昨日のブログの続きです。
節が無くて、高級な家でないといけないだとか、
フシがあっても安い家でなにがイケナイと仰る方。
それぞれごもっともです。
多種多様で良いと僕も思います。
が、ほんの少し工夫をすれば、もっと素晴らしい家にする事が
出来るのではないかとも考えます。
材料の善し悪しの見極めは家の「格」につながります。
では「家の格」とは何でしょう。
またそれは何の為に存在するのでしょうか。
すこし考えてみましょう。
例えば、家の中でどの部屋に良い木材を持っていくべきでしょうか?
日本建築で言えば・・・・・・
正解は「客間・座敷」ですね。
ここにはなるべく家の中でもいい木をつかいます。
何故か?
そうすることで、家主が大切な客人をもてなす心構えを表現できます。(成金主義じゃないですよ)
では次に良いものを持って行く場所は・・・寝室は?居間は?
とそれぞれの場所に相応しい、材料の種類やグレードが決定されます。
日本建築ではそれを「真」「行」「草」といいます。
昔の建物にはそういった見えないルールというか作法によって出来ています。
一般的な表現の「松竹梅」とは意味が少し違います。このニュアンスが説明の難しい所です。
「伝統」と呼ばれるものには概ね「真・行・草」の理念が息づいています。
それは、体感して経験として段々体に染み付いていくような知識です。
本を読んで、理解すれば直ぐに会得出来るようなものではないのではないかと感じています。
故に、僕もまだまだその神髄の入口に足を踏み入れたばかりです。
しかし、古民家を体験し続けているこの身に
ヒシヒシと先人が道先を間違わぬように見えない言葉を伝えていてくださる事を感じます。
「家の格」を考える事は作り手にとっては
家づくりの善し悪しを見極める上で、「歴史に精査された最上のモノサシ」です。
独りよがりなデザインは後世まで残りません。
「家の格」は住まい手にとっては
客人や家人への相応しい気持ちを表現出来る
もてなしの精神なのではないでしょうか。
ゆあさ
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