三菱重工のガスタービンシェアは既に23%!

三菱重工 CO2削減でガスタービンの競争優位性が高い
2009年6月9日 10:11
http://www.nsjournal.jp/news/news_detail.php?id=161655
 メリルリンチ証券は6月8日に「温室効果ガス削減対策」のレポートで太陽電池リチウムイオン電池関連企業を解説しているが、電力ガスセクター担当アナリストは風力・太陽光・地熱などの新エネルギーに期待していないことも紹介している。
 問題点は(1)日本の電力需要は新エネルギーで賄えるほど少なくない、(2)国土が狭隘なため設置困難、(3)日射量や風力など自然エネルギーも不足、(4)電力会社の系統電源が完備されているため、太陽光や風力などの分散電源は、電力を不安定化させる。

 敷地面積当たりの発電量では、原子力発電は太陽光発電の300倍以上が得られる。経済産業省は2019年3月期までに、原子力発電の構成比を現在の26%→40%へ高める計画だが、新エネルギーは1%→1.5%へ増えるに留まる。
 ただ、原子力発電は地元の了解や環境調査など、決定から運転開始までに数十年かかるのが難点。
 そのため、短期間でCO2排出量削減や燃料使用量を削減するためには、高効率のLNG液化天然ガス)火力発電が効果的で、中でもガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)が有望と解説。

 ガスタービン発電効率は入口温度の高さで決まる。三菱重工(7011)の新製品「J形」は世界最高の1,600℃級で、熱効率が60%を超える。米GEの「H system」は1,500℃級に留まり、独シーメンスなども1,600℃の実用化に成功していないため、優位性は高いと指摘。
 三菱重工ガスタービンの世界シェアを2008年3月期の12%→2009年3月期は23%に倍増させたが、2012年3月期は30%以上が目標。(W)