オカリーナ、息のつながり

リズムや音の変化の中で息をつなげていくことは、実際むずかしい。

リズムを刻もうとすると、息が引っこんでしまう。
その瞬間、音を出そうとして、体に、息に力が入る。
次第にかたく、ぎこちなくなっていく。

小学生のとき、作文を上手に読もうとして、読めなかった。
その記憶がよみがえるようだ。
実に息というのは、気持ちを反映するものだ。
あせるとどうにもうまくいかない。

練習ではうまくいくのに、
人前だとなんだかうまくいかないというのも、同じ理由だ。
息が気持ちに左右されてしまう。伸ばしたつもりが途切れてしまう。

こんなときは、気持ちに問いかけるといい。
そして、意識を耳に向けるといい。

作文を間違えないように読もうと思うから、焦る。
作文を書いた時の気持ちを思い出しながら、
語りかけながら読むとうまくいったことがないだろうか。

曲の情景は、詩の中にある。

まず、その詩を読んでみよう。
そして、どんな気持ちになったか、感じることができたかを
心にとめておこう。

丁寧に歌を歌う。その気持ちが、息をつなげる。
メロディが好きになったら、もうしめたものだ。
もっともっと伝えたいと思うようになるだろう。

ぼくが今、こうして音楽とともに生き、
こうして文章を書いているのもまったく同じ理由なのです。