ロレンス・ダレル『リヴィア あるいは生きながら埋められて』/米原万里『旅行者の朝食』

曇。
音楽を聴く。■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第一番(リヒテル1976)。終楽章がえらくテンポが速いなと思ったら、元々の楽譜の指定はプレスティッシモだったのか。それならわかるが、普通はアレグロくらいの感じで弾かれるよね。

ロレンス・ダレル『リヴィア あるいは生きながら埋められて』読了。「アヴィニョン五重奏」第二巻。藤井光の訳はなかなかいい。しかし、ダレルの世界は自分と殆ど共通点がないな。それでも面白く感じるというのが不思議なのだ。なお本書で、舞台が第二次世界大戦直前の西欧だということがわかる。中で登場する小説家の書いた作中人物が、実際の登場人物のように扱われているのが奇妙だ。続巻が楽しみ。

アヴィニョン五重奏II リヴィア (アヴィニョン五重奏【全5巻】)

アヴィニョン五重奏II リヴィア (アヴィニョン五重奏【全5巻】)

米原万里旅行者の朝食』読了。食に関するエッセイ集。さすが米原さん、筆が冴えている。これを読んだら、さほど食いしん坊でなくとも、ハルヴァというお菓子、食べたくならない方がどうかしているでしょう。そんな美味しい菓子があるのか。さて、自分も美味しいものは勿論好きだが、大食漢でないので、食いしん坊とは云えないかも知れない。食通ってのは、ほぼ大食漢のカテゴリーと一致するのだよなあ。で、意地汚いくらいでないといけない。何せ、食は人生の主要な、大きい楽しみのひとつだからね。さらに云っておけば、貧乏人だって美味いものは食えるよ。
旅行者の朝食 (文春文庫)

旅行者の朝食 (文春文庫)