金環日食!/野呂邦暢『落城記』/小川洋子『ブラフマンの埋葬』

金環日食を見ようと、朝六時過ぎに起きる。天気が危ぶまれたが、申し分の無い快晴だ。一時間くらい前から右上が欠け始める。七時半過ぎ、金環日食になりましたよ! すばらしい。あたりは夕立でも降りそうなくらいの薄暗さ。木洩れ日なども欠けている。金環状態は、一、二分間ほどだったかな。見事な天体ショー、堪能しました。
プール。イオン。

野呂邦暢『落城記』読了。

落城記 (文春文庫 (190‐2))

落城記 (文春文庫 (190‐2))

小川洋子ブラフマンの埋葬』読了。何となく哲学小説、か、それっぽいのかなと思いつつ読んでみたら、ちがった。まあ、ある意味では哲学小説でないこともないけれど。ブラフマンは生き物です。が、何なのかはよくわからない。解説の奥泉光は子犬のようと云っているが、自分は、猫みたいな動物かなあという印象だった。静謐な世界で、村上春樹の「世界の終わり」がふと思い出された。題名からわかるように、ブラフマンは最後で死んでしまうのである。本作はリアリズム小説ではなく、また童話でも寓話でもないが、独自の異界が言葉の力でもって淡々と構築されている。それから蛇足だが、幾つかの謎が放置されたまま終っているのは、ちょっと気にならないでもなかった。
ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)

ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)