2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

罪ほろぼし

北海道胆振東部地震への義援金を、地元の社会福祉協議会を通して送りました。これは、わたしにとっての罪ほろぼしです。東日本大震災が起きたとき、このブログに記事を書きました。わたしより生きるに値する人たちが亡くなって、何故わたしが生きているのか…

懐かしい再会

日本冒険作家クラブ編の短編集『血!』に収録されている、船戸与一の『ノロエステからの伝令』を読みました。未読の船戸作品を読むのは、遺作となった“満州国演義”シリーズの完結編『残夢の骸』と、その後に購入した雑誌「ジャーロ」に収録されている短編『…

辻褄合わせ

はてなダイアリーのサービス終了を受けて、はてなブログに移りました。さて、ブログ名は「rascal2009のブログ(旧名はrascal2009の日記)」ですが、ご覧になってわかるように、IDはocelot2009です。これは、ブログを始めるにあたって、「私的・船戸与一論」…

難しい現実認知

誉田哲也の『武士道ジェネレーション』を読みましたが、感想を書くにあたって困っています。作家の「これを言っておきたい」という動機によって小説が書かれても、それは構いません。その内容を肯定するにしろ否定するにしろ、それは読者の自由です。この物…

プロとは

好きなことを仕事にするのは諸刃の剣です。それが義務になり、負担になり、苦痛になって、せっかく好きだったことが嫌いになるかもしれません。では、仕事は仕事、生活の糧を得るための手段であり、労働時間を提供して対価をえているのだと割り切ったら精神…

嬉しいと寂しい

五條瑛の“鉱物”シリーズの短編集『Analyst in the box 1』を読みました。kindle限定で発売されていたものを書籍化したオンデマンド本です。まず、その試みの新しさに驚きました。そして、五條瑛ほどの筆力を持つ作家でも既存の媒体では活躍の場がないことに…

母は惜しみなく

シェイクスピアは『リア王』で書いています。「When we are born, we cry that we are come to this great stage of fools.」意訳すれば、赤ん坊が生まれてくるとき泣き喚いているのは、馬鹿げた世界に送り出されたことを嘆いているからということです。その…

努力と苦労

わたしは苦労をしてきた。この言葉には自己憐憫の響きがあります。若いときの苦労は買ってでもしろ。そんなことを言う人がいます。その経験が、将来、苦しい場面で役に立つからと。ご冗談を。どのような経験であれ、それを糧にして前に進む人は前に進み、そ…