Hatena::ブログ(Diary)

踰矩ブログ(耳不順を改め) RSSフィード

 2016年の新年に当り、弊ブログのタイトルを変えることとした。論語の「70にして心の欲する所に従い矩を踰えず(のりをこえず)」をもじり、矩を踰える趣旨で「踰矩」ブログに変える。音読みで「ゆく」、訓読みで「のりこえ」と読んでほしい。今までの「耳不順ブログ」にもそれなりに愛着があり、また、継承関係を示す意味で、「踰矩ブログ(耳不順を改め)」とかっこを付けた。  趣旨の詳細は、2016年1月1日付けの記事で説明してあるが、要するに、長いサラリーマン生活を終え、60歳、70歳になって気ままに過したいということだ。
 本ブログは、2006年頃から非公開で書き溜めていたものを2010年に公開し、その後諸事に関する私の雑感を綴ってきた。タイトルの「耳不順」、「踰矩」に従い、偏った視点でと思ってきたが、そのことより、長い、くどい、話題が固いと評判が悪い。
 本ブログにコメントが寄せられても、有難いことだが、かねての方針通り、原則として耳を傾けない(順わず)こととします。マナー違反にご容赦のほどを。(2016年1月記)
 似顔絵の経緯は、2011年12月11日のブログを参照。 [累計アクセス数統計については、2017年8月7日以降、はてなダイアリーのカウンターサービスが廃止となった。]

2018/05/01 (火)

[] 先進白内障手術

1) 白内障手術の本

 白内障は、加齢に応じて進行し、そのうち手術を勧められる。私もそうで、眼医者からは、近いうちに必要と言われている。白内障手術については、驚くほど眼が見えるようになったと喜んでいる友人と、少数派ながら芳しくないと悔んでいる近親者がいる。それで、図書館白内障手術への反対派と推進派と思われる本を2冊予約した。

A) 平松類他「その白内障手術、待った! ―受ける前に知っておくこと 治療のウソ&ホント」(時事通信社2016年7月)

B) 山崎健一朗「人生が変わる白内障手術」(幻冬舎2017年1月)

 予約状況により、A)の方が先に入手できたが、タイトルとは違って、それほど白内障手術の危険を告発している訳ではない。できる限り手術を避けるための目にいい食事生活などの勧めと手術に関する知識を伝えるもので、それほどインパクトがある内容ではなかった。それで、もう1冊のB)の方は、入手が1月以上遅れていたが、それほど期待していなかった。しかし、入手して驚いた。

 山崎医師(Bの著者)の推奨する「プレミアム白内障手術」(本稿では「先進白内障手術」という)は、「多焦点眼内レンズ」という特殊なレンズを用いるものだが、老眼、近視を一度に改善できるという。2回私なりに精読して、受けようとの気持になってきた。本来は私が手術を受けてからその結果を報告すべきだが、後述の事情が出てきて当面できなくなった。図書館の本は当然返却しなければいけないので、内容をメモしておいた。そのメモが無駄になるのも悔しいので、この時点で報告する。以下、2)先進白内障手術の概要、3)私の見た夢、4)医者の見立てを紹介する。約5000文字とやや長いがご容赦を。

2) 先進白内障手術の概要

(多焦点眼内レンズ)

 白内障とは、眼球前部の角膜の後にある水晶体が白濁していくことにより見えにくくなるもので、その究極の治療法は、水晶体を除去し替りにレンズを挿入する手術だ。従来の白内障手術はこのレンズが単焦点であるため、一定の距離しかピントが合わず、それより遠方や近方についてはぼやけたままか眼鏡を使う必要がある。このレンズを多焦点にして遠近両方を見るようにするのが多焦点眼内レンズだ。

 3焦点のものも実用化されているが、2焦点レンズを例にとって説明する。2焦点レンズは、光の回折現象の原理を応用して2点に像を結ぶ *1。遠距離の物体は、レンズから例えば20mm(a)と21mm(b)の位置に像を結び、網膜が21mmの位置にあればbの像にピントが合う。近距離の物体は例えば21mm(c)と22mm(d)の位置に像を結び、21mmの距離にある網膜はcの像にピントが合う。この事情を明解に説明した図がウェブ上ではなかなか見当らないので、拙いが自分で図を描いてみた。

f:id:oginos:20180501170554j:image

 遠方と近方との間、又はそれ以遠、以近の物体については、もちろんピントが完全に合わないが、相当見やすいそうだ。山崎著では、この見やすさを示すグラフが紹介されている。

 そのグラフを撮った次の写真は、私の下手さのため甚だ見にくくて恐縮だが*2、3種類のレンズのピントの合い具合がグラフ化されている。横軸は眼球からの距離で、左方が遠方、右方が近方だ。縦軸はピントの状況で、上の方が見やすいことを表わす。左から1本目のグラフは、左方に山があり、右斜め下方に向う曲線で、単焦点のレンズだ(a)。2焦点レンズのグラフは2本あり、1本目は、遠方とレンズから50-40cmの所にピントが合う(b)。2本目は遠方と30cmの所にピントが合うもので、1番右の曲線だ(c)。(b)は、近距離(30cm以下)の見え方が落ちるが、60-70cm辺りの見え方が相当いい。(c)は、近距離は相当見えるが、60cm辺りの落込みが相当大きいように見える。3焦点レンズだとこれが改善される(乱視の補正もできるとのこと)。多焦点レンズをどのように選ぼうか、これからの問題だ。

f:id:oginos:20180427055545j:image

 

(フェムトセカンドレーザー手術)

 もう1つ著者(山崎)が推奨しているのは、「フェムトセカンド(秒)レーザー手術」だ。フェムトとは、国際単位系(SI)で、1000兆分の1(10のマイナス15乗)のこと、セカンドは秒で、1000兆分の1秒のパルス幅のレーザーを使う手術のことだ。パルス幅が短くなることにより、高エネルギーが集中できるということらしい。レーザーと言えば私としては、その種類(ガスか個体か半導体か、など)や波長が気になるが、ウェブを見ても余り判らない。

 通常の白内障手術では、メスを用いてa)(前部にある)角膜の切開、b)(水晶体)前嚢切開、c)超音波棒を挿入して超音波による水晶体破砕、乳化、吸引、d)眼内レンズの挿入、設置、という手順で進む。

 これに対し、フェムト秒レーザー手術では、先ずb)(レーザーによる)(水晶体)前嚢切開、c)(レーザーによる)水晶体核破砕、a) (レーザーによる)角膜切開、c')(超音波による)乳化吸引、d)(多焦点)眼内レンズの挿入、と順番が異なる。メスは使わず、レーザーによる切開は小さくて場所も正確とのことだ。高精度が要求される多焦点眼内レンズ手術を実現するにはフェムト秒レーザーが不可欠という。

(QOV)

 私が感銘を受けたのは、著者のいう「QOV(Quality of Vision)」という概念だ。医療福祉の分野で近年目標とされている「QOL(Quality of Life、生活の質、生命の質)」に対応する、「見え方の質」だ。著者いわく、「視力検査の結果の数値だけでなく、生活の便利さや豊かさにつながる見え方の質を重視していく」ことに多焦点眼内レンズは貢献する。

 確かに、私のQOVの現状は、眼鏡を2つ持っていて掛け替えに忙しい、などミゼラブルだ。眼鏡の1つ(A)は、3-5mほどの距離にピントが合う(一応、遠中両用眼鏡)。テレビ視聴用が主で、遠距離は多少犠牲にしている*3。もう1つの眼鏡(B)は、50cmほどの距離で、パソコン用だ。本、スマホを見るときは、強い近視のため20-30cmの距離で裸眼だ。通常はAを着用しているが、パソコンを見るときはBに掛け替え、本、スマホでは裸眼に、と忙しい。電車、バスの中で本を読むときも眼鏡Aを外して裸眼だ。外した眼鏡の置き場所として従来は手に持ったり、胸ポケットに挟んだりしていたが、最近は100円ショップで買った眼鏡ストラップを使い、首からぶら下げる。だから眼鏡Aは常時ストラップを付けた状況で、外見は余りよくないが便利さには替えられない。

 車の運転の時も困る。眼鏡A着用だが、カーナビは50-60cmの距離にあって多少不便。瞬時に眼鏡Bに掛け替えるのは不可能だ。また、足の爪を切る時も難儀する。本当は20-30cmの距離に足を近づけてよく見たいが、ヨガでも習わないと不可能で、たまに足指を軽く削いだりする(ただ、この足爪の問題は、多焦点眼内レンズになれば解決するのか、まだ解らない)。

 2焦点眼内レンズではどうなるか。仮に40cmと4-5mの2焦点にすると、現在のA、Bの眼鏡は不要になる。必要ならば本、スマホ用に新たに30cm程度にピントが合う眼鏡(C)を購入すればいい(不要かも知れない)。QOVは画期的に向上する。

(先進医療)

 多焦点眼内レンズの手術は「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」という名称で、厚生労働省の指定する「先進医療技術」に指定されている。この「先進医療」とは、先進医療に係る費用は、全額患者の自己負担だが、それ以外の通常の治療と共通する部分には健康保険診療との併用を認めるとする、いわゆる「混合治療」の制度で、2004年に発足した。2018年4月現在で先進医療として91種類が指定されている。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/index.html 

 「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」は、2008年に先進医療に指定された。先進医療を実施する医療機関は、厚生労働省により認定され告示されている。

厚生労働省告示先進医療を実施している医療機関の一覧」

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html 

 多焦点眼内レンズを実施できる医療機関は、このウェブページの「先進医療A」の部の「番号14」の部に400機関以上列挙されている。

3) 私の見た夢

 多焦点眼内レンズというQOVを改善できる手術を知り、私の夢は膨らんだ。ただ、問題はコスト。健康保険適用外のため、高価だ。ウェブで調べると、両眼で50万円から80万円ぐらいの見当だ。すごく悩んだが、今後節約を図ることとしよう、今まで自分のためだけに金を遣ったことがどれだけあったか、ということで自分を納得させた。もう1つの悩みは、眼鏡を外したまぬけ面となることだ。50年前の紅顔の美少年の時代は去った。老いさらばえたしわ顔を人目にさらすのは恥しい。ダテ眼鏡でも掛けようかなどと、くだらないことも夢想した。

 私が眼鏡を掛けだしたのは、大学に入学して、大教室の授業が多くなってからだ。小教室であっても、不真面目な学生だった私は、教室の後ろからこそこそ入っていく人だったから、授業中は眼鏡を着用せざるを得なかった。外で遊んでいる時は眼鏡を付けていなかったが、卒業して勤めだしてからは常時眼鏡着用となった。その後、眼鏡の度数は進み、老眼も混じり出した。

 多焦点眼内レンズで、50年ぶりに眼鏡から解放されるかと思うと心が弾んだ。

4) 医者の見立て

 それで、4月下旬に、かねて予約していた定期検診(緑内障などの)を受けに行った。この病院は渋谷区神宮前にある割に大きい眼科専門病院だ。家人は、私とは別の先生だが、この病院で黄斑前膜と白内障の手術をしている。

 白内障も少し進んでいますねとの診察の後、恐る恐る多焦点眼内レンズでの白内障手術を考えてみたいが、と言い出したところ、緑内障があるから駄目ですとのご託宣だ。明解な拒否に少しショックを受けたが、これは話半分に聞かなければと思った。というのは、事前にウェブで見たところ、この病院はレーザー器械を所有していなく、上述の厚生労働省の多焦点眼内レンズ手術の認定医療機関のリストにも掲載されてない。そもそも多焦点眼内レンズには消極的なのだろう。それでも別の認定病院を紹介してくれるかと期待していたが駄目だった。終り際にもう一度聞いたが、緑内障だからとにべもない。

 帰宅してから、図書館への返却期限が1日過ぎた例の本をひっくり返した。確かに、糖尿病性網膜炎と、進行した緑内障は駄目だと書いてある。これらの病気だと眼のコントラスト感度が低く、暗い場所での視力が低下している。多焦点レンズでは暗い場所で見えにくくなる。従って、事前に精密検査して判断する必要があると書いてある(簡単に諦めてはいけないとも書いてある)。

 家人の了解も取って、やや勇んで病院に出かけていたが、意欲がくじかれてがっかりした。対策としては、a)今の病院に再度話して精密検査を頼むか、b) 黙って病院を変えるか、などだが、どうも元気が出ない。また、c)別の病院のセカンドオピニオンを求めるべく今の病院に所要の手続きを頼むことも考えられるが、どうも踏み切れない。2か月後に定期検診の予約をしたので、それまで先延ばしすることにした。

*1:これは、一般に使われている遠近両用眼鏡の原理とは全く異なる。両用眼鏡(私も長く使っている)は、上部が遠方にピントが合い、下部が近方にピントが合う。遠方はいわば上目遣いに、近方は下目遣い(こういう言い方があるかは知らない)に見る訳だ。しかし、水晶体の替りの小さな眼内レンズは、常にレンズの全面を使うのでそのようなことはできない。

*2図書館に返却したので、撮り直しはできない。

*3:ただし、近年更に視力が弱まり、テレビの電子番組表(EPG)を見るときは近づいてみている。

2018/03/25 (日)

[] スマホ機種変更(6代目)

 1年半ぶりにスマホ機種変更した。2010年11月の日本での初代Androidの購入以来の6代目の機種。5代目は2016年10月に買った「isai vivid LGV32」(韓国LGエレクトロニクス)。前回の機種変更の経緯については、弊ブログ id:oginos:20161030スマホ機種変更(5代目)」を参照。

 今回の機種変更の理由は、isaiの電池の持ちと動きが極端に遅くなったことだ。このLG社のisai vivid は、私としては初めての外国製ということもあり、相性が悪かった気がする。それまで日本製ばかり使っていたのは、おサイフケータイが使えること(これはその後外国製も対応)とストラップ穴があることなどで、国産品愛好ということではなかった。しかし、LGのisaiは、購入後1年も経たない2017年8月に電車に乗っている間に画面が消え、その後全く動かなくなった。auショップに行くと、即故障と診断され、購入1年以内ということで無償交換となった。ということもあって、相性悪く感じていて、機会あれば買い替えたかった。

 今では機種変更は身辺雑事の類で、今回の機種変更にも面白い話は殆ど無い。機種カタログを見ても、昔なら心躍らせて新機能を見比べていたものだが、今では目新しいことは感じられない。結論から書くと、買い換えた機種は、ちょっと古い(2017年11月発売)、シャープAQUOS sense SHV40

 機種選定の経緯を少しだけ紹介する。ほしいと思える新機能の付いた機種が無いまま、音がいいと言われているソニーXPERIAにでもしようかと思ってショップに行った。すると9万7千円と高価なのでがっくりした。携帯ごときに9万円も出す気はもうしない。ストラップ穴も何故か無い。店員に、ストラップ穴が付いている機種は無いかと聞いたら、ショップ中探して、QUA phone(京セラ)しかないと言うので、また驚いた*1。一瞬このQUAにしようかと迷ったが、おサイフケータイ機能が無いということで、断念した。

 買ったAQUOS senseは3万2千円で、価格がリーズナブルというの(だけ?)が取り柄だ。AQUOSは、2年間使った4代目のAQUOS Serieと同じブランドで、懐かしい。バッテリーの持ちがよかったという記憶がある。

 新機種を使っている感想としては、ポケットから取り出す時や操作の時に、スマホを取り落とさないかとの不安に襲われる(精神医学では、不安症のうちの「限局性恐怖症」*2に該当しそうだ)。また、少し相性の合わなかったLGの方が使い勝手がよかったところも多かったと思い直し、懐かしく感じている。例えば、電話がかかってきた時に、前機種では耳に当てると自動的につながったが、新機種ではできない(ようだ)。着信音が鳴って慌てて操作したが、ロック解除のスワイプの方向が違っていて(前は右方向、今は上方向)、出られなかった。家にいたので直ぐ固定電話に掛かってきて実害はなかった。

*1:数か月前のテレビで、古い時代の携帯電話象徴として、引出し式のアンテナと並んでストラップが挙げられていたのを思い出した。手からの滑り落ちを防止するためのストラップは必要というのが私の考えで、家人もこの意見には同意しているが、今ではストラップを付けたい人は、ストラップ穴があるケースを装着するしかない。ただし、私はケースを付けるとポケットの中で少しかさばるので嫌だ。

*2閉所恐怖症高所恐怖症、ケガをすることや虫などを恐れる、など

2018/03/20 (火)

[] 新聞比較(毎日、朝日、日経)

 1年前に、永年購読していた日本経済新聞(日経)から朝日新聞に替えたことを弊ブログで紹介した。 id:oginos:20170216「新聞の変更」

 その後半年ほどしてから、毎日新聞に変更し、半年ほど経った。精読している訳ではないが、3紙(毎日、朝日、日経)の比較をしてみたい。テーマは散発的で、連載小説、段組、囲碁将棋、数独、電子版、広告だ。

〇 連載小説の掲載頁

 私は、永年日経の連載小説をほぼ欠かさず読んできていて、これが多くの新聞購読者に共通する習慣ないし常識だろうと思ってきた。しかし1年前に朝日新聞に替えてから、この習慣・常識は日経新聞購読者に限られるものだったのだと思い至った。理由は、日経の連載小説の掲載場所は、朝夕刊とも最終面で開きやすい。ところが朝日の場合、最終面は朝夕刊ともテレビ番組欄で、小説の掲載ページは毎日変わる。毎日新聞も同じ。

 日経時代の私の毎朝の日課は、先ず最終面の小説、プラスアルファを読み、次いで1面の主要記事などに移ることだった。家族で旅行に出る際には新聞販売所に取り置きを頼み、帰宅してからまとめて読んだが、大半は小説を読むためだ。

 毎日の場合を例にとると、小説の掲載ページは日によって異なり、第15ページから26ページまでばらばらだ(全32頁)。今では、先ず第1面の欄外にある目次を見て、小説のあるページを開く。それから1面に戻って他の記事を適宜読み進んでいく。

 小説については、日経、毎日とも朝夕刊それぞれにある。ところが、朝日の夕刊には無い。新聞小説をよく読んでいるという知人に聞いたら、朝日の夕刊小説は、週に1回1ページ大で出るという。確かに金曜日の途中ページに出ている。2-3週間読んでみたが、あまり面白くなかったせいか、曜日を忘れて読むのを失念したりして、読まなくなった*1

 朝日の朝刊の小説は、過去の習慣で1年前の買い替え時から読み始めた。しかし、相性が悪く、面白くなかった。半年後に毎日に替えた際に抵抗が無かった理由だ。今の毎日の連載小説は、朝刊が高村薫の「我らが少女A」、夕刊が石田衣良の「炎のなかへ」で、両方とも面白い。今度別の新聞に替えるとしたら替え時が難しいかと今から悩んでいる。

〇 最終面

 朝日、毎日の最終面は、テレビ番組欄という伝統的なスタイルだがこれでいいかと疑問に思う。というのは、現在ではテレビ番組表が、ワンタッチでテレビ画面で見られる。新聞のテレビ番組欄の価値は低下していると思う。

 新聞の最終面は、開きやすさの点で第1面に続く価値がある第1級のスペースだ。読者に伝えたい内容を盛った特色あるページとすることがいいと思う。その意味で日経の最終面は高く評価する。同面は、前述の連載小説のほか、基本的に文化欄だ*2。いわゆる文化評論の他、毎日掲載されるコラムが2つある。有名な「私の履歴書」と「交遊抄」で、私も愛読していた。

 平昌冬季オリンピックの期間中、毎日新聞朝刊の最終面は、全面で日本の代表選手の紹介を行っていて、これは1つの試みとして評価できる。ただしオリンピックが終ると、またテレビ番組欄に戻った。パラリンピックが始まっても選手紹介は無く、番組欄のままだ。

 ただ、最終面の第1級の価値を利用して全面広告に使うのは止めてほしい。読者ファーストが重要だ。

〇 段組

 私が日経に抱いていた不満の第1が、頁の段組が15段のため、2つ折りにすると8段目が折り目にかかり読めないということだった。朝日、毎日は12段だからいい。更に、活字のポイントが少し大きくて高齢者には優しい。

 という触れ込みで、朝日はその通りだが、毎日は少し違うところがある。12段組は1ページから3ページ目までだけで、それ以降のページは従来のままの15段組だ。しかも活字のポイントは大きいままなので、1行当りの文字数が少なく、少し読みづらい。

 朝日についても問題がある。ページの余白が日によって異なることがあって、6段目の最後の1-2字目(又は7段目の最初の1-2字目)が折り目にかかって読みにくい時がある。印刷機の問題だろうが、がっかりする。

囲碁将棋

 かつて日経囲碁将棋*3は夕刊で、帰宅後の暇つぶしにはよかった。朝刊に移った時はがっかりした。朝の忙しい時間にゆっくり棋譜を追うのは辛い。朝日、毎日は、伝統的に朝刊だ。毎日だけは夕刊にも囲碁将棋欄がある。ただ、朝刊と異なり盤面が小さく見づらい。10年ほど前から、私は囲碁将棋が難しくなって囲碁将棋欄は殆ど読んでいないがたまに見ることがある。

 毎日の朝刊と夕刊の囲碁将棋欄は、別の棋戦を続けて載せているが、1度違ったことがあってびっくりした。たまたま興味深い局面があって、出ていた朝刊の前後日版を見たがどうもおかしい。不連続だ。よく調べたら、夕刊に出ていたので、驚いた。何の断りも無い。連載をフォローしている読者に対してルール違反ではなかろうか。その後見ていても、このような朝夕刊にまたがる事例は無さそうだ。

〇 毎日の数独

 日経、朝日、毎日とも、土曜日に1ページほどパズル特集のページがあり、その中で数独はよく採り上げられている。それとは別に毎日だけ、毎日(週7日の意)数独の問題が出ている。しかも朝夕刊両方にだ。小説と違い場所も決っていて、朝刊は最終面から3ページ目、夕刊は1面と固定されていて探しやすい。最高のポジションだ。

 毎日(新聞)の数独は、初級と中級と区分が書かれていて、私が解ける時間は、初級では10数分、中級では20数分から1時間ぐらい。問題は所要時間が不確定で、かつ途中で止めにくいことだ。忙しい朝の時間を数独に挑戦する人がいるのだろうか。毎朝出勤する現役のサラリーマンにとって、朝の数独は、囲碁将棋の棋譜と同じく迷惑だろう。私は暇だからいいが、それでも朝夕数独で時間をつぶしていると家人から冷たい目で見られる。1日1回以下に自制している。

 それに毎日の数独の盤面は小さくて、メモが書きにくい(私は候補の数字を沢山書き込むので、小さいと苦しい)。別紙に問題を大きく転写するか、拡大コピーをしないと大変だ(私はその手間が面倒なので大変)。

〇 電子版

 新聞のデジタル版(電子版)については、新聞社により異なるが4種類に整理できよう。

a)新聞購読に月1000円程度プラスしての有料サービス、b)新聞購読無しの有料会員サービス(月4000円弱程度。新聞購読より若干安い)、c)無料会員登録サービス、d)誰でも読めるオープンなウェブページ

 デジタル版のサービスは、a)とb)がフルサービスで、それ以下は、読める記事の数、サービスの内容等で、低下する。私は、購読している新聞についてはa)のフルサービスを利用してきた。現在の購読新聞は毎日なのでa)だが、毎日は無料だ。

 購読を止めた日経、朝日については、c)の無料会員登録サービスを利用している(ちなみに、読売新聞はb)、c)が無いようだ)。無料である分、全文読める記事の数が甚だ少なく、殆どが有料会員限定記事で、冒頭200文字程度しか読めない。登録無料会員にはサービスがあり、日経は月10記事、朝日新聞は銀鍵印記事*4を1日1本読める。

 デジタル版のサービス内容は日経が最高だと思う(http://dsquare.nikkei.com/ )。記事検索、クリッピング(保存)、多様なメールサービスも素晴らしいが、基本的に記事数が多い。上述のウェブページによれば、1日300本の新聞の記事数に加え、電子版オリジナルの記事が600本あるとのことだ。これは、日経新聞社グループの、日経ビジネス日経パソコンなど多数の雑誌を発行している日経BP社の協力を得ているからだ。私は、メールサービスで産業、テクノロジーメディカル関係のものを多く申し込んでいたが(無料のもの)、あまり多いので食傷し、今では整理を始めた。しかし、最近、日経でナショナルジオグラフィック関係のメルマガを見つけて申し込んだ。

 朝日新聞デジタルも、系列の週刊朝日アエラの記事を掲載すればその価値は高まろう。新聞の記事をネット化しただけでは、便利だがやや魅力に乏しい。

〇 広告

 朝日は、広告が多いとの印象だ。3月に入り、朝日の販売店から、試読ということで1週間の無料配達があった。それで、全面広告のページ数を比較してみた。ここで「正味頁」とは全面広告でないページということで、部分広告は多く含まれている。

毎日新聞と、朝日新聞の正味頁数比較

2018年3月のある5日間の両紙の朝刊(土曜版等の別刷り冊子分を除く)における全面広告の頁数とそれを差し引いた正味頁数

月日 毎日新聞 朝日新聞
全頁数全面広告頁数正味頁数全頁数全面広告頁数正味頁数
3/7(水)32725401129
3/8(木)32725401129
3/9(金)32626401327
3/10(土)32725401228
3/11(日)32527401426

 この間の全頁数は、たまたま毎日が32頁、朝日が40頁と一定しているが、時に増減している*5 。コメントしたいのは、全頁数では32と40とで8頁の差があるが、全面広告のページを除いた正味頁数ではその差は縮小する。3月11日の正味頁数は毎日の方が多い。

 これでの感想は、毎日は広告が少なくて可哀想だということだ。よく頑張っていると思う。

*1津村記久子「ディス・イズ・ザ・デイ」今も連載されているようだ。

*2日経のテレビ番組欄は途中のページにある。

*3:本稿では、棋戦の棋譜を連載するものを言う。この他に詰将棋欄、解説等、棋戦の連載でない囲碁将棋欄もある。

*4朝日新聞デジタルは、限定記事を2種類に分類し、金鍵印、銀鍵印を付けている。金鍵印の記事は有料会員でないと読めない。

*5:ちなみに、日経は日ごとの総頁数が40頁を基準としてよく上下する。たまたま手元にあった古い日経では全ページ数44、全面広告のページ数14。