上野千鶴子が学校化社会を語る

サヨナラ、学校化社会 (ちくま文庫)

サヨナラ、学校化社会 (ちくま文庫)

上野さんの語る東大生像というのは確かに面白いけれども(かしこいけれども普通の若者、但しプライドは強い等々)、所詮どうでもいいような気がする。それよりも、今をどうやって生きていくかという点で、いわゆる「偏差値四流校」の学生とか、上野さん自身の話の方が興味深い。我々はなかなか上野さんほどカッコよく、また自由に生きていくことはむずかしいのも確かだが、しかし、彼女から盗むべきものがあるとすれば、まさにそこのところ、その生に対する態度だと思う。「大事なことは、いま、自分になにがキモチいいかという感覚を鈍らせないことです。」それそれ、そこなのだ。退屈な大人というのは、感受性を鈍らせてしまった人のことだろう。自分がそのような退屈な大人でないか、忘れないようにしたいと切実に思う。

補遺

今の学校の先生たちが大変なのは知っているが、一方でこんな呆れた話もあるのだ。
http://kaoru.txt-nifty.com/diary/2008/11/post-dac6.html
こんなことをしていると、子供たちを「去勢」することにしかなるまい。