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2008-11-30 (Sun)

2008年11月に読んだ本から

今月も少ない。でもベスト1は『プルーストとイカ』で決まり。

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

これは本当に面白い本だった。日常的に読書をする人で認知とか脳科学とかに興味がある人にはすごくたのしめると思います。あまり話題になっていないのがもったいない

あとは、ぜんぜん新刊でもなんでもないんだけどベン・メズリックを3冊読んだのがとても面白かったし、それに引きづられて長らく放置していた『ネクスト』を読めてよかったなあ。

冊数こそ少ないが、充実した読書の月だったと言えるかも知れない。

参照

2008-11-29 (Sat)

マイケル・ルイス『ネクスト』

ネクスト

ネクスト

長らく積ん読だったことを後悔する本というものがたまにあるわけだが、本書も間違いなくそのひとつ。もっと早く読めばよかった。あとで書く

2008-11-28 (Fri)

海堂尊『螺鈿迷宮 (上・下)』

螺鈿迷宮 下 (角川文庫)

螺鈿迷宮 下 (角川文庫)

螺鈿迷宮 上 (角川文庫)

螺鈿迷宮 上 (角川文庫)

文庫版上下巻で発売。このくらいのページ数なら1冊にできるだろうに、この著者は分冊にしても売れるから大丈夫、みたいな変な安心感が出来てしまっているような気配だなあ。

前二作で名前だけ出てきた姫宮(白鳥の部下)が初登場する。それ以上はネタバレ防止のため(?)あとでも書かないことにしよう。

エンターテインメントとしてさくさく読めてしまうのでつい買ってしまうが、これからも追っかけるかどうかは微妙


関連

2008-11-24 (Mon)

メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ』

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

謎めいたタイトルに釣られて買ったものなのだが、これは大当りだった。すごい。今年の読書の中ではピカイチである。

副題は『読書は脳をどのように変えるのか? 』という。我々がふだん日常的に行っている読書という行為はそれ自体が奇跡的なことなのだと感じてしまう。この本を読んだ後には、読書という行為との関わり方が変化しているだろう。私にとっても読書がこれまでよりもはるかに愛おしいものになってしまった。

著者は認知心理学発達心理学研究者で、特に言語の発達などを専門にしている。自身のご子息がディスクレシア(識字障害)であったこともあり、ディスクレシア研究第一人者である。

本書は大きく3つのパートに分かれている。Part1が『脳はどのようにして読み方を学んだか?』、Part2が『脳は成長につれてどのように読み方を学ぶか?』、Part3が『脳が読み方を学習できない場合』である。

Part1では歴史的な文字の成り立ちが話題の中心になる。文字を持つ人間歴史は新しく、せいぜい数千年しかない。古代の文字がどうなっていたかということ、そして文字の発達に合わせて人間が変化してきたのだということを解説する。ソクラテスは書き言葉の普及によって人間に変化が起こるであろうことを非難していた。

続くPart2では、人間の成長と合わせた文字認識の発達について解説される。脳科学心理学教育などの専門知識を縦横無尽に駆使して、文字を読めるようになるとはどういうことか、さらには読んだ文字から意味を読み取るとはどういうことか、それがどのような仕組みで起こっているのか、本を読むことを完全に習得した人間の脳で起こっていることなどについて解説する。当然ながらここを読んでいる読者は既に本を読むことが出来るようになっているのだが、そのためには自分の脳が幼少の頃からの読字訓練によって「変化させられてきた」ことを知るのである。このへんで頭がくらくらしてくる。

最後のPart3がさらに刺激的だ。著者が身近な実例とともに研究しているディスクレシアの話題で、それ自体もとても興味深いし面白いのだが、それをもとに読字とともに進化してきた人間の脳がこの後にどうなってゆくのかという壮大な話が展開してゆく。というかそういうことを考えざるを得ない精神状態になってしまう。膨大な情報オンラインで飛びかう現代の世界にただ身をまかせるようにしていると失われてしまうものがあるかも知れない。ソクラテスの嘆きは現代においても共通しているのだ。

全体を通して、最初にも書いたが読書という行為への取り組み方が変わってしまう。そしてそれぞれのエピソードも専門知識に裏付けられたもので知的好奇心を相当に刺激されてしまうのでまずこの本を読むことが出来たことが強く印象に残る。自分が自由に読書が出来る環境に生まれたということは本当に有難いことだと思えてくる。全ての読書好きな人に読んでもらいたい本だ。

2008-11-21 (Fri)

ベン・メズリック『東京ゴールド・ラッシュ』

東京ゴールド・ラッシュ

東京ゴールド・ラッシュ

Ben Mezrichはハマってしまったので読み尽す感じで。原題は『Ugly American』で、このUglyにはいろいろな意味が込められている。カジノの2冊と同じように、実話を元にしたフィクション仕立ての物語になっており、アイヴィリーグやMITを出て東京にやってくるトレーダーたちが主要な登場人物で、彼らが極東で荒稼ぎをする様子が東京風俗(本当に風俗)とともに紹介される、という内容。

何人かのトレーダー実名で登場し、ベアリング銀行を潰したニック・リーソンなども登場。というか主人公は大阪でこのリーソンの手足となって実際のトレードを行っていた人物なのだ。

読み物としても東京(日本)見聞録としても非常に面白く、カジノもの2冊に負けず劣らずスリリング。邦訳ですら4年も前に出た本だし、金融状況がこんなんなってる今はいったい彼らはどうなっているのだろう? というのが気になるけど、とにかくオススメです。

こうなってくると次の『Rigged』の翻訳も期待せざるを得ない。アスペクトさん版権取れたでしょうか。どこからでもいいので適切な訳で早く読みたいです。


関連

2008-11-15 (Sat)

ベン・メズリック『カジノは奴らを逃がさない!』

カジノは奴らを逃がさない!

カジノは奴らを逃がさない!

引き続き読む。これがまためちゃくちゃ面白い。そしてこちらは前作よりもさらに重要な後書きが付いているのでその件も合わせてあとで書く

2008-11-13 (Thu)

ベン・メズリック『ラス・ヴェガスをブッつぶせ! 』

ラス・ヴェガスをブッつぶせ!

ラス・ヴェガスをブッつぶせ!

だーーいぶ前(邦訳出版直後)に買って放置してたんだけど、映画が公開されるから読むか、とか思って引っ張り出して来た、そこまではよかったがその後また数ヶ月放置してしまい今に至る、という感じだったのですが思い立って読んでみたら、これがなんで今まで読んでなかったんだろう、という面白さ。映画のことも含めていろいろあるのであとで書く

2008-11-10 (Mon)

トマス・マローン『フューチャー・オブ・ワーク』

原書2003年、邦訳も2004年に出ているので現在ではいろいろと見方が変わってしまった部分もあるのですが、そういうのも含めて時代を追い掛けるために読みました。フリーランスや直接契約プロフェッショナルなどといった働き方のモデルや、様々な(当時は)先進的な会社形態などを紹介。こういう動きが5年くらい遅れて日本でも話題になるというのがこれまでの常ですが、情報だけは入ってきてるけど実践となると心もとない、というのが現状か。

2008-11-07 (Fri)

RubyConf 2008 の Lightening talks

現地時間で6日から8日まで、フロリダ州OrlandoでRubyConf 2008が開催されています。様々な事情により今年は参加できなかったのですが、現地からいろいろとレポートが届いている。

いろいろとおもしろそうなんだけど、初日の最後、ばんご飯食べたあとにスケジュールされてたLeightning talksで、かくたにさんとたかはしさんが発表してきたそうで。すばらしきかな。

ちゃんとプログラムに載ってるけどエントリ方法が当日まで不明だったLightning Talksでしゃべってきた。

RubyConf2008のLightning Talkでしゃべってきた - 角谷HTML化計画 (2008-11-06)

今年はLTをやるという話を聞いて何か話をしないと、と思ってました。

RubyConf2008のLTで、Yuguiさんとitojunさんについて話してきました - 思っているよりもずっとずっと人生は短い。

どちらも後日Confreaksから動画が配信されるそうです。

たかはしさんのLTネタを見て、私も去年のことを思い出して目頭が熱くなってしまった。去年は訃報を聞いて、それについて真偽も含めていろいろと噂や情報が飛び交う中でRubyConfに向けて出国し、帰国してきたらその足でお通夜、翌日に告別式というめまぐるしさで、あれからもう1年も経ったんだな、と思うとなんとも言えない気分になるし、いまでも信じられないという気分が少し残っていたりします。この時期だからこそのこのテーマですね。

それ以外のRubyConf全体の雰囲気などは、id:kiwamuさんのところにたくさん書かれているのでそちらが参考になります。

2008-11-04 (Tue)

ナシーム・ニコラス・タレブ『まぐれ』

記録してなかったのでいつ読み終わったかわからないのだが、たまたま今日、手に取るチャンスがあったのでここに記録することにする。これはすごい本だと思います。今年読んだ中で知的興奮では1, 2位を争う。詳しくはあとで書くけど、次の本『Black Swan』も邦訳がすすんでいるらしいのでこちらも期待して待つ。

2008-11-02 (Sun)

小林雅一『神々の「Web3.0」』

神々の「Web3.0」 (光文社ペーパーバックス)

神々の「Web3.0」 (光文社ペーパーバックス)

タイトルから上滑りしてる痛々しい本だと予想して眺めてみたら意外としっかりしてて面白かったので通して読んでみました。現状のソーシャルメディアデジタルコンテンツをめぐる新旧コンテンツの攻防、検索エンジン未来、日米双方の携帯電話、仮想世界などを扱って、流行をまんべんなく書いています。実際にシリコンバレーでインタヴューした著名人の話もたくさん出てきます。

ただもちろん、扱うトピックが広い範囲にわたっているため、そのひとつひとつについての議論はややさわりだけという感がないでもない。悪いというわけではなくて、そういう種類の本、ということですね。

ところで映像産業について書いた章の最後の締め括りとして出てくるのがJustin.tvだったりするのだが、その紹介はこんな記述になっている。

同社創業者の1人、ジャスティン・カンJustin Kan氏は2005年イェール大学卒業後、「キコ」Kikoと呼ばれるオンラインカレンダーを開発して注目を浴びた。しかしキコは、その後登場したグーグルカレンダーGoogle Calendar市場シェアを奪われてしまった。そこでカン氏はキコをイーベイに25万ドルで売却。このお金エンジェル(個人投資家)からの出資金を元手に、2007年4月大学の同級生2人とともにジャスティンTVを設立した。

まあだいたい正しいんだけど、JustinたちがKikoを売った相手はeBayじゃないぞー。まあ単なるtypoかも知れませんが、ほんとはeBay売った、ですね。実際の買い手はカナダのtucowsだった。このへんの事情はこの日記の読者はおぼえておられるかも知れない。わからない人はこのへんとかこのへんを見てください。

というような感じで日本だとUstream.tvの方がややポピュラーだけどJustin.tvだったり、ところどころ選択が渋めな気もしてともかくわりと面白く読めた。タイトルは損してると思う。そのへんの自覚があることは本の最後の方にも書いてありましたが。

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