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かかみの歳時記

2017-05-28

かたつむり

| 06:55

「長い時間をかけた人間の経験」 林 京子著
 晩年の作品である。被爆の死神にようやく「走り勝った」と思った筆者は、いつのまにか目の前に迫った老醜のもうひとつの死に気づく。二つの死に向き合いながら、連絡を絶った病床の友を思い札所巡りを始める。炎昼の遍路道を歩きながら、先に逝った人々の面影との対話。八月九日その日に亡くなった人も、長年生きて亡くなった人も、被爆の死神にとらえられた人ばかりだ。おおかたの遍路を終えて、筆者は同じ被爆者の旧知の老医師に会う。彼は、アメリカの研究書『内部の敵』を紹介しながら体内に入り込んだ放射線物質での「体内被曝」の恐ろしさを語る。それは半世紀の時を経ても体内で放射線を出し続けており、例えばアラマゴルドでの爆発実験の結果「ニューメキシコ州乳癌死亡率のピークを記録したのは、実験から三五年もたってのこと」だったという。「核の競争と戦争は止められるのだろうか」という筆者の疑問に、「僕は希望を捨てません、希望は一般の人たちです、庶民が生き延びる知恵と力を得るでしょうね、生物は本能的に滅びまいとする努力をするものです」と言うのだ。
 さて、この著作の後に福島被曝は起き、核を挟んだ世界的な緊張関係は益々抜き先しならぬ状況に陥っている。人の叡智はいつ目覚めるのであろうか。

 新聞の「数独」を解く。☆5の時だけ挑戦するのだが、今日は詰めを間違えてやり直し。1時間半もかかる。午後は野球と相撲と数独で終わってしまった。





   かたつむり日月(にちげつ)遠くねむりたる   木下 夕爾



長い時間をかけた人間の経験

長い時間をかけた人間の経験






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2017-05-26

走り梅雨

07:20

f:id:octpus11:20170526072228j:image:w200:right 二日続きの雨模様。あまりにも乾いでいたので作物には恵みの雨だと思ったが二日も続くと気分は重い。
 梁の古時計が重い時鐘を鳴らす。少しの間音無しだったのに、何故かこのところまた鳴り始めた。一時間ごとに時間の数だけと三十分には一回のボンボン。もう半世紀以上わがやの歴史を刻んでいる「おじいさんの古時計」である。父が掛けねじを巻き、そして今は夫がねじを巻く。「たまたま駅で『おじいさんの古時計』の曲を耳にして田舎のおじいさんとと時計を思い出していたら、おじいさんの訃報が入ったんだ」とは不思議な甥の話。ねじが緩んでくるとちょっと不正確になるが梁を見上げる習慣とともになくてはならぬ存在だ。おやおや七時の時鐘はお休みだったようです。ちょっとアバウトなのは相当にお年のせいでしょう。





     走り梅雨あつかいにくきにきび面

ふきのとうふきのとう 2017/05/27 10:52 句の年齢の少年は実に繊細で扱いずらいですね。さすがの一句です。当方、明日医師から「これからのこと」を伺って退院の予定です。双方無理のない暮らしをしようと思っています。1人の朝は静かではありますが「お茶飲みます?」「ごはんできたわよ」の会話の無い朝に慣れるのはきっと歳月が掛かるのでしょうね。

octpus11octpus11 2017/05/27 12:24 お言葉のとおりです。私どもも来年には一緒になって半世紀、いろいろありましたが共にあることはなによりも有り難いと思うことです。

2017-05-24

鴨足草(ゆきのした)

| 13:07

「風山房風呂焚き唄」 山田 風太郎著
 図書館新刊コーナーで借りる。著者については「人間臨終図巻」を関川さんが取り上げておられたから気にはなっていたが読んだことはなし。忍法帖ばかりがイメージとしてある。これは旅・食・読書などの未刊行エッセイ集。作者壮年期のもので五十年ほど前の話も。いきおい現状とはちょっと違うなと思うところも。筆者はヨーロッパ旅行の体験から日本の貧弱な景観や観光地の不潔さをしきりに嘆げいておられるが、こんな点は随分改善されたのではないかしらん。最近どこへ行っても手洗いなどは清潔で気持ちがいい。こちらの体験からいえば酷いと思って使用できなかったのは比叡山根本中堂前の手洗い。外国人の訪問も多く宗教施設でもあるのに恥ずかしい気がした。これは一昨年前の体験だから改善されていたらごめんなさい。話が横道にそれたが、変わらないのはこの国のお役人の体質批判のくだり。「自分の『規則』だけをふりまわし、強者には弱く、弱者には強いのが、お役人風というものである。」とあるが最近の国会答弁はまさにそのとおり。あまりの詭弁に言っている本人は恥ずかしくないのかと思ってしまう。もっとも酷い代表をえらんだのも民衆で、日本人は観光のマナーなどでは成熟したようだが政治的成熟度はまだまだということだろうか。

 車で走っていたら長良川河畔は茅花の穂と樗の花。薄紫の花が雨模様の空を背景に烟るように美しい。久しぶりにパラパラときて畑のものには恵みの雨だ。




     石組みは井戸端の跡鴨足草(ゆきのした)



風山房風呂焚き唄 (ちくま文庫)

風山房風呂焚き唄 (ちくま文庫)




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ふきのとうふきのとう 2017/05/25 07:05 今彼が健在でおられたら、この国の現状をどのような言葉で筆に表したでしょうか。掲句、このように腰を据えた句はいつ見ても心が落ち着きます。先日カメラを味噌汁の椀の中に落し、壊してしまいました。やはり心ここに在らずのようです。ブログでお知り合いになったばかりですのに、お邪魔させていただきますとほっとします。不思議ですね〜え。

octpus11octpus11 2017/05/25 07:44 当分の間お休みかと思っていましたので、今日の訪問をとても嬉しく思います。カメラを壊してしまわれたとか、お気持ちお察しいたします。何かがありますと何もない日常がそれだけで有りがたいとつくづく思います。

こはるこはる 2017/05/25 16:21 山田風太郎は明治もの(「幻燈辻馬車」ちくま文庫)などがおもしろいと思いました。維新に乗れなかった人々が、リアルに描かれているように感じたのです。

octpus11octpus11 2017/05/25 20:37 ありがとうございます。当たってみます。「火山で読み解く古事記の謎」早速注文しました。明日には届くようです。

2017-05-22

| 07:04

 昨日は二十四節気小満」。「陽気盛ん、万物ほぼ満足す」の頃の謂だが突然の二日続きの真夏日とからからの陽気で、万物はやや疲れ気味。
 この二日で夏用バックを作る。いつもと同じ古帯が素材なのでパターンもいつもと同じ。内ポッケトなどは使いやすいように進化はさせている。

 このところ牛蛙が戻ってきた。ぼんやり湯に浸かっていると川の方から「ブォーブォー」と聞き慣れた鳴き声。この低く重たい鳴き声が牛蛙の名前の由来らしいが、初めて聞いた時は正体がわからずちょっとゾッとした。食用として導入した外来種在来種を捕食するので問題の存在らしい。お世辞にも可愛いとは言えない姿であるが、何年か聞かなかっただけに妙に懐かしい。お相手を求めて夜ごとひたむきである。




     牛蛙恋は美醜にかかはらず





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ふきのとうふきのとう 2017/05/22 18:38 ウシガエル、季節の鳴き声と思いますと、まるっきり鳴かないとさびしい物ですね。検査入院ですが、夫が入院しましたので、ブログも遠退くかも知れませんが宜しくお願い致します。どうぞこしんぱいなく。
そうそう、素敵な蛙の句、さすがです!

octpus11octpus11 2017/05/22 20:45 ご心配ですね。何事もないことをお祈りしております。ブログも余裕ができましたらまたよろしく。お待ちしております。

2017-05-20

アマリリス

| 07:54

「ふたりからひとり」 つばた英子 つばたしゅういち著
 先に読んだ「あしたもこはるびより」から五年後のお話である。題名からも察せられるとおりしゅういちさんは亡くなり、ひとりになられた英子さんの話。人の死に僥倖などということはありえないが誤解を恐れずに言えば幸せなお亡くなりかたであったのではないか。享年90歳。亡くなった日も6時に起きて外仕事をされ、少し疲れたと横になられてそのままだったという。全く羨ましい最期である。一人暮らしになられた英子さんも87歳と十分なご高齢である。普通ならずるずると萎えてしまいそうな状況なのにしっかりと暮らしのリズムを維持しておられる。「自分で自分を鼓舞」していると言われるが、無理をされているようにも思えぬ自然体である。これにはしゅういちさんの生前の言葉も収録され、お二人の考え方がよくわかる。「お金よりも大事なものはたくさんある、そういう風に感じられる人間が、底辺にたくさんいると、世の中は変わっていくんじゃないかな」としゅういちさんの言葉。「長い時間をためたひとつのストーリーを届けられれば・・・暮らしていくうえでのなにかの知恵のような、」それが年寄りの仕事かなとしゅういちさんは語っておられるが、確かにたくさんの元気や知恵や思いやりの心をこの本からいただいた。




     アマリリス親指姫は花のなか






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ふきのとうふきのとう 2017/05/20 15:15 僥倖はあるものではないでしょうか。以前にもまして幸せと言うのなら違いますが、悲しみの中、思いがけない幸を見出すとしたら、それはその人の人柄、感覚的才能の最たるものと受け止めました。

octpus11octpus11 2017/05/20 18:17 真摯に生きれば必ず幸せな最期が約束されているかはわからないことですが、津幡さんの場合はやはり生き様がでた最期であったように感じました。

2017-05-18

燕の子

07:58

 小沢信男さんの「ぼくの東京全集」をほぼ読了。なかなか良かった。また池内紀さんの解説がいい。「その書物は溌剌としてエスプリユーモアに富んでいる。やんわりと毒がこもっていて辛辣で鋭い。それでいて表現に恥じらいがあり、凛とした美意識につらぬかれている」とは最高の賛辞であろう。小沢さん、御歳90歳のはずである。
 久しぶりに図書館へ。今日は結構収穫あり。新刊で山田風太郎さん「風山房 風呂焚き唄」、荒川洋治さん「過去を持つ人」、林京子さん「長い時間をかけた人間の経験、つばた夫妻の「ふたりからひとり」。どれから読もうかしらと楽しみ。

 「聖五月」とはよくいったもので人の世のいかがわしさもかかわらず花は咲き命は生まれる。庭をひとまわりすれば静かな活力も。




     新任の駅長となり燕の子






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ふきのとうふきのとう 2017/05/18 19:38 大変な読書量、只々感服するばかりです。勉強家の句友に懇願されて今まで月1回の句会を2回に、計月3回の句会の作句に追われる羽目となりました。間もなく自転車操業に陥る模様です。燕の句とても新鮮に受け止めました。

octpus11octpus11 2017/05/18 21:07 それは大変。でも上達は数詠むことだといいますからチャンスかもしれません。成り行きに任せている身は以前詠んだ句をを吐き出すばかりで反省しきりです。

2017-05-16

豌豆豆

| 08:25

 f:id:octpus11:20170516082753j:image:w200:rightブルーののチュニックを作った残り布が気になっていた。何かできないかしらんと思案してプルオーバーとカフェエプロンにした。プルオーバーは「すてきにハンドメイド 5月号」の型紙。近頃は洋裁初心者向きに開きのない簡単な作りが掲載されていて助かる。デザインもぼったりしたのが多いというのもいい。そのまま裁つには無理があるので切り替えをいれたりした。エプロンは全くの直線裁ち。別の残り布でポケットを。カタカタとミシンをかけている時間は楽しい。
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 スナップエンドウの収穫が真っ盛り。とても食べきれないのでH殿のボランティアの即売所に出すことに。130グラムずつ袋に入れてさて、いくらにするか。値段つけは作業所のメンバーに任せればいいのだが参考までと調べてみた。驚くことにこんなことまでネットに載っているのですね。輸入もされているのだとわかりました。売れるかどうかちょっと楽しみ。




     はらからに欠けたるはなし豌豆豆

ふきのとうふきのとう 2017/05/16 10:06 まあ!本日は「豆」でご一緒です!スナップ豌豆、胡麻和え、天麩羅、フライと重宝しますね。小さくて面倒ですがフライにしてカレー塩で食べるのは定番です。きっと完売でしょう、お近くでないのが残念です。

octpus11octpus11 2017/05/16 14:16 フライでカレー塩というのは知りませんでした。いいことを聞きました。帰宅の夫に売れ行きを聞きましたら、同様の品物を大量に持ち込んだ人があり、我が家のはサービスとして自由にお持ち帰り用になった由。まあ、それでも食べていただければいいのですが。

2017-05-14

柿若葉

| 07:08

継体天皇と今城塚古墳」 高槻市教育委員会
 この前の旅のおさらいでH殿が借りてきた一冊。発掘に伴って地元で開催されたシンポジウムをまとめたものである。発掘調査半ばのものでありこの時点で語られていない調査結果もある。それでもなかなか面白かった。パネリスト全員が九割以上の確率で「今城塚古墳継体天皇陵」と断定した。門脇禎二さんの「継体天皇祖先垂仁天皇」という考えは日本書記の「応神天皇の五世」という記述に異議を唱えたもので、興味深く読んだ。それにしても、この本に登場される先生方、門脇さん・水野正好さん、佐原真さんすべて鬼籍に入られた。つくづく時の流れというものを感じる。

 雨が上がり夏みかんの花が甘い香りを漂わせ始めた。今年は蜜柑の花はひと花もない。去年成らせすぎたせいでこんなことは初めて。かわいそうなことをした。




     雀らのにぎにぎしきや柿若葉



継体天皇と今城塚古墳

継体天皇と今城塚古墳




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ふきのとうふきのとう 2017/05/14 08:12 高槻市に5年間も暮しましたのに高槻の事はあまり知らないのです。初めての土地で子育てに追われ、関西弁に翻弄された暮らしでした。振り返れば懐かしさもいっぱいですが。↓ドクダミは刻んで干して毎夏、煎じて飲んでいます。色も綺麗ですし、乾燥と煎じることで嫌な臭いも感じないのです。毎年余所様から頂いています。

octpus11octpus11 2017/05/14 12:31 それはそれはお懐かしいことでしょう。昔は三島と言ったようで歴史の古い土地のようですね。ドクダミ茶は利尿作用があると言って父が飲んでいました。

2017-05-12

伽羅蕗

| 07:12

「ぼくの東京全集」 小沢信男
 Tから回してもらった一冊。太くてまだ半分しか読んでいない。内容の面白さとちくま文庫の読み易い活字で、じっくりと読んでいる。わけても最初の章「焼跡の街」。あの3・10の大空襲の二日後、焼け跡を見に行った話。焼死体を掘り起こしたり、丸太のように積んでトラックで運んだりという凄惨な現実の一方、山手線は走り映画館は「多少の空席をのこして、定員に近く人が入っていた」という摩訶不思議な話。さらにパンパンと呼ばれた人たち(基地の街だったうちの街にもそう指さされた人がいました)の募集が国家の肝いりで始まったという、これも摩訶不思議な酷い話等々。太平楽な今の世の中で忘れてはいけないことが幾つも。
 最終章には東京に材を得た俳句も収録されているが、これがいい。こういう軽妙洒脱な句だ出来たらなあと思う。

庭にはびこった蕗を採取して調理します。ざっそうに混じってはびこっている蕗・韮・三葉。





     伽羅蕗や母の手書きの調理メモ



ぼくの東京全集 (ちくま文庫)

ぼくの東京全集 (ちくま文庫)





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ふきのとうふきのとう 2017/05/12 19:03 あら!まあ!何という偶然でしょう!ブログを書き終えてこちらにお邪魔しましたら、きゃら蕗ではありませんか。お母様のレシピが残っているなんて羨ましい!まして庭先に蕗の採れる場所があるなんて。見れば十薬も顔を覗かせていますね。何て良いんでしょう!もうひとつ!

octpus11octpus11 2017/05/12 21:32 ふきのとうさんとはよくよく偶然が重なりますね。お互いに季節に沿った暮らしをしているということでしょうか。それにしても、十薬に感心していただくとは。取っても取っても退治出来ない困りものですのに。

2017-05-10

夏落葉

14:05

 夫の73回目の誕生日。今日は家族が揃わぬので一日早く昨夜お祝い。ボランティアに行きだしてからは結構充実しているようで、元気なのは有り難い。このボランティアが農作業の手伝いで(生きにくい若者を農業で自活させようという試み)手伝いながら勉強もしてくる。そこで刺激されて意欲的にあれやこれやと種まきもし、育苗中のものをみると人参・落花生真桑瓜ゴーヤ・各種ハーブバジル・チャービル・セイジ・パセリ・チャイブ)等々と多彩。いまいち農作業が好きでない当方は専ら消費一方だから、せめて有効な利用を考えなくてはと思う。




     呼びかけに猫知らんぷり夏落葉





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ふきのとうふきのとう 2017/05/11 08:30 ご主人様の農業ボランティア、農家育ちの私は大変熟れく思います。宜しくお伝えくださいまして。私も農業青年から、米、野菜、トウモロコシ等買えるものは出来るだけ買っています。それ位しか応援出来ないのです。

octpus11octpus11 2017/05/11 09:36 ボランティアといっても本人も楽しみなのですからどちらの助けになっているのか。若い頃は重荷になると思った畑ですが、有り難いと思うようになるとは。わからないものですね。