財政危機と社会保障

財政危機と社会保障 (講談社現代新書)

財政危機と社会保障 (講談社現代新書)

約5年前に発行された本であるが、財政危機と社会保障問題は5年前から全く改善されていない。
課題、改善策はそっくりそのまま当てはまるだろう。
 
世代間格差が大きすぎる年金制度、自己負担額が少なすぎる医療・介護・保育制度。
今の制度のままでは財政的には持続できないから、簡単に言ってしまえば莫大に税金を徴収するか、支給(控除)額を劇的に減らすかのどちらかをとる必要がある。
 
ただしどちらも国民の納得が得られないから、もうちょっと市場経済カニズムを導入しようという提案である。
たとえば保育制度でいえば多額の補助金により全国一律の保育料が実現されている。
これにより需要が増大したにもかかわらず、供給側は「がんじがらめの既得権益」により抑制されているため、ますますミスマッチが大きくなる。
そこで既得権益を徐々に取り払っていこうという提案である*1
 
ここで思うのは、やはりどの案も実現には程遠いということである。
結局どの案も誰かが負担を強いられるのだから、選挙では戦えなくなるのを避けるべく、どの改革も停滞し、さらに悪化していくという悪循環である。
おそらく筆者もその点を認識しているからこそ、少しでも国民の理解を深められることを期待しているのだろう。
 
難解な内容を問題点→原因→解決方法といった論調で書かれているので筆者の主張が簡潔に書かれている。
非常にわかりやすかった。

*1:もっと公費を投入しようという案は財政的に無理という前提

なぜ「あの場所」は犯罪を引き寄せるのか(その2)

これの続き。
著者は「地域安全マップ」を作成することで子供たちの危険予測能力が向上し、さらには子供たちの学力向上にも寄与すると展開している。
交通事故や犯罪が起きやすいというのを子供たちが実感しつつ、グループで作成することで子供たちのコミュニケーション能力も向上するという。
 
一方、「マスク+サングラスしている人が公園にいた」といった情報をまとめた「不審者マップ」や過去の犯罪場所を示す「犯罪発生マップ」は犯罪の機会減少には役に立たないと論じている。
「マスク+サングラスしている人」が危険と一概に決めつけてしまうと、逆にたとえばスーツ姿の人は危険ではないと誤った認識により、油断してしまう恐れがあるからである。
 
(ここからは私見
地域安全マップを日本全国的にGIS上で作成して、一般公開すれば非常に有用であると考えるがいかがだろうか?
たとえば親子で実際に歩いた後にGISで落とし込む作業をすれば、親子で危険予測能力が向上するとともにGISへの理解も深まるであろう。
また利用者側も、たとえば引っ越し先の地域安全マップを見れば、引っ越し初日から「この公園はフェンスがないからあの公園を利用しよう」という行動をとることになるだろう。
さらにはこれらの情報は行政側からみれば、防犯パトロールの強化や施設改修の重要な意見となり得るのではないだろうか?
 
逆に犯罪者から見れば「これらの場所を避ければいいのか・・・」といった判断材料になり得る、という別の問題が発生するのだろうか?どうなのだろう。。。

なぜ「あの場所」は犯罪を引き寄せるのか

犯罪が起きてしまったとき、日本では犯罪の原因(犯人の性格、特性)をクローズアップしがちである。
著者は犯罪の原因追及も大事であるが、犯罪の「機会」に着目することが、より犯罪抑止につながるということで議論が展開されている。
 
犯罪の機会を減らすには「犯罪の行いやすい環境を作らない」ことが重要であるという。
たとえば公園では子供たちが遊ぶスペースはフェンスを囲むことで、中には入りにくく外からは見えて連れ去り等を行いにくい状況をつくる。
それ以外にも幹線道路沿いにはガードレール等があれば連れ去りしにくい状況を作ることができる、といった具体例を示している。
 
犯罪者の視点に立ってみると、我々の日常が非常に犯罪のしやすい環境であるということを改めて実感した。

ドローン規制

Leafletをいじっていたから地図に関連した話題が気になった。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201509/2015090400052&g=soc

この記事の「住宅密集地や空港周辺」の定義が気になった。
空港周辺は空港の敷地からXメートルのバッファ部分という解釈をすればいいと思ったが、「住宅密集地」とは厳密にはどういう意味合いなのだろうか?自治体が定義している「市街地」とは違うのだろうか?たったの数分しか調べてないが、明確に定義されているサイトが見つからなかった。。。

「住宅密集地や空港周辺」エリアデータをドローンにコピーして、GPSとそのエリアデータとがヒットしたらアラートを出すような機能を組み込むことは簡単にできそうだが、「住宅密集地や空港周辺」エリアデータを全国網羅するという作業が大変かな。

サブフォー達成

だいぶ前ですが、私はこの本の中に記載されている方法を実践して3時間45分で完走しました(ネットタイム:3時間30分台)。
サブフォーは自己流で練習するだけではなかなか難しいです。

node.jsやLeaflet

ゴールデンウィークということでいろいろ試してみた。

expressをインストールしたが、まだ使いこなせていない。
http://qiita.com/nextfactory/items/476c5150268e2c7db4ec

socket.ioを使えばリアルタイムな双方向通信。サンプルはすぐに完成した。
http://www.tettori.net/post/852/

node.jsとは関係ないが、前から気になっていたLeafletを試してみた。地図表示、作図までは完成
http://leaflet.github.io/Leaflet.draw/