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踰矩ブログ(耳不順を改め) RSSフィード

 2016年の新年に当り、弊ブログのタイトルを変えることとした。論語の「70にして心の欲する所に従い矩を踰えず(のりをこえず)」をもじり、矩を踰える趣旨で「踰矩」ブログに変える。音読みで「ゆく」、訓読みで「のりこえ」と読んでほしい。今までの「耳不順ブログ」にもそれなりに愛着があり、また、継承関係を示す意味で、「踰矩ブログ(耳不順を改め)」とかっこを付けた。  趣旨の詳細は、2016年1月1日付けの記事で説明してあるが、要するに、長いサラリーマン生活を終え、60歳、70歳になって気ままに過したいということだ。
 本ブログは、2006年頃から非公開で書き溜めていたものを2010年に公開し、その後諸事に関する私の雑感を綴ってきた。タイトルの「耳不順」、「踰矩」に従い、偏った視点でと思ってきたが、そのことより、長い、くどい、話題が固いと評判が悪い。
 本ブログにコメントが寄せられても、有難いことだが、かねての方針通り、原則として耳を傾けない(順わず)こととします。マナー違反にご容赦のほどを。(2016年1月記)
 似顔絵の経緯は、2011年12月11日のブログを参照。 [2010年10月以来の累計アクセス数= ]

2017/05/09 (火)

[] 城端曳山祭

 昨2016年12月1日に文化庁は、ユネスコ無形文化遺産に日本の18府県計33件の「山・鉾・屋台行事」が登録されたと発表した。

http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/2016120101.html 

 33件のリストは次。 http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2016120101_besshi02.pdf

 その33件の1つに、富山県の「城端(じょうはな)曳山祭」(南砺(なんと)市)があり、今年はさる5月4-5日に開催された。現地の縁者(姪)に誘われて観に行ってきた。以下、1) 今回指定された「山・鉾・屋台行事」とは、2)城端と私との関係、3)城端曳山祭(他の富山県の曳山祭も紹介)、ついでに乗った4)JR城端線の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」について説明する。

1) ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」とは

 「無形文化遺産」とは、「世界遺産」(1972年世界遺産条約*1に基づく)とは別に、2003年に採択された「無形文化遺産保護条約」に基づいて、ユネスコの同リストに登録されたものだ。なお、ユネスコではこの有形、無形の遺産に加え、書物文書を「世界の記憶(世界記録遺産)」として保護するプログラムを1992年より立ち上げている。また、「無形文化遺産」に正式には「世界」の語は含まれていないが(Intangible Cultural Heritage)、通称「世界文化遺産」と呼ばれることが多く、かつ判りやすい。遺産全般の説明は省略して、今回の「山・鉾・屋台行事」を概説する。

1-1) 「山・鉾・屋台行事」への違和感

 先ず「山・鉾・屋台行事」の言葉に違和感がある。a)山、鉾、屋台とは何か、b)「行事」とは、「屋台」だけに係るのか、「山、鉾、屋台」の全てに係るのか、c)英語では何というか。

a) 山、鉾、屋台

 広辞苑では、「山」の見出しに15個の意味が挙げられている。そのうち14番の「だんじり」、15番の「山鉾」が該当している。「だんじり」は、関西、西日本でのもので、東京地方の山車(だし)に相当するとある。「山鉾」は、京都祇園の山鉾が有名だが、単なる「鉾」でもいいらしい。次の「屋台」は、私としてはソバやおでんを路上で食べさせてくれる店をもっぱら考えてしまうが、祭礼で練り歩く山車などの類も指すとある。推測するに、リストアップされた33件をまとめるための造語であろう。だが、3つの単語は意味の重複があり、それらの関係はすっきりしない。

b) 行事とは

 冒頭の文化庁報道発表中の「概要」では、「山・鉾・屋台行事」と「山・鉾・屋台」とが、また「屋台」と「屋台行事」とが、微妙に使い分けられている。ということは、「行事」は「山・鉾・屋台」の全てに係るのだろう。

c) 英語では

 文化庁報道発表には、ユネスコの決定文が掲載されており、それには「Yama, Hoko, Yatai, float festivals in Japan」とされている。知らなかったが、リーダーズ英和辞書を見ると、floatには、「(パレード用の)山車、台車、屋台」の意味が出ていて納得。「山、鉾、屋台」は流石に日本語そのままだ。

1-2) 何故33件か

 この疑問には2つ意味があり、第1は、33件もあってはユネスコ遺産の有難味が薄れないか、第2は逆に、33件だけでいいのかということだ。

 前者については、ユネスコは同種案件の一括登録を推奨しているとの見方がある。よく理解できないところがあるが、類似事例が多くあるからこそ独自文化との見方もあるらしい(「提案されなかった「山・鉾・屋台行事」―今後に向けての期待―」(福原敏男)より*2 )。

 後者については、他に類似のものが沢山あるだろうになぜ33件かということだ。前述の福原敏男のウェブ記事によれば、今回の日本からの推薦は、「国指定重要無形民俗文化財であること、…保護団体が「全国山・鉾・屋台保存連合会」の正会員であること(会費納入義務負担)の2点が前提とされた」とのことだ。「伝承継続のために、しっかりした保護団体」があること」が条件だった。全国には他に多数の山・鉾・屋台行事があるが、余り最初から多数というのにも遠慮があったようだ。今後、100件程度に増やすべきとの意見も紹介されている。後述するが、私の故郷にも立派な曳山祭があり、登録されなかったのは残念だ。

2) 城端と私との関係

 城端(じょうはな)は、同じ富山県内というだけでなく、私の姉(6年前に死亡)が嫁いだ先ということで、小さいときはよく行っていた。ローカルな話になるが、我が家の高岡市伏木(ふしき)地区と城端とは、富山県の西半分のうち、それぞれ北部(富山湾沿い)と南部(岐阜県に隣する山沿い)とに位置する。鉄道では、伏木からJR氷見(ひみ)線で南下して高岡に出るのに15分、高岡からJR城端線で約1時間更に南下すると城端だ。城端は以前は城端町という単独の地方自治体だったが、2004年の平成の大合併で、近隣の8町村が合併して「南砺(なんと)市」という奇妙(?)な名前になった。北隣の「砺波(となみ)市」の南という意味だ。*3

 8町村の合併ということで、南砺市の面積は669平方km東京都区部の619平方kmを上回る。もっとも人口は、2017年3月末の住民基本台帳ベースで、52,242人と少ない(2004年の合併時から6,988人の減少)。そのうち城端地区は8,573人だ。*4

 城端は、1573年に開町したとされ、「越中小京都」と呼ばれる、古い街並みが残るきれいな町だ。

3) 城端神明宮祭の曳山祭り(無形文化遺産)

 城端の曳山祭りは1710年代に始まったとされる。毎年5月に開催され、近年は5月4-5日だ。獅子舞など各種の出し物があるが、メインは、城端地域内主要6町がそれぞれ所有する6基の曳山と庵(いおり)屋台(後述)だ。

 曳山は、高さ6m前後で花笠の下に御神像(恵比寿他)、からくり人形等が配される。夜は提灯山となるが、周りを無数の提灯で囲うよく見られるものではなく、手持ち提灯を適宜周囲にぶら下げる形でユニークだ。

 庵屋台は城端曳山の最大の特徴で、6基の曳山のそれぞれに付随し、先導して進む。高さ3m、長さ3m、幅2m弱程度で、下部の幕の中には6-8人の人間が入って歩く。役目は各町家の要望(「所望」という)に応じてその家の前で庵屋台を停め、庵歌(いおりうた)を歌うことだ。昼から夜にかけて、所望する家の前で庵歌を詠ずるなどして優雅に練り歩く。*5

 画像は例えば、 http://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/www/info/detail.jsp%3Fid%3D10682 

 youtubeは例えば、 https://www.youtube.com/watch?v=XqZSVB5OtEE

 以上は今回改めて調べたことで、実際に観るのは、子供の時以来で約60年ぶりだ。夕方に着いて、昼の山から提灯山への模様替えなどを観た。過疎化が進む町で大変な人出だ。ユネスコ登録の威力は大きい。昨年の人出より多かったと翌朝の新聞で報道されていた。

 私が撮った下手な写真を何枚か載せる。第1は昼の山、2番目は夕方で、夜用の提灯をぶら下げる作業をしている。3番目は夜の山の様子。4番目は少し幻想的に撮れたかと思ったもの。

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 夜にまた一通り観てから、姪の家で他の招客達(兄他)と懇談していたら、10時頃にまた観に行かないかと姪たち(2人)に誘われた。曳山が街の巡行路の末でUターンし(というか、引返しのための180度の転回)、それぞれ自分の町の山倉に帰るのだという。観にいくと、Uターンは大勢の曳手が力づくで山を回転させる。この時などに車輪がきしみギューと大きな音を出すので「ぎゅう山」との別名があるとのこと。町の山倉までゆっくり帰るのを皆と一緒に付いて行った。城端で生まれ育った姪2人は60代なのに、山の後ろに付いて歩いているだけでにこにこして幸せそうだった。同じように街を歩く人たちも嬉しそうな顔だ。夜の11時過ぎまで幻想的な眺めが続いた。

 写真は、姪の家で出された城端料理。自分で摘んだ山菜も多い。懐かしい味で美味しかった。

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 面白かったのは、女性は曳手になれず、山にも乗れないとのこと。姪が小さい頃山に触ったらすごく怒られたらしい。東京の祭では女性も神輿など担ぐようになったと言ったら、今のままでいいとニコニコしている。皇室女性宮家が認められるようになったら、城端も変るかも知れないという。

(富山県内の他の曳山祭り)

 ユネスコの上記33件の無形文化遺産には、富山県のものとして、城端に加え、高岡の「御車山(みくるまやま)祭」、魚津(うおず)の「タテモン行事」と計3件登録されている。しかし、この他にも県内に曳山祭は多い。前述した福原敏男の記事にも、射水市新湊の曳山、南砺市福野の夜高祭が出ている。特に新湊の山は2016年1月公開の映画「人生の約束」(主演 竹野内豊江川洋介など)の主題だった(http://www.jinsei-no-yakusoku.jp/ )。他にも曳山祭りを行っている町が、富山県には多数ある。「日本の曳山祭」(http://www.sit-tokyo.net/hikiyama/frame/frame3_info.html) というウェブページによれば富山県には23件がリストされている(http://www.sit-tokyo.net/hikiyama/chubu/toyama_01.html )。

 特筆したいのが、私の故郷、高岡市伏木の「けんか山」だ。毎年5月15日に、7基の山車が町を練り歩く。1813年に開始されたとのこと。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8F%E6%9C%A8%E6%9B%B3%E5%B1%B1%E7%A5%AD

 山車は高さ約8mで、ぶつけ合うための付け長手を前後に備え、長さは10m以上となる。昼は、花笠の下に7基それぞれに七福神のご神体を置き、囃子方が乗り込む。夜は周りを計約360個の提灯で囲む「提灯山」となる。夜の提灯山がお互いにぶつけ合うけんか山の舞台だ。

 youtubeはいろいろあるが、1日の模様を4分にまとめたのが次。https://www.youtube.com/watch?v=r4CM97UL_zQ

 山鹿流の陣太鼓に乗せて、誠に勇壮だ。この動画を見ると今でも血が騒ぐ。私は子供の頃、高岡城端山車は、ぶつけ合いをせずに静かに進むだけなので意義が判らず、内心馬鹿にしていた。しかし、世の中では伏木の山はあまり注目されない。最近たまたま目を通した、JR東日本の「大人の休日倶楽部」の会員向け機関誌「旅マガジン」の2017年4月号に、「高岡伏木けんか山、他を楽しむ」というツアーが掲載されていて(コースNo B5034)、嬉しくなった。5月15日出発なのでまだ余裕があるかも知れない。

 もう1点。近年女性の曳手も可能になったとのことだ(ぶつけ合いの時は駄目)。城端も変るかも知れない。

4) 「ベル・モンターニュ・エ・メール」

 時刻表で時間を調べていたらJR城端線で運行されている特別車両を発見した。城端線氷見線2015年10月から運行が始まった。フランス語の「Belles Montagne et Mer (美しい山と海)」で、山に近づく城端線と海沿いの氷見線とをつなぐ。名称としてはしゃれているが、少し長い。略称は「ベルモンタ」(ケチャップの「デルモンテ」と紛らわしい)。ウェブは、https://www.jr-odekake.net/navi/kankou/berumonta/ 

 1両編成、定員39名の気動車*6で、運行も、土曜日に城端線2往復、日曜日に氷見線2往復とやや寂しい。城端線氷見線の直通も無いので、名称の「山と海」が泣く。

 城端曳山祭の翌5月6日が土曜日だったので、城端から新幹線乗換駅の「新高岡」まで予約して乗った。乗車券580円に指定席券520円を加えて1,100円、約40分の行程だ。実は、JR西日本の切符をJR東日本管内の東京で予約、購入するのは面倒だ。結局JR西日本に電話で予約し、3日前までにもう1回西日本に電話してクレジット払いをし、発券は新高岡駅となった(城端駅はみどりの窓口が無いので駄目)。JR西日本の電話の人は知らなかったが、予約を最初から駅ねっと(JR東日本が運営)ですればJR東日本の駅で発券できると、後でJR東日本の駅の人が言っていた。本当にJRの分社化は面倒だ。

 乗車体験を幾つか記録。

  • 車両はまあまあよかった。展望のいい大きな窓際のベンチ席を予約したが、くもり空で立山連峰が見られず残念。乗車率は半分ぐらい。
  • 地元のボランティアの人が車内でずっと説明してくれた。内容は面白くなかったが、まあ楽しかった。南砺市内の各駅のホームで、ボランティアの人が歓迎の垂れ幕を掲げてくれていたので恐縮。田んぼのあぜ道に10人ほど並んで手を振ってくれていたのには、「七つ星」などの豪華列車に乗っているような気分になって、やや照れた。
  • すし職人が乗車していたのにはびっくり。ただメニューはパンフに掲載されている「ぷち富山湾鮨セット」のみで、個別の注文に応じてはくれなさそう。この鮨セットは鮨5貫とペット茶で2000円と高い。しかし、ベルモンタに乗車した高揚感のせいか、衝動的に注文してしまった。美味しかった。

 写真は、車両の正面、田んぼで手を振る人たち、2,000円の鮨セット。

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(観光列車のいろいろ)

 JR九州の「ななつ星」(2013年10月運行開始)、この5月1日から運行が始まったJR東日本の「四季島」、6月17日運行開始予定のJR西日本の「瑞風」など、最近JR各社で豪華な観光列車が登場している。ちなみに、これらの数泊の旅を提供する豪華列車は「クルーズトレイン」と呼ぶ。日帰り用のものは「観光列車」らしい。たまたま買った雑誌「日経トレンディ」の2017年6月号の記事「極上の鉄道旅」で、上記の豪華クルーズトレインの他に、日帰り用の観光列車が11本紹介されている。昨年から今年にかけて運行開始されたものが中心ということで、城端氷見線の「ベルモンタ」は少し早すぎたせいか掲載されていない。

 この記事によれば、観光列車の3要素は、景色、車両、食事ということだ。ベルモンタは、程度はともかく、この3つを一応カバーしていると微笑ましく感じた。

*1:日本は1992年に締約国に。

*2http://www.isan-no-sekai.jp/feature/201701_08

*3富山県には、高岡は別として、割に難読の地名が多いということに気が付いた。

*4https://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/www/info/detail.jsp?id=16978 https://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/open_imgs/info/0000056646.pdf

*5https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%8E%E7%AB%AF%E6%9B%B3%E5%B1%B1%E7%A5%AD#.E4.B8.BB.E3.81.AA.E6.97.A5.E7.A8.8B

*6:このような観光用の車両を観光列車というのには抵抗がある。電車とは呼べないが、「列車」にも抵抗がある。「列車」とは車両の連なりで、1両のみの編成は当らないのではないか。気動車ないしジーゼル車が正確だが、「観光気動車」では旅情がない。英語でも、trainは2両以上の編成をいうようで、個々の車両は、coach、car、carriageというらしい(ジーニアス英和)。

2017/03/07 (火)

[] 自動ブレーキの作動実証

 2年前の夏に購入した我が家の車には自動ブレーキが装備されている、とディーラーから説明されていたが、本当に作動するか心配だった。家の前で、そろそろと壁などに接近するなどして作動を確認したかったが*1、万が一傷がつくといけないと言って家人が固く禁じていた。

(あわや追突)

 今回、計らずもその機能を確認できた。少し長くなるが状況を説明する。5日(日)に埼玉県の「越生梅林」の梅まつりを見物しにドライブした。片道約60km余りだが、混雑していて最後の4km余りに2時間近く要し、計約3時間運転した。4月上旬という気温で暖かかった中、往路はトラブル無しに乗り切り、梅林に1時間半ほどいて帰途についた。5分ほどでまた直ぐ渋滞が始まり、ストップアンドゴーのノロノロ運転になった。ついうとうとして、衝撃的な急停止で気が付き、前の車に追突したかと思った。前の車も止まっているので、運転手が降りてくるかと覚悟したら降りてこない。また何事もなくノロノロ運転が再開された。その時になって、これは自動ブレーキが作動したのだと気が付いた。次の駐車エリアで停まって前のバンパーをチェックしたが何ら異常はない。

 これで、かねて懸案の自動ブレーキ装置の実証ができたと私は内心喜んだ。今までは、自動ブレーキ装着ということで、運転している時にも何となく安心感があったが(確たる根拠は持てないまま)、それが実証された訳だ。たまたま翌6日の朝日新聞に、車の自動ブレーキが義務化される動きがあることが紹介されていて、自動ブレーキは現在ホットな話題のようだ。

2017/3/6 朝日新聞

車の自動ブレーキ、義務化されるって? (抜粋)

 メーカーに対する搭載の義務化に、国土交通省が動き始めた。社会問題になっている高齢ドライバーの事故を減らす効果が期待されている。大型のトラックやバスの新型車ではすでに義務化されている。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12827636.html

 

 高齢者対策の観点で、まさに私向けだ。5日の事故は大したものではなく、仮に自動ブレーキ機能が無くても前車に低速度で追突するだけだ。人身事故になりようがなく、保険会社を煩わせて、我が家の車の保険料が高くなる程度だ。しかし、居眠り運転は、下手したら大事故につながる。作動確認できたからと喜んでいるだけには行かない。以下、自動ブレーキ等の衝突回避装置について簡単に説明する。

(我が家の自動ブレーキ)

 今回の車は、2年前の6月に買った車で、やや古い。自動ブレーキ一般について、自動車メーカーなどでは、「自動ブレーキ」ではなく、慎重に「衝突被害軽減ブレーキ」と呼んでいる。ネットで見ても、作動速度や作動対象など多彩で、比較が難しい。我が家の場合も、時速2-3km程度で急停止してくれたことは理解できたが、その機能の全貌は今でもよく判らない。

(ACC)

 自動ブレーキ以外の衝突回避機能としては、AAC(Adaptive Cruise Control)が装備されていて、よく使っている。これは、車間距離を一定に保ちつつ、定速走行(もちろん上限速度)をしてくれる機能だ。例えば、時速90kmとセットすれば、前車がいる場合その間の距離を一定に保ち、前車がいない場合時速90kmで走る。

 「アダプティブ」の無い「クルーズコントロール」という機能は30年ぐらい前からあり、これは時速100kmに設定すればその速度で走ってくれる。学生時代に先生が授業の雑談で、米国へ留学していた時にドライブしていた時の想い出を紹介してくれた。とにかく広い国土をドライブしている時にアクセルを踏んでいる足が疲れるので、アクセルペダルの上に何かを置いていたとのことだ。その後、私が30年ほど前、米国に赴任した時に購入した車には、クルーズコントロールの機能があり、アクセルペダルの上に石を置く必要もなく、高速道路で重宝した。帰国した後の日本の車でもクルーズコントロール機能はあったが、一定速度で走らせるだけなので、混雑している日本の高速道路では、直ぐ前車との距離が縮まり、絶えずリセットしなければいけないので、あまり利用価値はなかった。

 最近のACCは、前述のように前車との間隔も自動調整する。すなわち、(速度<設定速度)かつ(前車との間隔<一定間隔*2 )となっている。これがどれだけ便利かというと、a)前車にぶつからない、b)速度を出し過ぎない、c)前車との間隔が開いても一定速度は出していけるということだ。高速道路運転時のアクセル、ブレーキ操作で気を遣うことは、a)前車にぶつけない、b)スピードを出し過ぎない、c)遅くなり過ぎない、だろう。b)、c)を守るには速度計を絶えず見て、アクセルを微調整する必要があり、これが結構疲れる(私には)。ACCにより、前後の調整は気にする必要が無くなって、左右方向の車線維持・変更にだけ注力すればよくなった。

 高速道路だけでなく、気分が向けば、一般道でも、設定速度を落してACCを利用する場合がある。混雑している場合など、ブレーキを踏まなくても停まってくれ、前車が動き出せばそれに合わせて動いてくれる。ただし、注意すべきは、a)前車がいないとき、赤信号では自分でブレーキを踏まなければいけない、b)交差点で前車が右左折していなくなると、設定速度まで(急)加速することだ。山道の下り坂でも時々ACCを試している。エンジンブレーキと比較した利点は、前車がいてもブレーキを踏む必要がない、前車がいなくなるとある程度のスピードを出してくれること。しかし、ある程度の慣れが必要なので、一般の人には勧めない。なお、自動ブレーキは常に作動するが、ACCは設定しないと作動しない。

 我が家の車は家人の所有だが、家人はこのACC機能は使わない。私のACC運転をおっかなびっくり見ているだけだ。

(今後の反省)

 5日の越生梅林での事件の際、家人は助手席で少しうとうとしていて、急停止については、居眠り運転から私が幸い気が付いて、急ブレーキをかけたと思い込んでいた。1時間ほど経ってから、実は居眠り運転のまま自動ブレーキのお蔭で停まったとカミングアウトしたら、絶句した。

 今回は、往路での長時間のノロノロ運転の疲れも残っていてのトラブルだ*3。今後は反省して、眠けを覚えたら我慢せず正直に申告して、休憩し仮眠することを家人と申し合わせた。

(自動運転車の前に)

 自動運転車の開発動向については2015年の11月の弊ブログ自動運転の未来」id:oginos:20151130) で紹介した。ほぼ2020年の普及を目指し、日米欧の官民が開発競争している。そのブログの中で、トヨタ自動車は、無人運転には否定的で、機械が運転手を支援する「Teammate Driving」の概念を提唱していることを紹介した。しかし、その後今ではトヨタ無人運転にのめり込んでいる。

 2020年に我が家が運転しているか、(高価な)自動運転車を購入する余裕があるかは問題だが、次の車は、現在の我が家の車の機能(自動ブレーキ、ACC、後方カメラ)にプラスして、次の機能がある車を運転したい。リーズナブルな価格であることが前提だが、機能としては何れも既に実装している車が販売されているようだ。

  • 車線逸脱警報ないし防止、車線中央キープ機能
  • 前後だけでなく、左右方向への衝突回避機能
  • 自動車庫入れ
  • 前方カメラ(西日、濃霧等でも視認可能)
  • 側方カメラ(並走車両の警告)*4
  • ドライバーモニター(運転手居眠り運転への警告)
  • 誤発進、急発進防止

*1:更に、細い電信柱でも停まるか、低い障壁(10数cmなど)だとどうか、人体を認識するかなど確かめたいことは幾つかあった。ディーラーは細かいことは知らないようで、取扱説明書にも書いてない。どれくらいの速度なら何mで停まるかなども問題だが、この速度について自分で確かめるのは流石に怖い。

*2:速度により自動的に設定されているようだ

*3:実は3年ほど前に、私は居眠り運転をしていて危ないことがあった。それ以来家人から私には運転禁止令が出ている。しかし、何故か長距離ドライブの時だけ、私に運転の依頼が来る。

*4:前方カメラ、後方カメラと併せて、ミラーレスの車が可能

2017/03/02 (木)

[] 映画3本

 今週、映画を3本観た。通常は1月に1本観るか観ないかの私としては珍しい。

a) 観た日は2/27(月)於新宿武蔵野館 「スプリング、ハズ、カム」(封切は2月18日) 

http://springhascome.xyz/ 

b) 観た日3/1(水)於テアトル新宿 バンコクナイツ(封切2月25日) 

http://www.bangkok-nites.asia/ 

c) 観た日3/2(木)於二子玉川109シネマ 「ラ・ラ・ランド」(封切2月24日)

http://gaga.ne.jp/lalaland/ 

 何れも新聞、週刊誌の映画評などで高い評価を得ていたものだ。以下、若干の感想。

a)の「スプリング、ハズ、カム」は、私の広域散歩圏内にある小田急線祖師ヶ谷大蔵駅の周囲が舞台だというので、先ず関心を持った。広島に住むシングルファーザー父親と娘が主役で、娘が東京の大学に合格した。父娘が2月末にアパートの下見に上京して祖師ヶ谷大蔵駅周辺の商店街等を廻る1日が舞台だ。父娘間の思いやりをベースに、ほのぼの感漂う感じで、観たくなった。

 観た感想は、やはり、事件らしい出来事は全く起らず、ほんわか感が残るだけだが、満足した。ただ、観客数が2割ぐらいで少なく、終了後に監督(吉野竜平)が舞台で挨拶していたが、少々寂しかった。

 当初の封切館は、東京では新宿の「武蔵野館」だけだったが、1週間後の2/25に、「渋谷ユーロスペース」という映画館でも上映を始めた。「映画.com」で上映館を見ると、東京のこの2館以外は、千葉ニュータウン四国今治市だけだ(2月末にアクセス)。

b)の「バンコクナイツは、日経新聞の映画評で星5つ(今年有数の傑作)の最高級の評価で、評者は次のように絶賛している。ちなみに、舞台は殆どタイ(バンコクラオスとの国境に近いノーンカーイ)で、女性主人公もタイ人(多分)だが、日本映画だ。

2017/2/24付 日本経済新聞 夕刊

 本年初頭を飾る日本映画の傑作。いや、日本という枠を易々と越えるスケールの大きさがすばらしい。しかも、フットワークは信じられないほど軽快だ。映画をDVD化しない創作集団・空族(くぞく)の作品なので、ぜひ映画館で、お見逃しなく。

(以下略)

 「映画.com」で上映館を検索すると、(全国ベースで)「テアトル新宿」と横浜市の無名の(私には)映画館しかない(http://eiga.com/movie/82941/theater/ 2月末にアクセス。上映館は今後増えるだろう)。3時間2分と上映時間は長い。そのためか、通常1100円のシニア料金(60歳以上)でも1500円と高い(新宿の場合)。

 映画館に入ると、平日の午後(3時50分スタート)というのにほぼ満席だ。ちなみにロビーでは、「12時20分開始の回は、立見席しかありません」という貼り紙が残っていた。大変な人気で、本年初頭を飾る傑作への期待が高まる。

 しかし、見終った感想は、ピンと来なかった*1。私には理解できない映画で、また正直言って面白くなかった。若い人達にとって本年有数の傑作であっても、私にはそれを受ける感受性が無くなってきたのではないかということで、年齢を感じた。聞き取れないセリフもあったし。

 理解できなかったことで1ついうと、最後から10分ほど前に、男性主人公が拳銃をヤミの店で買う場面が2-3分ぐらい続いた。しかし、その拳銃を実際に使うのか、使ったのか判らず、とにかく意味が判らない。また、タイに詳しい人には懐かしい映画かも知れない。バンコクだけでなく、田舎の風景もたっぷりだ。

 とにかく3時間は長く、甚だしく疲れた。家人を連れて行かなくてよかった。終生グチられることとなったろう。

c)の「ラ・ラ・ランド」は、アカデミー賞各部門を独占するかとの前評判だったが、2/26の発表では、メインの作品賞が別の「ムーンライト」に決った。これはトランプ大統領の移民政策へのハリウッドの抵抗を示したものとのことだ*2。しかし、6部門で受賞したとのことだ。ちなみにa)とb)は、上映館が少なかったが、ラ・ラ・ランドはもっと多い。

 「スプリング…」はほのぼの感だけ、「バンコク…」は理解できずということで、口直しならぬ、眼直し、耳直しの面で、このミュージカルには期待した。女優を目指すヒロイン(エマ・ストーン)とジャズ・クラブの経営を目指す男主人公(ライアン・ゴズリング)という夢を追う2人のラブ・ストーリーとの触れ込みだ。単純そうなストーリーだし、久しぶりに良質のミュージカルを観たくなった。家人が、アカデミー賞の受賞が決まった後では予約しにくくなるかも知れないと言い出し、早めに予約。1週間に3回も映画館に行くことになった次第だ。

 感想としては、ハリウッド映画はやはり安心して楽しめる。ストーリーに深みはないが、ジャズ演奏と踊りが楽しい。ただ、結末は予想外だった。

*1:余談だが、遠い独身時代に、あるコラムで読んだ処世訓がある。上司等気を遣う人からの紹介で「見合い」をした後、断りたいときは、余計なことを言わず、「いい人でしたが、ピンと来ませんでした」ぐらいがいいという。この場合間違っても「ピンと来る所が無かった」とは言ってはいけない。後者は、相手にいい所が無いという意味になるが、前者だと、相手は素晴らしい人だが、それが判らない自分の方に問題があるという意味になるからだという。本当かなと思っていた。

*2:昨年までのアカデミー賞には、「白すぎオスカー」(受賞者が白人ばかり)との批判があったことを踏まえ、今回はトランプ大統領の政策への批判を込めたとの説。詳細略