仮想化でプリセールスしてるSEの一日

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OEM 版 Windows でも P2V は可能です

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(1) Disk2VHD v1.63 リリース
(2) Disk2VHD による P2V の仕組み
(3) Disk2VHD による P2V 手順
(4) Microsoft P2V Migration for SA


P2V 関連の話をしてきましたが、
P2V 移行にあたって誤解されている方が多いのでここに記載しておきます。

P2V 可能な OS は Volume License 版 Windows だけではありません。プリインストール PC やサーバーとセットで販売されている OEMWindows OS も "P2V" 可能です。


OEMWindows というと「ハードウェア紐付け」という言葉が連想されがちで、インストールした OS 環境をそのハードウェア上から移すことは禁止されているように解釈されているケースがありますが、移行先に適切な実行権*1 があれば P2V して移すことは問題ありません。

日本では、特に PC などは OEM 版を使用したプリインストール出荷が9割以上を占めており、これを VDI による仮想化環境に移行する場合に P2V 技術を利用するケースがあります。このケースでは VDA*2 や SA 特典*3 によって、移行先の実行権を所有しているということになり、ライセンス違反にはなりません。


Microsoft の Web サイトにも記載がありますので参考にしてください。

Windows Server オペレーティングシステムイメージの仮想環境への移動および実行について
Q:
以前購入したプレインストール モデル (OEM) の Windows Server 2003 があります。また、ボリューム ライセンスで新しく Windows Server 2008 Enterprise を購入しました。新たに購入した Windows Server 2008 Enterprise で仮想化環境を構築し、プレインストール モデルの Windows Server 2003 を移行することはできますか?
A:
プレインストール モデルの場合、ライセンスとハードウェアは紐付いているため、他のハードウェアへライセンスを移行することはできませんが、この場合、新しく購入した Windows Server 2008 Enterprise に 4 つの仮想 OS 実行権が付与されているため、既存の Windows Server 2003 のサーバー OS イメージを Windows Server 2008 Enterprise の仮想環境に移行することが許可されています。ただし、実行する仮想 OS は 4 つを超えてはいけません。なお、移行元のお客様の OS の状況によっては技術的に移行できない場合があります。

http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/licensing-image.mspx

*1:Microsoft の各種資料では OSE と呼ばれています

*2:Windows Virtual Desktop Access の略。旧称 VECD。

*3:PC に対して Windows Client SA を契約している場合は VDI 時のゲストOSは無償