彌永昌吉『数の体系(上)』

晴。彼岸花が咲き出した。
散髪。
彌永昌吉『数の体系(上)』にざっと目を通す。集合、写像から始まって、自然数、有限集合へと進む。自然数は、「ペアノの公理」を使って丁寧に構成されており、ペアノの公理の考え方は、本書の至るところで活用されている。自然数の代数的な構造も、これも逐一丁寧に構成されている。つまり、例えば自然数の「足し算」というものが、本書では自明なものとは考えられていないのだ。また、有限集合というのは、自然数の或る有限な部分集合との間に、一対一の対応が付けられるような集合のことである。
 本書を読むのに予備知識はほとんど必要ないが、考える力はもちろん必要だ。本書は新書ながら、基礎的なことを扱った、本格的な数学書である。最近はたくさん新書が出ているが、本書のようなハードな数学書が入ることはまずない。少しくらいこういったものを入れても、いいんじゃない?

数の体系 上 (岩波新書 青版 815)

数の体系 上 (岩波新書 青版 815)


セロニアス・モンクを聴く。確かに不協和音。
セロニアス・ヒムセルフ+1

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