中学生・高校生のための数学教室

数学を学びなおしたい方も大歓迎(^.^)

第3章 平方根 1 平方根


第3章 平方根


1 平方根


0 はじめに


皆さんこんにちは。新章突入です。これから学習する内容は、その名もズバリ…『平方根』です。

『平方根って何?』と思う人も『ルート』とう言葉は聞いたことがあるでしょう。
それでもピーンと来ない人は、電卓についている謎のボタン『f:id:obamasahiro:20110129151510g:image』、

これは見たことあるよね。てなことで、いよいよ『f:id:obamasahiro:20110129151510g:image』の謎が解けるわけです。

よかったですね。ではいきましょう!!


1 平方根


まず、平方の意味はわかりますよね(「2乗する」って意味でしたよね)。

では『平方根』とはいったいなんでしょうか?

『平方根』は「平方」の「根」…「根」は根っこ、つまり「もと」という意味ですから、まとめると、

『平方根』は「平方」の「もと」という意味です。

「えっ、ぜんぜん意味がわからない!?」…、そうですよね、これじゃわかりませんよね。

では、こう考えてください。



平方根とは平方の逆、つまり、平方(2乗)したらその数になる数のことをいう。



具体的に見てみましょう。


例えば「36の平方根は?」と聞かれたらこれは、「2乗したら36になる数は何?」という意味です。

だから、6^2=36 なので、

「36の平方根は6」となります…といいたいところですが、

忘れてはならないものがあります。

それは、(-6)^2=36 なので、−6も36の平方根であるという事実です。

ですので改めて、「36の平方根は、6と−6」が答えとなります。


このように、一般的にある数の平方根は絶対値が同じ+の数と−の数の2つがあります。

そこでいちいち分けて書くのは面倒なのでこの2つの数をまとめて±□と書きます。


上の例を書き直すと、「36の平方根は ±6 」となります。


ここで、わざわざ「一般的」と書いたのは、例外があるからです。

この例外何だか分かりますか?

まず例外その①0です。0の平方根は、0に+も−もないので0だけになります。

次に例外その②、+の数も−の数も2乗すると+の数になります。つまり、2乗して−の数になるものはありません。

よって−の数の平方根はありません。


0と−の数、この2つの例外はしっかり頭に入れて置いてくださいね。


話は変わりますが、平方根を考えるときに次の計算結果が必要となるので覚えてください。



暗記

11^2=121 , 13^2=169 , 17^2=289 , 19^2=361



※右から左が思い出せるようにしてください。つまり、“289”ときたら“17”といえるように!!


ここまでよろしいでしょうか? では例題にいってみましょう。



例題1 次の数の平方根を求めよ。

(1) 25

(2) -5

(3) 324

(4) 0

(5) \frac{25}{36}

(6) 1.96




例題の
解説・解答



(1) 5^2=25より25の平方根は、±5(答)です。

(2) −の数の平方根はないので、 なし (答)です。

(3) 一生懸命探すのもいいですが、ちょっと工夫してみましょう。

   324を素因数分解すると、 324=2^2\times3^4 となりこれより、

   324=(2\times3^2)\times(2\times3^2)

     =18\times18

     =18^2    よって平方根は、±18(答)です。

(4) 0の平方根は、 0 (答)のみです。±をつけてはダメですよ。

(5) 分数の平方根を考えるときは、[分母]と[分子]を分けて考えます。

   [分母] 36→6

   [分子] 25→5

    よって\frac{25}{36}の平方根は、\pm\frac{5}{6}(答)です。

(6) 小数は分数に直して考えます。

   1.96=\frac{196}{100}

     =\frac{49}{25}

   そして、[分母]と[分子]を分けて考えます。

   [分母] 25→5

   [分子] 49→7

   よって1.96の平方根は、\pm\frac{7}{5}(答)です。±1.4でもOK



2 根号


では次に突然ですが、次の図におけるxの値を考えます。


f:id:obamasahiro:20110129113336g:image


ということで、xの値は200の平方根ということがわかりました。

では200の平方根を考えて見ましょう。

すぐには見つかりそうもないですね。

なので、いろいろな数を2乗して探してみましょう。


10の2乗は、10^2=100 ちょっと小さいですね。

20の2乗は、20^2=400 大きくなりすぎました。

では10の次から順に2乗していきましよう。


11の2乗は、11^2=121

12の2乗は、12^2=144

13の2乗は、13^2=169

14の2乗は、14^2=196 おぉ、ちょっと近づいてきた。

15の2乗は、15^2=225 通り過ぎちゃった…。


ということで14と15の間に2乗すると200になる数がありそうです。

では次に14から0.1刻みでやってみましょう。


14.1の2乗は、14.1^2=198.81

14.2の2乗は、14.2^2=201.64 通り過ぎた!!


ということで14.1と14.2の間に2乗すると200になる数がありそうです。

では次に14.1から0.01刻みで…という手順でこれを、0.001、0.0001、…と続けていくと…、


14.142135623730950488016887242097…(うげ〜)と続いていきます。


そしてこれ、終わりがないのです。


このように小数点以下が無限に続く小数を『無限小数』といいます。

このような無限小数はこれまで皆さんいくつか見てきたと思います。

いままで出てきた無限小数をここで少し見てみましょう。


[例1] 小数を分数に直したとき


\frac{1}{2}\frac{3}{8}は小数に直すと、

\frac{1}{2}=1\div2=0.5

\frac{3}{8}=3\div8=0.375

のように「終わりがある小数」ですが(このような小数を有限小数といいます)、

\frac{1}{3}\frac{3}{7}\frac{5}{11}は小数に直すと、

\frac{1}{3}=1\div3=0.33333333333333333333333333333333\cdots…①

\frac{3}{7}=3\div7=0.42857142857142857142857142857143\cdots…②

\frac{5}{11}=5\div11=0.45454545454545454545454545454545\cdots…③

となり無限小数となります。


この無限小数をよく見てみると何かに気づきませんか?よ〜く見てくださいね。

そうです、同じ数字の列の繰り返しになっていますね。


①は3の繰り返し(0. 3 3 3 3 3 3 …)

②は428571の繰り返し(0. 428571 428571 428571 428571 428571 …)

③は45の繰り返し(0. 45 45 45 45 45 …)   です。


このように同じ数字の列の繰り返しになっている無限小数を特別に循環小数(じゅんかん)といい、

①は 0.\dot{3}       ←「上に・がついている数字が無限に続く」という意味

②は 0.\dot{4}2857\dot{1}    ←「・と・で挟まれている数字の列が無限に続く」という意味

③は 0.\dot{4}{5}

と表します。


分数を小数に直したときは必ず有限小数かこの循環小数になります。

逆に言えば、循環小数は必ず分数に直すことが出来ます。


[例2] 円周率 \pi


円周率 \pi とはもともと、(円周の長さ)÷(円の直径)で出てくる値ですが、


これもまた有名な無限に続く小数ですね。


一部を(ちょっと多めに)書いてみると、

\pi
=3.141592653589793238462643383279502884197169399375105820974

94459230781640628620899862803482534211706798214808651328230

66470938446095505822317253594081284811174502841027019385211

0555964462294895493038196…

となります。


この数字の並びをよくみると、同じ数字の列の繰り返しにはなっていませんね。

つまり循環小数ではないのです。だから分数で表すことが出来ません。残念。


なのでわざわざ “ \pi ” という記号を使って表しているのです。


さて2つの例を見てきましたが、2乗して200になる無限小数は上の2つの例のどちらに当てはまるでしょうか?

200の平方根として計算した、14.142135623730950488016887242097…は同じ数字の列の繰り返しになっていませんね。

つまり \pi と同じで、これは循環しない無限小数なのです。

よって分数で表すことが出来ません。


これまでに習った数(整数・小数)はすべて分数で表すことが出来ます。 ※3=\frac{3}{1} のように…

しかし200の平方根(2乗して200になる数)は分数で表すことが出来ない数なのです。


このように分数では表すことが出来ない数、つまり、

これまでに習った数では表せない数のことを 『無理数(むりすう)』 といいます。

また分数で表すことが出来る数(\pi 以外でこれまでに習った数すべて)を、 『有理数(ゆうりすう)』 といいます。


よって無理数である200の平方根を表すには \pi と同様に新しい記号が必要となってきます。

そしてその記号が『f:id:obamasahiro:20110129151510g:image』なのです。


では『f:id:obamasahiro:20110129151510g:image』の説明をします。


まずこの記号 f:id:obamasahiro:20110129151510g:image は根号(こんごう)といい、\sqrt{a} を 「ルートa」 と読みます。

そして、この根号 f:id:obamasahiro:20110129151510g:image の意味は次の通りです。


正の数aの平方根のうち

+の方を、\sqrt{a}

−の方を、-\sqrt{a}   (2つ合わせて、\pm\sqrt{a}) と表す。


つまり、200の平方根は\sqrt{200}-\sqrt{200}(合わせて\pm\sqrt{200})となります。


他の数でみると、
 \sqrt3は3の平方根の+の方

 -\sqrt{11}は11の平方根の−の方

 \sqrt16は16の平方根の+の方 という意味になります。


あれ、ちょっと待ってくださいね。気づきました?

\sqrt{16}です。これちょっとおかしくないですか?

「えっ何が?」なんて言っていてはダメですよ。

\sqrt{16} は16の平方根の+の方という意味ですが、

16の平方根の+の方は4というちゃんとした値があります。

つまり16の平方根は、

f:id:obamasahiro:20110129151510g:imageを使って表すと、\sqrt{16} , -\sqrt{16}

f:id:obamasahiro:20110129151510g:imageを使わないで表すと、4 , -4 となります。

そしてこれらは同じものを表しているので、

\sqrt{16}=4 , -\sqrt{16}=-4 ということがいえます。

「じゃ16の平方根を書くときは、

\pm4 でも \pm\sqrt{16} でもどっちでもいいんだ!」と思うかもしれませんが、

通常は、\pm4 と答えます(使わないで済むならf:id:obamasahiro:20110129151510g:image は使いたくない!)。


そして\sqrt{16} は4へと直します。


いろいろ長くなってしまいましたが理解は出来ましたか?

ここまでの話をポイントとして次のようにまとめておきます。



Point

正の数aの平方根…あるものは ± 数字 で、 ないものは \pmf:id:obamasahiro:20110129151510g:image で答える。



【例】

 1の平方根→\pm1

 2の平方根→\pm\sqrt2

 3の平方根→\pm\sqrt3

 4の平方根→\pm2


 5の平方根→\pm\sqrt5

 6の平方根→\pm\sqrt6

 7の平方根→\pm\sqrt7

 8の平方根→\pm\sqrt8

 9の平方根→\pm3

 10の平方根→\pm\sqrt{10} です。


ちなみに、

\sqrt{2}=1.41421356\cdots

\sqrt{3}=1.73205080\cdots

\sqrt{5}=2.23606797\cdots で、

この3つの無理数の概数(がいすう[おおよその数])はよく使うので覚えてください。

といってもこんなに長くは必要ないので、

\sqrt2≒1.41 , \sqrt3≒1.73 , \sqrt5≒2.24 と、

[tex:\pi" alt="パイ" />(≒3.14)と同じ小数第2位まで覚えておいてください。 ※ ≒は“約”という意味


また、はじめの方に出てきた「いろいろな小数」などについてもまとめておきます。



Point 【小数の分類】

f:id:obamasahiro:20110129113337g:image



ではいくつか例題をみせますので、しっかり理解してくださいね。



例題2 次の数の平方根を求めよ。

(1) 15

(2) 64

(3) \frac{7}{5}

(4) 1.75




例題の
解説・解答


(1)

15の平方根はピッタリの数(有理数)がないので、f:id:obamasahiro:20110129151510g:imageを使って表して、

\pm\sqrt{15}(答)

(2)

8^2=64より64の平方根は、\pm8(答)

(3)

やはり分数は[分母]と[分子]を分けて考えます。

[分母] 5→\sqrt5

[分子] 7→\sqrt7

よって\frac{7}{5}の平方根は、\pm\frac{\sqrt{7}}{\sqrt{5}}(答)

(4)

ここでも小数は分数に直して考えます。

1.75=\frac{175}{100}=\frac{7}{4}

そして分数は[分母]と[分子]を分けて考えるので、

[分母] 4→2

[分子] 7→\sqrt7

よって1.75の平方根は、\pm\frac{\sqrt{7}}{2}(答)




例題3 次の数を根号を使わないで表せ。

(1) \sqrt{36}

(2) -\sqrt{1.69}




例題の
解説・解答


(1)

\sqrt{36} とは、「36の平方根のうちで+の方」という意味ですから6です。

よって、\sqrt{36}=6(答)です。

(2)

またまた、小数は分数に直して考えます。

-\sqrt{1.69}=\sqrt{\frac{169}{100}}=\frac{\sqrt{169}}{\sqrt{100}} ←[分母]と[分子]、それぞれにf:id:obamasahiro:20110129151510g:imageをつけた!!

ここで、\sqrt{169}=13\sqrt{100}=10 より、-\sqrt{1.69}=-\frac{13}{10}(答)です。




例題4 次の数を求めよ。

(1) (\sqrt5)^2

(2) -(-\sqrt{13})^2

(3) (\frac{\sqrt3}{\sqrt2})^2

(4) (-\frac{\sqrt{5}}{10})^2




例題の
解説・解答


説明なしですぐわかった人はここまでの内容がしっかり理解できている証拠です。

「よくわかんない?」という人はここからの説明をしっかり理解してくださいね。

(1)

\sqrt5とは「5の平方根の+の方」という意味でしたね。

そして5の平方根とは、「2乗したら5になる数」という意味です。

つまり、\sqrt5とは「2乗したら5になる数で+の方」という意味です



ということは、\sqrt5は2乗したら5になるのだから当然、(\sqrt5)^2=5(答)ですよね。

この点を一応公式っぽくまとめると次の通りです。



Point

 (\sqrt{a})^2=a     ※ f:id:obamasahiro:20110129151510g:imageを2乗するとf:id:obamasahiro:20110129151510g:imageが外れる



(2)

-(-\sqrt{13})^2の[符号]と[数]を別々に計算していきます。

[符号] ( )の中に−があり2乗なので−は2個、さらに( )外に1個あるので合計で3個

     よって、−が奇数個あるので全体の符号は “ − ”

[ 数 ] (\sqrt{13})^2=13

よって、 [符号]と[数]の計算結果をまとめて、

-(-\sqrt{13})^2=-13(答)です。

(3)

今までと同じように[分母]と[分子]を分けて考え、[分母]と[分子]をそれぞれ2乗します。

[分母] (\sqrt2)^2=2

[分子] (\sqrt3)^2=3

よって、(\frac{\sqrt3}{\sqrt2})^2=\frac{3}{2}(答)

(4)

[符号]と[分母]と[分子]を分けて考えます。

[符号] −の2乗なので+

[分母] {10}^2=100 ←f:id:obamasahiro:20110129151510g:imageはついていないので普通に2乗

[分子] (\sqrt5)^2=5

よって、(-\frac{\sqrt{5}}{10})^2=\frac{5}{100}=\frac{1}{20}(答) です。




例題5 次の数を\sqrt{a} の形に直せ。

(1) 5

(2) \frac{3}{5}

(3) 1.2

(4) \frac{4}{\sqrt{6}}




例題の
解説・解答


(1) 5^2=25より、5=\sqrt{25}(答)

(2) (\frac{3}{5})^2=\frac{9}{25}より、\frac{3}{5}=\sqrt{\frac{9}{25}}(答)

(3) (1.2)^2=1.44より、1.2=\sqrt{1.44}(答)

(4)

[分母]はもう\sqrt{a}の形になっているので、[分子]のみ考えます。

[分子] 4^2=16 より4=\sqrt{16}

よって、\frac{4}{\sqrt6}={\sqrt\frac{16}}{\sqrt6}=\sqrt{\frac{16}{6}}=\sqrt{\frac{8}{3}}(答)



では、次に循環小数の例題をやります。



例題6 次の問いに答えよ。

(1) 次の分数を循環小数に直せ。

 ① \frac{5}{6}

 ② \frac{11}{37}

(2) 次の循環小数を分数に直せ。

 ① 0.\dot{6}

 ② 2.\dot{3}\dot{6}




例題の
解説・解答


(1)

とにかく繰り返し部分が見つかるまで気合で割り算をするしかありません。

① 5\div6=0.833\cdots で3が繰り返しています。よって、5\div6=0.8\dot{3}(答)

② 11\div37=0.297297\cdots で297が繰り返しています。

よって、5\div6=0.\dot{2}9\dot{7}(答)

(2)

これは次の知識を頭に入れて、ついでに覚えちゃってください。

1\div9=0.111\cdots=0.\dot{1}

1\div99=0.010101\cdots=0.\dot{0}\dot{1}

1\div999=0.001001001\cdots=0.\dot{0}0\dot{1}

これをポイントとしてまとめておきます。



Point

   1\div9=0.\dot{1}   1\div99=0.\dot{0}\dot{1}   1\div999=0.\dot{0}0\dot{1}



さて、では解いてみましょう。



0.\dot{6=0.\dot{1}\times6

ここで、1\div9=0.\dot{1} より

0.\dot{6}=\frac{1}{9}\times6=\frac{6}{9}=\frac{2}{3}(答)



2.\dot{3}\dot{6}=2+0.\dot{3}\dot{6}=2+0.\dot{0}\dot{1}\times36

ここで、1\div99=0.\dot{0}\dot{1} より

2.\dot{3}\dot{6}=2+0.\dot{0}\dot{1}\times36

  =2+\frac{1}{999}\times36

  =2+\frac{36}{999}

  =2+\frac{4}{111}

  =\frac{226}{111}(答)



どうですか?わかりましたか?わかりましたよね!!(ちょっと強引)


3 平方根の大小


突然ですが、\sqrt{15}\sqrt{18}どちらが大きいでしょう?

これを考えるにあたって、\sqrt{15}\sqrt{18}は次のような正方形の1辺の長さとして表します。


f:id:obamasahiro:20110129113338g:image


この図から、\sqrt{15}より\sqrt{18}の方が大きいことがわかりますね。


つまり\sqrt{15}<\sqrt{18}です。

あたりまえかもしれませんが、正方形の面積の大きい方が1辺の長さも長いのです。

これから次のことがいえますね。



Point

a,bともに正の数で、[tex:a^2

f:id:obamasahiro:20110129113339g:image



これより平方根の大小を比較したいときは、2乗した数を比較すればよいのです。



Point 平方根の大小は2乗して考える。



では次に、4と\sqrt{15}どちらが大きいでしょう?

これも4と\sqrt{15}を2乗して考えます。

4^2=16 (\sqrt{15})^2=15   よって (\sqrt{15})^2<4^2 なので \sqrt{15}<4 といえます。


では例題に移りましょう。



例題7 次の各組の数の大小を、不等号を使って表せ。

(1) -3,-\sqrt{10}

(2) \frac{3}{5},\sqrt{\frac{1}{3}}




例題の
解説・解答


(1)

まず−をはずした3と\sqrt{10}を考えます。

3と\sqrt{10}それぞれを2乗して、

3^2=9 (\sqrt{10})^2=10 よって、 3^2<(\sqrt{10})^2 より 3<\sqrt{10}

負の数は大小関係が逆になるので、 ※a<b のとき -a>-b (とっても重要)

 -\sqrt{10}<-3 (答)

(2)

\frac{3}{5}\sqrt{\frac{1}{3}}をそれぞれ2乗します。

(\frac{3}{5})^2=\frac{9}{25}

(\sqrt{\frac{1}{3}})^2=\frac{1}{3}

大小関係を調べるために通分します。

 \frac{9}{25}=\frac{27}{75}

 \frac{1}{3}=\frac{25}{75}

よって \frac{25}{75}<\frac{27}{75} より \frac{1}{3}<\frac{9}{25}

これより、 (\sqrt{\frac{1}{3}})^2<(\frac{3}{5})^2 となって、

\sqrt{\frac{1}{3}}<\frac{3}{5}(答)



では最後の例題です。



例題8 xを自然数とするとき、次の問いに答えよ。

(1) 2<\sqrt{x}\leq 3 にあてはまるxの値をすべて求めよ。

(2) [tex:\sqrt{15}



例題の
解説・解答


(1)

“平方根の大小は2乗して考える”というポイントどおりに2乗して考えます。

2^2=4 (\sqrt{x})^2=x 3^2=9

よって、4
これを満たす自然数xは、x=5 , 6 , 7 , 8 , 9(答)となります。

(2)

2乗して考えます。

(\sqrt{15})^2=15 (\sqrt{30})^2=30 より、[tex:15
これからxは、「2乗すると15より大きく30より小さくなる自然数」とわかります。

これを満たすxは、… , 3^2=9 , 4^2=16 , 5^2=25 , 6^2=36 , …から

x=4 , 5 (答) となります。



さてどうでしたか?とにかくポイントは「2乗して考える」ということでしたね。