2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

化粧を落とす

以前に書いたことの繰り返しになりますが、わたしは自分が世界の中心だと思ったことがありません、思えません。特定の主人公を置かない群像劇、グラントホテル形式の登場人物の一人としか捉えられません。世界に中心など、愛を叫ぶ場所などありません。しか…

黙って頷く

敬愛する親戚のおじさんの言葉。親に出来ることは、子供が何かを決めたとき、「そうか」と黙って頷くことだけ。頷きました。その決断に至る葛藤、自分を納得させる過程が手に取るようにわかりました。それでも、黙って頷きました。でも、神さま、仏さま。可…

目から鱗の一冊

良書という言葉を素直に捧げたい本です。冒頭に語られるのは、9.11同時テロの後のアメリカと、先の戦争の日本の共通点という話です。そこから知的好奇心を刺激されまくり。自分の知識とのつき合わせという読書の始まりです。人は一人では生きていけません。…

歴史は繰り返す

エマニュエル・トッドの著書を二冊、買いました。『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』に歯が立たなかったのに、懲りないものです。ここ数か月、立て続けに新刊が発売されている様子に、サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』と、トマ・ピケティの『21…

もういいや

森瑤子にはたくさんの著書がありますが、そのほとんどが短編集です。目の前に文庫の赤い背表紙がずらっと並んでいますが、その中から目当ての作品を探し出す気力がないので、記憶を頼りに書いてみます。ある夫婦の話。結婚して数年が経ち、お互いに相手を異…