「小田中直樹ネタ帳」の遺跡

2007-07-25

[]『国際開発論』

斉藤文彦『国際開発論』(日本評論社、2005)

(1)先日の学部ゼミで、冬学期のテーマは「ブラジルのバイオマスみたいなケースを考えてみたい」になった。いきなり具体的な話を勉強しても仕方ないので、まずは理論的なところから攻めてゆきたいのだが、経済学の領域についていえば、これはたぶん環境経済学と開発経済学と農業経済学が交錯する領域に属している。さて、あまり難しくなくて、無味乾燥なテクストブック調でなくて、でもおのおのの学問領域が一望できるような本はないものか。このうち農業経済学については、なかったことにしよう。環境経済学については、小島寛之『エコロジストのための経済学』(東洋経済新報社)でキマリ。問題は開発経済学だ。なにせ絵所秀紀『開発の政治経済学』(日本評論社)も峯陽一『現代アフリカと開発経済学』(日本評論社)も品切れなのである。

だれか、名案はありませんか?

(2)などと他力本願なのは情けないので、めぼしいものを読みはじめた。斉藤さんの本は、「開発経済学」ではなく、社会開発その他も含んだ「開発学」のテクストブック。目配りは良いしカバレッジも広い。

shinichiroinabashinichiroinaba 2007/07/26 12:15 ネット古書をあされば何とかなるのでは……もとい、梶ピエール大先生に伺いなさい。
イースタリーではどうですか。

ところで、速水佑次郎先生と原洋之介先生は無視ですか。

odanakanaokiodanakanaoki 2007/07/26 12:30 速水『開発経済学』は良い本ですが、うちのゼミにはちょい難しすぎ、という感じ。原洋之介先生は、うーむ、ここはひとつ『ギアツの経済学』か? イースタリーもいいけど、翻訳は……ということで、山形&黒崎を読みはじめたところです。◆ちなみに具体的な話のテクストとしては『アマゾンの畑で採れるメルセデス・ベンツ』を考えていますが、著者の原後さんは明治学院ですな、たしか。

kaikajikaikaji 2007/07/26 17:34 せっかくご指名をいただきましたので(「大」どころか小先生ですらありませんが)この場を借りてアマゾン・インスタントストアの宣伝をさせてくださいhttp://astore.amazon.co.jp/kaikajisdiary-22。 あとは何といってもNHK-BSの「世界のドキュメンタリー」をマメにチェックされることをお勧めします!

kaikajikaikaji 2007/07/26 17:45 ↑これでは手抜きですので、補足します。リンクを貼ったテキストのうち、最も幅広いトピックを扱っておりバランスが取れているという点では有斐閣の朽木・野上・山形編『テキストブック開発経済学』がお勧めですが、多人数の分担なのでどうしても面白みにかける点があります。日評の黒崎・山形『開発経済学』はよいテキストですがマクロの成長理論がカバーされていない、というかそういうものへの不信感から書かれているような印象があります。一方マクロの開発理論を詳しく説明しているものとしては秋山『経済発展論入門』がいいのではないでしょうか。説明は速水先生の本よりも丁寧だと思います。
 総じて大家が(一人で)書いたテキストの方がクセはありますが面白いのは確かでしょうね。その点では、必ずしもお勧めというわけではありませんが原先生の近著『「農」をどう捉えるか』は、確かにクセありまくりですがこれ自体を「どう捉えるか」という意味もこめて興味深いのではないかと思います。

odanakanaokiodanakanaoki 2007/07/26 18:12 KAJIさん、色々とご教示いただき、ありがとうございます。秋山『経済発展論入門』は、以前読んでちょいとスクエアすぎるかなという印象でしたが、マクロ成長理論かぁ、たしかにそうだよなあ。原『農をどう捉えるか』は……チェックします。