南河内家族旅行(第二日)

何だかすごくハードボイルドでドラマティックな夢を見て、何だろうと思う。舞台は架空の岐阜の街というのも謎。うとうとしながらもっと見ていたかったのだが、今日も日程があるのであって断念。いつものごとく朝湯に入ってから、昨日から一転きれいに晴れた青空の下、最上階からの展望はすばらしかった。
今日はどういうプランにするか最後まで皆んなで迷った上、まずは葛井寺へ行くことにする。これは「くずいでら」ではなく「ふじいでら」で、地名の「藤井寺」はここから来ているのである。ここは今日が月に一度の御開帳の日なのだ。狭い道を地元の人に教えてもらいながら、門の前のコインパーキングに車を駐めて参拝。境内では駄菓子やゴム紐(?)を売る店が出ていて、こんなものが売れるのだろうかと不思議だったが、地元の方たちがたぶん昔から支えてこられたのだろうなと思った。ここも現世利益という感じはそうだったのだが、おばあさんが一生懸命お祈りしておられたり、西国三十三箇所参りの白装束の方々がお経を唱えておられたり、信仰が今も生きているのをはっきりと感じて、とても気持ちがよかった。そして御開帳の国宝・千手観音像は実際に手が千本以上あるもので、お顔が若々しく魅力的であり、非常に印象に残った。僕はここは気に入りました。俗な信仰は決して悪いものではない。それから、おもちを一人一個ずつ頂きましたね。

続いて藤井寺市道明寺へ。ここには国宝の十一面観音像があり、さほど大きいものではないが、近くまで寄って見せてもらえるのでありがたい。これもとてもよかったです。上品で、腰はわずかにツイストしておられるかな。平安初期のものということだが、状態もとてもよい。これもおすすめですね。境内で売っていた桜餅を買う。知っている人は知っているだろうが、和菓子で使う「道明寺粉」というのは、ここに因んでいるそうだ。後で食べてみたら、きちんと桜の葉を塩漬けにしたものを使っていて、餡も上品な甘さでありおいしかったです。

さて、これで南河内はおしまい。帰りの途中で高槻に寄ることにする。近畿自動車道名神を走って茨木IC で下り、今城塚古代歴史館へ。ここは今城塚古墳に隣接した博物館で、ここの古墳からの出土品を中心に展示解説してあるまだ新しいものである。今城塚古墳は20年くらい前に発掘調査されて、大量の埴輪が見つかったことで、継体天皇の陵であることがほぼ確定したという歴史がある。ただし、宮内庁が(プライドゆえにであろう)認めていないため、継体天皇陵とは呼ばれていないのである。継体天皇は、古代史が好きな人なら知っていることだが、血の繋がりとしては現在の天皇家の事実上の初代に当たると見做され、現在の越前地方の出身だと推測されている、極めて重要な天皇である。天皇家は公式には「万世一系」とされているが、ここのところで血統が途絶えているというのが現在オーソドックスな理解だ。歴史館でガイドの人から懇切丁寧なレクチャーを受けつつ見学して、有意義でした。ここは常設展は撮影可なので、埴輪などをいっぱいカメラに収めてきましたよ。古墳は発掘されたときは状態が非常に悪かったのだが、今は丁寧に原型が復元され、一面にレプリカの埴輪が並んでいるのを見ると、権力の大きさに感慨が催される。古代史というのは不思議な感じがするなあ。


これで観光はすべておしまい。歴史館のとなりのうどん「水車」でカツ丼(結構うまかった)を食したあと、再び茨木IC から名神に入って帰宅。自宅到着は16:08、二日間の総走行距離は481.4kmでした!