埋もれ始めている」

 鉄の嵐に砕かれて、噴きあげられた砂漠の岩と土砂がレイの体を人間たちの戦闘機から隠した。それでいったんは砲撃が止んだが、

0「しかし、いつまでも埋もれて居ては進めない」

5の3「こちらエリア5.3。戦闘ヘリ部隊が上空を旋回している。燃料が尽きるか歩兵が到着するまで離れそうにない」

7「地上の装甲車部隊が各基地から接近中だ。掘り起こされる」

0「待ち合わせまであと30分。待ち時間もない」

7「仕方がない。我々が力を使うしかなかろう」


ドガバラビシャーン!ガーン!

 ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!  

  

  

アパッチパイロット「嵐かよ!こんな時に!」

アパッチ、コ・パイ「違う!竜巻だ!」

アパッチパイロット「この季節、こうなると酷いぞ。ベース!」

  

  

 突如発生した黒雲と竜巻と暴風が旋回していたヘリ部隊を襲い、蜘蛛の子を散らすように逃げかえらせた。地上部隊の装甲車に対しては急に水を含んだ砂が土石流となって足止めした。

7「気象操作は使用する予定ではなかった。C4にも自然現象に見せかけられればいいが」

 豪雨で泥沼に成った地中から、バイクに乗ったレイが再び飛び出して、嵐の中を待ち合わせ場所に急ぐ。

0「地球人の航空部隊は後退したようだな。またスピードが出せる」

 それで1キロの距離は詰める事が出来たのだが、空軍基地の人間側も停止していない。


  • ネリス空軍基地

 ネヴァダ一帯の指揮官のジョーダン少将は未だ直接つながらないエリア51にいらだち、無人機を統制しているクリーチ空軍基地に出向しているメッセンジャーのグレーン大尉へ受話器越しに命令をぶつけた。

ジョーダン少将「有人航空部隊の撤退は仕方が無い、が、アンノウンの目撃地点へのミサイル攻撃はグルーム・レイク基地からやってくれるように要請しているだろう!射爆場内から外部に知られる前に確実に仕留めろ」

 普段、単独犯の侵入者へ大型ミサイルの発射などは有り得ないが、昨日の核爆発から継続した異常状況と、バイクだけで航空部隊の砲撃をかいくぐったアンノウンの脅威が軍人たちを興奮させている。だが、グレーン大尉からの電話で射爆場最奥の秘密基地からの報告を聞かされた時、少将の血の気は引いた。

ジョーダン少将「連邦政府からの命令でケツァルコアトル3機を実戦投入?」

グレーン大尉「はい。エリア51から、すでに発進しました。あれなら有人機や精密誘導ミサイルが使用できない気象条件でも、内蔵コンピューターの高速処理で対応し、自律戦闘が可能です。ターゲットは既にインプット済みです」

 メッセンジャーのグレーン大尉が知らせた。

ジョーダン少将「私は知らんぞ。誰からの指令だ」

グレーン大尉「追って書類での通知がある、との事です。電話越しでは言いかねますっ」

ジョーダン少将「なぜ私には事後通告なのだ」

グレーン大尉「自分にはわかりかねます。私はメッセンジャーでしかありませんのでっ」

ジョーダン少将「そうだろうがな」

 少将でありながら電話越しのメッセンジャーボーイに受話器を叩きつけるしかない自分の立場に、ジョーダンは苛立った。

ジョーダン少将「クソッ。研究所の連中め!中央に取り入ったな!」

  

  

  • 待ち合わせ場所まであと1.5キロ

グワァーンッ!

7「西側のグルーム・レイク地下基地からのミサイル群は我々の暴風で逸らしている。直撃していない。エリア0、移動可能か」

 上からはセブンセンサーが引き起こした嵐、そしてレイとハーレーバイクロンの足元には斜面を滑る泥流。その黒い飛沫が山をえぐるミサイルの衝撃に撥ね上がり、雷鳴が轟いている。

0「物理的手段では登りにくくなってきた」

 泥水にまみれたバイクの車輪が断続的に空転している。宇宙人的な超重力移動を禁じているからだ。

7「ミサイルは牽制モードになった。超音速無人機が接近してきた。これは、新型試作戦闘機だ。先ほどエリア5が破壊した爆撃機より、はるかに高速で重武装だ」

 大気中で監視するのが任務であるセブンセンサーは新しい敵の到来を告げた。この航空機こそが、さきほどジョーダン少将にグレーン大尉が伝えた初の無人完全自律型超音速戦闘爆撃機ケツァルコアトルの三機編隊である。セブンセンサーは空気の分子そのものに憑依しているのだから、ケツァルコアトルが新型であってもセンサーの中を通過するので、その性能は数秒で宇宙人達に共有された。

 基地からの着弾がリズミカルにレイの周囲を牽制。

5の3「編隊3機が相互監視している。我々が事故に見せかけて落とす戦術は困難」

7「秘密基地内で実験段階の機体のはずだが、なぜか出てきた」

 まさしく、その実験兵器である超強力レーザー砲がケツァルコアトルから10km先のレイに向かって照射された。

 ジュッ!!

 不可視の熱線が雨粒を吹き飛ばし、空中に長く白い帯を作る。

0「地球人にしては大胆な行動だ」

7「しかし、この雨の中では熱線は減退と予測」

 が、光線はレイの足元の泥水を瞬時に沸騰させ、その下の岩盤を赤熱化させた。3機からの光線は、超音速で飛行しながらも正確な計算と連携で一点のみに集中し加熱したのだ。

 ぼぅんっ!

 レイの足元で水蒸気爆発!地表から20mの高度に吹き飛ばされた。


次節

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