ダクトの暗がりに

ダクトの暗がりに皿に受けたもの、枝珊瑚と軽石と砂。丸い方が軽石だが、砂もまた丸く固められたダンゴになっていた。

そのままそーっと二三年は丸い形を留めていたが、大きくひび割れるとやがて四分割して角から形をなくして、こうして砂に還った。

2012年夏のことであった。 具志堅ひさきの造った夥しい数の砂ダンゴを、ギャラリーのオープニング企画としたのは……。それから五年経ってギャラリーは、ほぼ私のアトリエだ。できるだけ人が入ってこれないように、入口がふさがっているありさま。2017、春こそ本格オープンだ(いいかげんにしろ)。

小学校に入ったばかりだった彼女が中学生になる前に、島でのこころざしたものごとを形にしたいものだ。

砂は、じめから砂として生まれたわけでない。砂になったのだ……ボーボワールだな。