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2011-01-28 (Fri)

デビッド・カークパトリック『フェイスブック 若き天才の野望』

映画ソーシャル・ネットワーク』公開と合わせて(ぶつけて?)発売されて話題になっているのでどうしても目についてしまいこちらも読みました。この日記にも映画の感想と、その原作になった本の読書記録があるので興味のある方はあわせて読んでください。

それにしてもこの本もメズリックの本に負けず劣らず邦題がひどい..。原題は『The Facebook Effect: The Inside Story of the Company That Is Connecting the World』で、かつ表紙にザッカーバーグの顔も出ていないので、受ける印象が全く違います

The Facebook Effect: The Inside Story of the Company That Is Connecting the World

The Facebook Effect: The Inside Story of the Company That Is Connecting the World

本書はマーク・ザッカーバーグという人物の「野望」についてだけ書いたわけではない。もっと大きな社会的な変化について触れようとしています翻訳にはさらに「5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた」という副題が付いてるけど、これもちょっと..。キャッチータイトルをつける必要性はわかるけど、内容をよくあらわしているとは言い難いし、なにより原書意図を無視していると思います。まあ苦言は(いくらでもあるんだけど)このへんで、内容にうつます

本の前半(といっても3/4くらい)は映画でも語られたFacebook歴史、なかでも、これまで数多あったSNSFacebookとどこが違うのかを、SNSのそのものの歴史も振り返りつつ解説しています。そして後半(1/4くらい)には原書タイトルでもあるFacebook以後の世界がどうなってゆくのか、どうなるべきか、というような、壮大な話題に展開されていきます

専らエドゥワルド・サベリンに取材してザッカーバーグ本人への取材は断られたメズリックの本とは対照的に、こちらはデビッド・カークパトリックがザッカーバーグに密着取材しています。たしかに、視点が違うといろいろとわかってくることがあって面白い

だがしかし、なにより強く印象に残ったのが、対照的な作られ方をしたこの両者の本で、書かれた「歴史」に驚くほどに相違がないこと。もっとそれぞれ一方的な言い分をしているところがあって然るべきなのに、そういう部分がほとんど見当たりません。このことこそが、マーク・ザッカーバーグという人物が、本書の中で度々出てくる「もっと透明性の高い」世の中を本気で求めている、ということの確かな根拠に思えます

透明性の高い世界を別の言葉で言うと、ネットであろうが現実であろうが常に人格は1つであるべきだ、ということになります。それが人々の行動をより誠実なものにすると(マークは)言うのです。正直に言って、あらゆるSNS上で積極的に本名で登録している私でも、ちょっと冷汗が出てくるようなところがある。

これについては、上で文句を言ってしまったけれど「若き天才の野望」と言っていいかも知れない。あ、野望がそれだけ大きいということかな? やっぱこの邦題は正しく本書の内容を表しているのかも知れない..。文句言ってすみません(汗)。

あと、それはそれとして、Facebookの成長の過程、例えば、マーク映画の中では広告を嫌がっているだけだったのに、GoogleからSheryl Sandbergを引き抜いて広告を完全に事業として導入するプロセスとか、そういうのはさすがに詳しく書いてあります。また、SNSに関して広範囲に影響すると思われる特許Zyngaマーク・ピンカスLinkedInリードホフマンが共同で持っているだとか(寡聞にして知りませんでした)、そういう話も興味深かったです。

ということでまあオススメできる本です。でもこの本(だけ)読んだから映画見なくていいやとかいうのは正直言うとやめてもらいたい..。どっちか言うとメズリックの本も読んで欲しいし、映画も見てもらいたい。特に知り合いの人には。

2011-01-24 (Mon)

舩越園子『がんと命とセックスと医者』

がんと命とセックスと医者

がんと命とセックスと医者

大変興味深く読みました。米国在住で活躍している女性ライターさんが子宮頸癌になってしまい、手術を受けて摘出しなければならない。しかしそのとき自分女性性が失われるのではないかと心配になる。手術後もセックスは同じようにできるのか、できないのか、というものすごく基本的なことすらわからない、というようなことが綴られています。

日米の医師の違いや、日本のお医者さん、特に産婦人科医がめちゃくちゃタイヘンだということもよくわかる。あとで書く

2011-01-20 (Thu)

米原万里『米原万里の「愛の法則」』

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

著者が生前に行った3つの講演をまとめたものです。タイトル通りに愛とか男女とかが出てくるのは最初の1本だけで、残りは通訳論などものすごく真面目な話でした。あとで書く

2011-01-18 (Tue)

映画の『ソーシャル・ネットワーク』を見てきた

前に読んだベン・メズリックのFacebookの本の映画を見てきました。既に去年のうちに試写で見た人や公開初日に行った人なども多く、原作も読んでたし映画前評判も聞いてたしでもうすっかり見た気になってたんだけど、やっぱり実際に見てみて思ったことなどあるので一応書く。

デヴィッドは『セブン』と『ファイト・クラブ』くらいしか見たことないのだが、この2つだけでも相当すごいイメージなので期待も高かったんだけど、まず、やっぱけっこう面白かった。映画映画アレンジとして、特にプログラマ視点で見るとありえねーーっていうシーンもいっぱいあるけどそれもそれで面白い

メズリックの本と比べてボート部のウィンクルボス兄弟比重が大きいと感じた。これは要するにあの兄弟が起こした訴訟に関することのシーンが多いということである。なんだけど、ということはつまり、私のような自分プログラマfacebookもよく知ってる人間にとっては、この映画は即ち訴訟映画だということになる。

本でも映画でも、描かれたことだけから判断するとどうみてもあの兄弟に6500万ドルをせしめるだけの功績はありそうもない。むろん、描かれていないことはあるかも知れないけれど、それはそれとして、我々プログラマが従っている世界ルールにおいては、ただのアイデアには価値はなく、実装することによってはじめて価値を認められる。ところが映画の終盤では、弁護士がザッカーバーグの言うことを認めながらも評判を考えて和解をすすめている場面が描かれる。これにはけっこう見ててつらいものがある。

その我々が抱くストレスを、当時のハーバード学長のラリー・サマーズが代弁しているところが痛快だ。兄弟の片方が「ジェントルマンは訴訟はしない」と言ってるのと合わせ、それをその後の展開と比較すると、エリート理想現実が見えてくる。

対サベリンの訴訟についてはだいぶ感じが違うというか、こっちはほぼメズリックの本の通りの印象になっている。これについては映画の範囲を超えてまた書きたいことがあるのでそのうち何か書くかも知れない。

前半のスピード感ある展開は見てて気持ちがいいし、やっぱりコード書きたくてウズウズしてくる。あと講演のシーンで出てくるビル・ゲイツ役の人が妙に似てたりするのも面白かった。

それになにより、こういう作品が宣伝映画じゃなくて娯楽映画として作られてしまfacebookが心底すごいと思った。

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