晴。
音楽を聴く。■ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第九番(ジュリアードSQ)。確かにテンポは速く、アンサンブルは完璧すぎるかも知れない。これはベートーヴェンではない、という人もいよう。しかし、これはこれで一つの世界であることも、また確かなのだ。それに、緩徐楽章を聴けば、彼らが深い音楽を創り出せることは明らかである。■ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第十二番(ボロディンSQ)。 ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は、ベートーヴェンのそれと並んで、弦楽四重奏曲の金字塔である。ボロディンSQの演奏は、そのオーソドキシーだ。ここでも、この重苦しい曲のエートスを十全に引き出している。個人的には、まだショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲をしっかり自分のものにしたという感じはない。これからも聴いていこうと思う。
ネッツトヨタで6ヶ月点検。カルコス。
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福田和也『日本綺人物語』読了。近代日本の「綺人」たちを描いた小伝集。どこまでが史実でどこまでが空想なのかわからないような、一種創作風の書き方だが、これが面白くて読ませる。滋味の滲み出る、福田和也ならではの芸だとも云えよう。じつに豊かなもので、薄っぺらな現代では、ちょっと見かけない文学的実力である。文芸批評と共に、こうしたものをもっと書いて貰いたいなあと、勝手に思うのだ。
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