オカリーナ、「息」について

「息」がつく日本語、熟語はたくさんあります。
「寝息」「吐息」「鼻息」「息吹」「青息吐息」
「息巻く」「気息」「息の根」「ため息」
「息が合う」「息が詰まる」まだまだあります。

息ひとつで表情までもが見えるような気がしますね。
これほど身近で欠かせない存在でもある「息」。

その「息」を使って演奏する楽器もまたたくさんあります。
そのほとんどが「管楽器」で、「息」で吹くというよりは、
「息」の助けを借りて吹く楽器です。

オカリーナは、その中でも「息」そのもので吹く、
「息がそのまま音になる」楽器だと言ってもいいでしょう。

皆さんは、呼吸をする以外に「息」をどんなときに使いますか。

熱いお茶や味噌汁を冷ますときに「ふうーっ」と
息を吹きかけますね。
寒いときに手を温めるときには「はあ」と息を当てて
手をこすり合わせたりします。
風船をふくらませるときは、思いっきり「ぷうー!」と
力を込めて息を風船に送り込みます。

皆さんすでにいろんな「息」を使い分けているんですね。

「息」には、「瞬発力」が必要なときがあります。
誕生日のケーキのロウソクを吹き消すときには、
目の前の炎に直接ほどよい「息」が届くように
強すぎず弱すぎず、「ふっ」というような「息」です。

このほかにも「息」には、「スピード」や「量」、「強さ」
「長さ」などの違いがあります。

オカリーナで吹くときには、それぞれのバランスが
必要です。

オカリーナ、演奏するときの姿勢

ぼくは、クラリネットのアンサンブル以外は、
椅子に座って演奏することはほとんどありません。

自然な呼吸で演奏し、リズムを表現するには、立った姿勢の方が
座った姿勢より、適していると考えています。

自然に立ったときには、まっすぐ上にジャンプして、同じ位置に
立つことができます。これは、ジャンプによって、重心が移動
しないからです。

重心が安定していない立ち方だと前のめりになったり、
ふらふらしてしまいます。

重心の位置が変わることによって、呼吸が変わってきます。
走り終わって、「ぜいぜい」と息をするときに
まっすぐ立てる人はいないでしょう。

無理矢理大きな声を出そうとするとたいていの人は
姿勢が乱れてしまいます。

座って演奏するときにも、姿勢はたいへん重要です。
立って演奏するとき以上に意識しないと、乱れがちになります。

人は座ると実は疲れやすいものです。
「座った方が楽じゃないか。」と多くの人が考えているようですが、
実は、座るというのは、かなり無理な姿勢なんですね。
もともと不自然な姿勢なんです。座るというのは。

ですから、疲れて背もたれがあると、もたれてしまいます。
椅子は、そういう人の特性をもとに「もたれやすく」設計されています。

その背もたれを使わないのが演奏するときの姿勢の基本です。

まず、できるだけ浅く腰をかけます。
臀部(でんぶ)は、太股へつながっています。
太股に体重を感じると人はバランスとを取るため、
背すじが曲がってしまいます。
太股に体重を感じないように浅く腰をかけるわけです。

背すじが立った姿勢と同じようにS字を保つようにします。
実は、この姿勢の方が疲れにくく、息が安定します。