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2009-08-30 (Sun)

ブライアン・サイクス『アダムの呪い』

アダムの呪い

アダムの呪い

積読だった『イヴの七人の娘たち』を先日思い立って読んだらめちゃくちゃ面白くて、こんなことならもっと早く読んでおけばよかったと後悔したので、こっちもとっとと読もうと思って入手した。前作はミトコンドリアDNAを使って母系祖先を分類・決定して行く話なのだが、その中でも同様の理屈Y染色体を利用して父系祖先を分類できること、それが母系にくらべてはるかに難しいこと、などがちらっと触れられている。本書はそのY染色体による父系遺伝子を主役に持ってきたものなのでそれで内容を予想しつつ読みはじめたのだが、こちらの方が前作よりもさらに数倍面白い。

なぜ母系から父系に変わっただけで「呪い」などという言葉が使われているのか? という疑問が思い浮ぶのだが、それこそが本書のエッセンスのひとつである。そもそもなぜ2つの性が必要なのか? という疑問からはじまり、遺伝学をツールにして男性が「男性らしい」外見や性格をしているのは何故なのか? といった疑問に対して回答を試みる。その中には、男性同性愛を引き起こす遺伝子は存在するか? とかいったものまで扱われている。

そういった問題にひとつひとつ答えていくうちに、これは福岡伸一さんの本にもあったが(というか本書の方が先なのだが)、個体の寿命も短かく、全体としても絶滅する運命にある哀れな男性というイメージが受かび上がってきてしまうのだった。これを呪いと言わずしてなんと言おう、とか男性の私は思ってしまいますよ。

ところが「呪い」の呪いたる所以はそれだけではない。なぜ男性女性よりも粗野で暴力的だとされているのか、権力や富を独占している人に男性が多いのは何故なのか、そのようなものを指向せざるを得ないようプログラムされているとしたら。実際、並外れて多くのコピーを残すことに成功しているY染色体は、時の権力者のものであると推定されるのです。そのようなプログラムこそが、筆者の言う「呪い」なのだ。

こうやっていろいろ男性性について考えさせられると、草食系男子にも遺伝子が関与してるかもね。とか夢想したくなるよ。誰か研究してよ。ということでとても面白かった。イヴよりもオススメだが、イヴを読んでいた方が話が速いのでやはり両方読むべきかと。


ところでこの2冊、Amazon3種類ずつあるのはいったいなぜなんでしょう?

2009-08-28 (Fri)

Mac OS X 10.6 Snow Leopard 発売!!

Mac OS X 10.6 Snow Leopard

Mac OS X 10.6 Snow Leopard

Mac OS X 10.6 Snow Leopard ファミリーパック

Mac OS X 10.6 Snow Leopard ファミリーパック

Mac Box Set

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来月だと思っていたので、予想外のプレゼントでした。すばらし。

これでintelだけになったと思うとそれも感慨深い。あとで書く

2009-08-23 (Sun)

日垣隆『秘密とウソと報道』

秘密とウソと報道 (幻冬舎新書)

秘密とウソと報道 (幻冬舎新書)

読む前にタイトルから勝手に予想していた内容よりもはるかに面白かった。あとで書く。

2009-08-19 (Wed)

ジェフ・ハウ『クラウドソーシング』

ハヤカワ新書juiceが予想以上にマジメでいい感じなのでこれも買って読んでみました。あとで書く。

2009-08-16 (Sun)

日垣隆『怒りは正しく晴らすと疲れるけれど』

怒りは正しく晴らすと疲れるけれど

怒りは正しく晴らすと疲れるけれど

活字紙メディアからの撤退を宣言していた日垣隆さんがこの本で復活のようです。あとで書く。

2009-08-13 (Thu)

今野浩『すべて僕に任せてください 東工大モーレツ天才助教授の悲劇』

すべて僕に任せてください―東工大モーレツ天才助教授の悲劇

すべて僕に任せてください―東工大モーレツ天才助教授の悲劇

私にとって、読み出すと止まらない絶対に面白いこというかとにかくすごい本であることがもう読む前からわかっている本というのが世の中にはいくつもあって、本書はそのうちの1冊。著者買いである。この方はORの大先生であるが、もの書きとしても恐しく筆の立つ方である。これまでも『役に立つ一次式』と『金融工学20年』という素晴しい本を読ませてもらってきたが、本書はその系譜に連なる知的興奮に満ちた一冊でありつつ、涙を誘うもの悲しい物語でもある。

他の著書などにもある通り、著者は工学系からも経済学系からも足を引っぱられながら日本の金融工学の牽引役を勤めてきた人だが、本書の主役というか記述の対象はその弟子であり盟友であった白川浩さんという一人の研究者である。私は専門も遠いため、これまでお名前を存じ上げなかった。前書きから引用する。

この本は、革新金融システムを生み出すために命を賭した「突き抜けたエンジニア」の半生を通じて、これまで知られることのなかった「20世紀エンジニア」と「理工系大学」の生態を紹介する目的で書かれたものである。

天才助教授は文字通り命を賭して短かい人生をモーレツに生きた。昼も夜もなく研究に打ち込んで、エレベータの中で眠ってしまうような生活をずっと続けていたという。もっともそのエレベータの逸話については終章でタネが明かされる。それだけでなく、時はまさに独立行政法人化を含む大学改革の真っ盛りであり、研究以外にも恐しい量の仕事があるのだ。

主な舞台東工大であるが、周辺の関係者の所属機関として他にも様々な「理工系大学」が登場する。理工系とひとくくりにした中でも例えば理学部工学部ではよほど雰囲気が違うことをエンジニア視点で描いており、理学部出身の私にもとても興味深い。白川助教授工学系出身でありながらも理学系に手を染め、やがて訣別して戻ってくる。そのことも彼の寿命を縮めたのだろう。

とまあ、通底するストーリは悲しいものであるが、理系研究者、特に工学系の人間のことをこれほど生き生きと描いた本などあまりないし、文部省(後の文科省)の大学改革がもたらした現場の混乱など手にとるようにわかる。予想通り一気に読み通してしまったが、一行一行味わって読んでいくことも出来る濃密さももっている。冒頭に書いた通りの期待を持って読みはじめたが、全く裏切られなかった。


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というわけで過去にこの著者の本を読んだときの感想など。

2009-08-11 (Tue)

池田清彦『だましだまし人生を生きよう』

だましだまし人生を生きよう (新潮文庫)

だましだまし人生を生きよう (新潮文庫)

ライアル・ワトソンを読んでから、急激に自伝ブームがやってきた感じだったので買ってある中からチョイス。すごいタイトルが付いているが、内容は実は自伝というか半生記なのである。あとで書く

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この著者はわりとたくさん読んでるが、さらにたくさん本がある。読んだ中からいくつかピックアップ

2009-08-09 (Sun)

ライアル・ワトソン『エレファントム』

エレファントム 象はなぜ遠い記憶を語るのか

エレファントム 象はなぜ遠い記憶を語るのか

昨年に死去したライアル・ワトソンの最後の本となった本。ライアル・ワトソンというと幸島の百番目の猿だとかで批判的に取り上げられることが多いですが、猿はともかくとして他の話は文学と思って読むとこれほど面白いものもあまりないという変な人のイメージが。福岡伸一さんを訳者のひとりに持ってきたのはなんか絶妙という感じがします。そのライアル・ワトソン子供の頃を振り返って書いた自伝のような本です。

内容とか感想あとで書く

2009-08-08 (Sat)

『第七回Wikiばな 〜 Wikiの起源へ〜 』に参加してLTで発表してきました

http://wikibana.socoda.net/wiki.cgi?WikiBana%2fVOL%2e7

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

1年ぶりのWikiばなは超豪華版。この日記でも何度も紹介している江渡浩一郎さんの著書『パターンWikiXP』について、関係者が登壇していろいろと語るというものです。江渡さんのこの本をめぐるロードショーもこれが最後になるようです。参加者全員に本の内容を読み込んでいることを要求しての開催(しかも150人の定員は一杯)という世界的にも類を見ないイベントになりました。

イベント自体の感想はいろいろ有り過ぎてさくっと書けないのであとで書くまで待って頂くとして、イベント中に開催されたライトニングトークで発表してきましたので資料を貼り付けておきます。

実はスライドだけだと意味不明でして、説明を加えないといけないからそのへんが整ってから、とか思ってたんだけどそんなの待ってたら永遠に公開できないのは明らかなのでエイヤでやってしまえ、という。

Ustreamプレゼン動画も上がってるので、そちらを合わせて見てもらえば少しはわかるかも知れません。拙い発表で恥かしいのであんまり見て欲しくないところもありますが。時間オーバーしてるし。すみません。

実はこの発表の前に最初のセッションの質疑応答でWorldWideWebがエディタであったことが言及されていました。私はその質問があったときにはまだ会場にいなかったのでそのやりとりを聞いていなかったのですが、あとで動画を見て確認したところ、江渡さんが私の発表があることに触れながら問題を投げてくださってるのですが、そのことを知らなかったために発表では全くその内容について答えていません。期待してた方には肩すかしだったかも。すみません。このあたりは引き続き研究課題ですね。

ただ江渡さんが本を出すと聞いたときから、なんらかの形で反応を返すことが出来ればいいなと思っていたので、発表する機会を与えていただいたのは良かったです。関係者の皆さんにもお世話になりました。自分の資料で長くなってしまったので感想などは別エントリを起こすことにします。

2009-08-05 (Wed)

ジョナサン・ジットレイン『インターネットが死ぬ日 そして、それを避けるには』

インターネットが死ぬ日 (ハヤカワ新書juice)

インターネットが死ぬ日 (ハヤカワ新書juice)

原書CC(ncsa)で全文が公開されている。もともとはWIRED VISIONのyomoyomoさんの記事で知ったものだ。元記事を読んだときからとても興味をそそられていたのだけれど、日本語訳が本で読めるとは! しかも訳者井口耕二さん。素晴しい。

内容はめっちゃ刺激的。咀嚼したり反芻したりしてじっくり読んでいたらものすごく時間がかかってしまいました。続きはあとで書く


書評書く前に関連する話など

ところで本書を先月読んでたjunoさんがこんなことを書いている:

インターネット黎明期のエピソードとして、こんな話が書かれている。

《..引用略..》

ロバートモーリスベンチャー、4,900万ドルで売却、ヤフー…ってViawebをポール・グレアムと設立したロバートモリスじゃねえか。

インターネットが死ぬ日 - Sooey

このRobbert Morrisについては、この日記でもちょくちょく取り上げてるので興味のある方は読んでみてくださいませ。

このあたりからどうぞ。Shiroさんから頂いたコメントも読むとより面白いかと思います。

2009-08-03 (Mon)

ブライアン・サイクス『イヴの七人の娘たち』

イヴの七人の娘たち

イヴの七人の娘たち

これまた既に文庫も出ているのだが、買って積んだままになっていたのを引っぱり出してきて読んだ。母親からしか受け継がれないミトコンドリアDNAを利用して、母系祖先をたどってみたらほんの10万年前のあるたった1つのDNAに到達した、すなわち、人類共通の母系祖先が存在するということ、そして我々現代のホモサピエンスは7人の母系祖先のどれかの末裔だということを、その手法の開発者である著者が研究過程とともに解説している本。

この話題そのものは福岡伸一さんの本に出てきたような気がしたのだが、それはこの次の『アダム呪い』の方だったということが読んでみてわかった。まあそれはともかく発見の過程はスリリングで本当に面白い。もっと早く読めばよかった。あとで書く

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