奥泉光『ノヴァーリスの引用』/矢代幸雄『世界に於ける日本美術の位置』

雨。
奥泉光ノヴァーリスの引用』読了。

ノヴァーリスの引用

ノヴァーリスの引用

矢代幸雄『世界に於ける日本美術の位置』読了。美術に止まらず、日本人がどういうスタンスで西洋文化に対処すべきかということについて考える際、本書は未だにとても参考になる。盲目的な西洋崇拝も、また狂信的な国粋主義も、当り前な話だが、ともにダメなのだ。これは明治の開国以来の問題であるが、また依然、今の問題でもある。結局、ハイブリッド(合の子)を創るしかないのである。それにしても、高階秀爾の解説を読むと、矢代が偉かったのがますますわかる。学者としても、美術書に対象の写真を入れたのは矢代がほとんど最初で、西洋の美術研究者にとっての啓示となったくらいだ、というのであるから。
世界に於ける日本美術の位置 (講談社学術文庫)

世界に於ける日本美術の位置 (講談社学術文庫)