type032ー2〜50

スニーカーに結ぶロープ欠片の長短径・材質・色は様々で結び方も多彩だから、昨年内に出来た150足はすべてひとつひとつ違う。
特に意識したものでなく、こんどはこうしてみよう次はこうも出来る……と結んでいたら150足になったのだ。

本当だろうか?という声の主を前に置いて、その足許でご覧に入れる年になるのではないだろうか。段取りはのちほど、紙媒体で。

昨年秋口には出来ていたこれは作品ナンバーで言って00032、図録の表紙にしたもの。この間ずっとギャラリーのガラス越しに、手が届くように飾っていた。
手が届く、ガラスがなければ……である。

総じてディスプレイは「どうだ、盗れるもんなら盗って下さい」のような雰囲気を、醸すのが常道というものだ。わかっていただける人もいるはずだ、表紙に選んだスニーカーを盗まれてちょっと嬉しかったのを。

一晩考えて、被害届を取り下げることにした。ガラス二枚分と天秤にかけながら、思いつくことがあった。
表題がこの消えたスニーカーに、姉妹を殖やす新たなナンバーである。写真がその49足のピンクの片方群、2015年は桃色に染まって始まりました。