『明日、君がいない』(原題:『2:37』)
感想
なかなかショッキングな映画。
観て良かったと思う。
この中の誰かが最後に自殺するということが映画の冒頭で示される。
それぞれの悩みが描かれる中、こいつじゃないか?と考えながら見ていくことになるため、全然飽きない。
結末は、個人的にはありだと思う。
誰もが自殺してもおかしくない理由を持っているけれど。実際には1人だけが自殺をした。
映画の中で、一番大きな問題を持っていただろう3人のうち2人はカウンセリングを受けている。1人は家族の支えを非常に強く感じている。
自殺することとなった人物は、悩みを誰かに語ることすらしていない。
そこが、この映画のメインテーマなんじゃないだろうか。
実際に、友人の自殺を体験したからこそ撮れる映画だと思う。
最後の自殺のシーンが、直接的に描かれるため、若干目を背けたくなるので注意が必要。
あらすじ(若干ネタバレ)
オーストラリアの高校が舞台。
冒頭で、誰かが鍵の閉まったドアの向こうで自殺を図ったらしいと言うシーン。
時間はさかのぼり、その日の朝から物語が始まる。
フォーカスがあたるのは、6人。
両親が離婚し父親が出張中のため2人で暮らす兄と妹。
その兄のことが好きらしい(?)女性。
高校の中で一番人気のある男性。その彼を射止めた女性。
ゲイであることをカムアウトした男性。
軽い傷害をもつ男性。
そう。7人のうち6人に焦点があたり、ぞれぞれの悩みが一日のシーンの中と、そこからは切り離されたインタビューで進んでいく。
基本的に時間軸はそのまま流れて行くものの、視点が変わるところで時間が重なる。
同じ情景を二つの目線で追うというシーンを多用することで、当たり前だけれど、いろんな人がいろんなことを考えて生きて、いろんな方向から同じものを見ているんだということが強調される。
映画の最後に誰が死んだのか。どうやって死んだのかが明らかになる。
7人のうち、ラストシーンまでフォーカスの当てられなかった1人だ。
その死の理由も明らかにはされない。
誰もが自分のことで目一杯の中助けを求められなかったこと。インタビューでも自分のことではなく身近に起きたちょっと楽しい話を返すこと。
すべてを内にしまい込み孤独なまま、最後の決断までたどりついてしまったことが暗に描かれる。