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2013-04-24

ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』/ベームの指揮するモーツァルトのレクイエム

| 19:58 | ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』/ベームの指揮するモーツァルトのレクイエムを含むブックマーク

雨。

ジョン・メイナード・ケインズ雇用、利子、お金の一般理論』にざっと目を通す。自分が本書を読むのは、経済学幼児大学院レヴェル以上の学問に取り組むようなものだが、通読してみて何も得るところがなかったわけでもない。少なくとも、岩波文庫の間宮陽介訳は中身をほとんど覚えていないが、本書山形浩生訳は読みやすい日本語になっていて、読むのが本当に楽になった。翻訳の勝利だと思う。クルーグマンイントロダクションヒックスがいわゆる「IS-LMモデル」を導入した論文も併録されていて、お得感が抜群だ。順序が逆かも知れないが、さて、今度は基礎的な教科書を読もうかな。

カール・ベームの指揮する、モーツァルトレクイエムK.626を聴く。名演として名高いもの。モーツァルトレクイエムは、彼の絶筆でもあり、曲に纏わるミステリアスなエピソードのせいもあって、なかなか音楽そのものを聴くことは難しくなっている。今回聴いてみて、マーラーを思わせるほど、非常に表現主義的な音楽になっていることに気づいた。特定の形式に当て嵌まりにくい音楽だと思う。ドラマティックで、気分の交代が激しい。芸術としてみれば、モーツァルトの同じ宗教曲なら、大ミサ曲K.427の方が名曲だと云えるかも知れない。しかし、有無を言わさず聴かせる力というものは、確かにある。「怒りの日」などは、音楽を超えているところすらある。
 ベームの指揮は振幅の大きなもので、もっさりしたところもあるが、名演の名には恥じない。全体を通じて、特に合唱の緊張感が素晴らしく、言葉は多少聞き取りにくいものの、気合の入ったオーケストラすら圧倒するほどだ。なお、いつも問題になる、弟子作曲した後半部であるが、結構よく書けてはいるけれども、やはり誰もが言うとおり、芸術としては前半部分と比較にならない。今回聴いたのも、モーツァルトが書いた部分だけであったことは記しておこう。

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