あけおめ!!

にゃーだよ!ことよろ!(挨拶が遅い)
今は湯葉ですドーモ。マイファーストネームオンザインターネッョ変えた経緯についてはどっかで書いたので繰り返しませんがともかく今は不連続の地平を渡った結果として湯葉なんだ。湯葉が好きってわけでもねーので謎の名前です。はてなアカウントは流石にあの頃(思えば遠くに来たもんだ)から引き摺ってて自己同一性から逃れられないのでこのままにゃーで通します。
久しぶりにこっちの編集画面に帰ってきたけど広くて気持ちいいわね。饒舌のMちんとして名を馳せてた(馳せてない)頃を思い出すわ。いやツイッタでもじゅうぶん以上に饒舌なんですけどこう「だらだらととりとめなく」ができるのはウェッブ日記のいいところ。
なんかこう一本記事書きたい気持ちがあるので書けたらまた見せに来るね。来なかったら察してください。チャオ!

わたてんミリしらでプレシャスフレンズ観たんですけど

湯葉 on Twitter: "わたてんプレフレ(長い)(わたシャスじゃ駄目?)良かったんだけど終わった時臨席の女性が静かにめっちゃ泣いててちょっといろんなものを飲み込んでしまった" / Twitter

んですよ。(臨席→隣席な)

なんかそれっきり出るものが出てくれなくて(うんこみたいに言うな)もやもやしてるので書き散らして出す。出ろ。

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別に満点だったとは全然思わんし、とっつきづらさはすごくある。お約束なのか?みたいな掛け合いが入ったり全員がお行儀よく順番に一言ずつ喋るみたいなシーンが多かったり無闇に整列したり。

けどまずそれをものともしない自意識の悶えが来る。おそらくみやこさんの喋りがとにかくいい。実際に唇半分縫いつけて喋ってんじゃねーかってゆー粘りとくぐもりのある発声(ただし全く不明瞭ではない)、があらゆるシーンで貫かれる。コメディパートにもシリアスシーンにも味を加え、キモさと聞き良さを両立できてる。何あれこわい。このアニメが人気なの分かった。

あと「目くばせ」が異様に親切。キャラの視線移動を見ればぜんぶの事情が飲み込めるように出来てる。この補助輪にも似た分かりやすさ、どうなのかと見る向きもいそうだけど、体感としてはただただ「親切な設計だな」だった。

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性愛に関して、あんまし性愛「以上」の腑分けをして来なかったかもしんないな、と思った。

友愛と言い切るには未体験な領域の感情が多すぎる。欲情とは絶対に言えないけど肉の体自体への指向は間違いなくあり、いろいろな角度でのフィジカルへのアプローチがある。案外単純じゃねえな、となってしまう局面は多かった。

互いの髪を「手ずからを込めて」繫ぎ留めあう関係。遥かな時を超え失われず「それ」を支え続けてきた一対の開花、気が遠くなる思いがする。なんだあれ。その存在自体が奇跡だろ。あんなに簡単に喪われかねないんだぞ、モノなんて。(見つかったけどね)(よかったね)

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あの人はどうして泣いていたんだろう、というのを、ぐるぐるぐるぐる考え始めてしまったのは、よかったのか悪かったのか。もうよく分かんないし。ひょっとしたら単に推しの幸せに泣くただのオタクだったのかもしんないし。ただなんか、何の涙だったにせよ、なんか救われたのかな、と感じちゃったんだよな。

それでこれ俺なんかが観ても良かったんだろうかみたいな風に戸惑ってたんだけど。まあ、いいんだろうな。意味が深かろうとそうでもなかろうと泣けたものは泣けたんだし。

結局まとまんないまま2日かかった、現時点で思った事はたぶん全部書けたので、放流する。わたてんプレフレ良かったっすよ。ひょっとしたら見て(楽しい以上に)幸せになれる人もいるかも。

母帰る

親が所用で一瞬だけ上京しに来たので出迎えと見送りをしてきた。

2年会ってない割にはカクシャクとしてたなー、髪は真っ白になっててそこだけビックリしたけど。ジジババの歳はもう抜いちゃったしいつお迎え来ても不思議じゃないけど、なんか元気な姿見ると、まだ全然先のような気がしてしまうな。気がしちゃマズいんだ。まあ色々と相変わらずみたいで安心はした。

……会うと絶対カロリーボム食らうんだよなあ。

さよなら幽霊ちゃん_01(sugar.)

激推し作家sugar.氏の初単行本が出たよ。

↑書影!かわいかろうが。

この物語は3人の幽霊部員と1人の幽霊が涙あり笑いありの高校生ライフを満喫するドラマで、サスペンスだ。いや嘘はついてねえ。たぶん。

 

まず絵をご覧。折角書影の出るAmazonのリンクを貼ったんだから穴が開くまでご覧。幽霊のゆうちゃん、ソリッドでミニマルなkawaiiを追求し続けてきたsugar.氏の現状での到達点と言えるめっかわゲロカワ鬼キュートキャラに仕上がっている事がこの1枚からも感じてもらえると思う。

このタイプじゃないkawaiiの引き出しも多いしそれは読んでいただければいっぱい浴びる事ができます。ワオワオって言っちゃうよ!マジで!

 

物語は主に(ここ20年で完全に確立されたと言ってもいい)(二次元版フルハウスないしやっぱり猫が好きとも言い換えられる)なんやカワイイ子らがわちゃわちゃ集ってしょーもない掛け合いを応酬するあのスタイルで進む。

元々テンポ早めの人だったんだけど本作では加速度が異常、ひとコマ内で4コマの起承転結ネタを圧縮コラージュしてオチがシームレスに次のコマに進む、みたいな有り様。忙しすぎて変な汁出てくる。と思いきや抜くトコではスッ……と抜いてきて慣性でブッ飛ばされる。笑いのジェットコースターって言葉があるけど、完全にアレです。

掛け合いのネタが「今日の天気」レベルに前提知識を要さない易しい笑いである事、オタク漫画ストリームの中では結構異常だと思う。ノリがすっごいだけでネタは万人向け。さてはこれオタク漫画じゃないな?(どうでしょう)(※ゲストの城田先輩のアレ除く)(あれは比較的ハイコンテクスト)

 

そんな日常が本当に楽しくて、これはそういう漫画なんだな……と思って気を楽に構えて読んでいると、死にます。もう一度言いますがこれはドラマで、サスペンスです。

どうやら(どうやらというのは現時点でいまだ見えていないものがいっぱいある)この物語には伏せるべくして伏せた幾ばくかの真実があり、彼らは薄氷の上で日々を踊っている。それはゆうちゃんの実存のように荒唐無稽なものかもしれないし(何しろ彼女はマジの幽霊)、あるいは誰の幼年期にも訪れたようなありふれた危機なのかもしれない。

彼らはやや内向的で抱え込みがちなちょっと難儀な高校生だし、どうにも生徒を扱いかねてる新任教師にもおっかなびっくり見守られてるし、きっと何が起こってもおかしくないんだと思うよ。「そういう空気をしっかりと漂わせている」。

目が離せないんです。謎とか考察とか、そういう話ではなく、シンプルに「心配だから」。

 

作者は「謎解き」を趣味としており、趣味が高じてライフワークに片足突っ込みつつあります。SCRAP社(社?)のプロダクツを遊び倒し過ぎて目をつけられPR漫画をしばしば描かされててあれは面白いです。いずれガッチリ企画から噛んだ製品出るんじゃないかなー。

……何で今こんな事書いたかって?

隠れてるんですよ。たまに。

単純に構成がうまいというのはあり、今回単行本化に際し読み直した感じだと「あっこれ前の話の」みたいな驚きもあります。配置や配色、間違いなく漫画として「クレバー」で「読みやすい」。んで、そういうのじゃないダイレクトなやつが。うん。

これ以上は書けないというかこの項は書いた時点でネタバレみたいなモンなんですけど(この本には叙述トリックがあるよ!と喧伝するようなモンなので)、それでも「これは本筋ではない」し「スルーされるともったいない」ので、書いた。まあ帯に謎って書いてあるくらいだし、いいだろ。きっと。

 

御託を並べましたが要はヤバいので読んで。これはね。間違いのねえ漫画です。

どうやら芳文社の公式ページは配送無料のサービスが複数選べる親切設計なので好きな会社を選ぼう。↓

houbunsha.co.jp

23日追記。謎解きの存在が解禁となった(解禁もクソもない)(神様は何も禁止なんかしてない)ので、以下twitterでの補足の転記。

単に謎を仕込んだだけ、ってわけでもないんです。読み込みと解釈でも到達しうる「裏面」に、謎を解く事でダイレクトに対面してしまう羽目になります。

いくらかの手作業を経て「体験」する行為によって用意された事実への没入感が高まり、単にそれを知っただけでは届き得ない感動を得てしまう。漫画を読むという行為の外から揺さぶられるわけです。脱出ゲーム系の謎解きジャンルの面白さってこれか!と驚くと共に、裏のメッセージが過剰に心に入ってくる。

たぶんこれ、その効果を誰よりも遊び倒して知ってる作者が、わざとやってるわけで、罠なんじゃねえかな……と今は私見しています。色々とここまでもこれからも「漫画的な仕掛け」を縦横に張り巡らせている、にも関わらず、いわば完全な裏技をも用いてくる。 このメッセージに飲まれるべきか否か。まだ考えてますよ。

それはそれとして、素晴らしい手腕。超親切な解答編が届けられる前に読み解けた人は幸いなり。

銀座琥珀屋雑貨店 神様と縁結び(佐々木 匙)

 

www.kadokawa.co.jp

https://www.amazon.co.jp/dp/4041116406/

 

さささんこと佐々木匙先生の10ヶ月ぶりの新作が刊行されました。昔さささんの本が書店に並んでるの見るのが夢だったんだよな。もう4冊目だぜベイビー。すごいよ。未来って今さ。

 

どうも非スニーカーの角川文庫内でキャラクター小説というジャンルメイクがされているらしいんですけど、前作と今作はその一翼を担っており。

今作、どうにも愛くるしい善男善女達が時には荒事に揉まれ時には厄災に抗いする姿と生き様をめっちゃニコニコしながら延々眺めていられる、おっそろしいクオリティのラブコメに仕上がっています。たぶんラブコメでいいと思う。コメ……うん。コメいよね。きっとコメ。

 

深く語ると美味しいトコをネタバレしちゃうので語りませんが、まあまあ年上なのに人里一年生みたいな振る舞いで弓子(主役な)と読者を振り回すなんかデカくて顔のいいおっさん店員がいちいちキュートだしそれに仕える店主(店主ですが仕えてます)が狐目で常に丁寧語の胡散臭さ極まるザ・細目キャラ(このあと更に属性が増えます)でそんなんなのにいちいち繊細に立ち回り話を締めつつも俺を悶え転がしてきます、女性陣もまあまあおきゃんに造形された弓子を完全に食っちゃう爆発娘あり厄を背負って湿り気と儚さそして辛辣さを繰り出す地獄少女ありでもう大変に忙しゅうございます、色々とね、こう、知ってる人は知ってる作者のヘキをぶわーっと浴びてたらこれただのヘキじゃないな!?と泡食うしなんだかわけがわからなくなるし、ラブわよ。

 

nyah.hatenadiary.com

今作、実は前作と直接の繋がりがあり知っているとより楽しめる……という側面あるんですけど、知らなくても全然だいじょうぶです。今作を知ると前作がより味わい深い、と言った方がたぶん正確。

 

以下ちょっとだけネタバレ含む吐き出し。

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