大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

あたりまえの家

来週6/23(土).24(日)に
岡山市南区の建物の完成見学会をご案内しています。
ご希望の方は
メールの方は→ o-sumi@mx9.tiki.ne.jp まで。
電話の方は → 0862875037 まで。
是非ご連絡ください。


その住宅にまつわるお話です。


在りし日、当たり前だったものが、
とつぜん失われ、かけがえのない存在であったことに 気付く。
そんなことは日常にあふれています。

建築業界も違わず、
一世代前には当たり前に享受できた
建築の材料や、技術や気遣いが失われつつあります。

たとえば、最近は土壁の家を見なくなりました。
土壁の家は「なんとなくお高い」というイメージのみを残して
一般のお宅からは消えました。




例えば、貫(ぬき)という柱を貫通する水平の構造材は
見受けられなくなりました。
現在では、さらに柱をボードで隠してしまうため
貫(ぬき)を構造兼仕上げ材として見せることは
ほとんどありません。




例えば、無垢の板を丸太から製材して
床板をいちいち作ることもなくなりました。
現在では、既製品のフローリングが一般的です。

フローリングとはいえ
2メートルの長さの板の場合
60センチぐらいでジョイントされ、短い板が成形されて2メートルの板として
出荷されます。

この家のように、幅も長さも自然の木に合わせて
床に一枚一枚気を使いながら貼る風景はあまり見られなくなりました。



さらには、現場で現場小屋を建て
木を見て、現場を見て大工が加工をする風景は一般的にほとんど見受けられません。

なぜでしょうか?

家がプラモデルのように、組み立てる材が工場でパタパタと作成され
現場では加工する必要がないためです。
現場ですること言えば、工場から届けられた「部品」を段ボールから取り出して
くっつけることでしょうか。

現在、カンナもノミも大工には必要ありません。


現在外壁に柱を見せることはほとんどありません。
「真壁」と言われる建築業界の絶滅危惧種





当たり前が
当たり前で
なくなる日。


そんな時代に
当たり前であるはずの家が
奇跡的に
当たり前のような涼しい顔で建ちました。


これほど嬉しいことはありません。
あたりまえ、ですけどね。




ゆあさ



                                                                                                                      • -

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