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2007-10-28

LeopardにおけるJIS X 0213:2004(2004JIS)対応

それはともかく、iBookLeopardをインストールしたので、取り急ぎ2004JIS対応についてお伝えしたい。とにかくインストールしたばかりなので、まだ十分には確認できない事情はご了解されたい。



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  • ヒラギノフォントは90JIS対応の「Pro」と、2004JIS対応の「ProN」の両方がインストールされる(ただし角ゴW8 Stdに対してはStdN)。
  • PagesやKeynote、Numbers、iPhoto等のアップル純正アプリで、デフォルトフォントがProNになるということは、今のところ確認できていない。上書きインストールをしたのだが、この場合インストール前の設定が保存される。これらのアプリのうちKeynote、Numbersはインストール後Leopardで初めて起動したのだが、デフォルトフォントはProNにはなっていなかった。
  • 上が事実であるとすれば、かつてのマイクロソフトがとった方法と比べ、とても常識的で穏健な対応の方法といえる。ユーザーは90JISと2004JISのいずれかを強制されたりせず、自分の意志により選択できる。
  • ただし、多くのユーザーが2004JISとは何かをあまり知らない状況下で、ほとんど同じに見えるフォントが何の説明もなく同居している状況は、かえって混乱の元にならないだろうか。
  • 事情を知らないユーザーの「どっちを使えばいいの」という疑問に、それぞれの用途をきちんと示して誘導する工夫が求められるのではないだろうか。
  • 不思議なのはProNフォントのグリフセット。Adobe-Japan1-5ではない。かといって1-6フルセットでもない。これはなんなんだ?

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  • システムの文字パレット「グリフ一覧」をみると、1-5の範囲である20316より後もグリフが埋まっている。その意味では1-6だ。
  • しかし、1-6の仕様書と上のキャプチャを比較して見てもらいたいのだが、この並び方は1-6そのものではない。たとえば上では「20320」にあるかのように見える漢字は、仕様書では「22920」であり、チップも同じCID値を示している。
  • 1-6は「23057」まである。その意味でも、これは1-6そのものではない。つまり1-6を部分的にサポートしたものと思われる。
  • ごめんなさい、ここらへんが今日の限界。どなたか詳しい方の後続のレポートを待つ。直井さんとか。

えむけいえむけい 2007/10/29 11:10 Adobe Japan1-5Nと呼ばれるグリフセットだと思います。
http://www.fontworks.com/new/news/2007/070205.html
1-5に対して追加された8つのグリフは
http://www.adobe.com/jp/support/winvista/pdfs/JIS2004_Comparison.pdf
の番号170〜177と同じです。つまりUniJIS2004 CMapの実装に必要な最低限のグリフのみをAdobe Japan1-5に追加したものと推測されます。
でもAdobeから資料が公表されていないのはどういうことなんでしょうか。

ogwataogwata 2007/10/29 12:00 えむけいさん、どうもいつもありがとうございます。
そうでしたか! ぼくは今までAJ1-5Nというのはcmapの別称のように誤解していました。これは1-6のサブセットなのですね。
それでもまだよく分からないことがありますね。
1-6の仕様書を読むと、”JIS X 0213:2004 Coverage” として追加されているのは21072〜21074の3つのみ。一方でLeopardのヒラギノProNは本エントリのキャプチャでも分かるとおり、22920までグリフを割り当てています。これは1-6仕様書によれば、”JIS X 0212-1990 Coverage” として追加されているものです。
どうもまだまだ分からないことがたくさんある。アドビには資料公開を強く希望したいです。

きだきだ 2007/10/29 14:35 ogwata さんこんにちは。

JIS2004の例示字形対応フォントはすべて Adobe-Japan1-6 のサブセットフォントとなります。

例えばAJ15ベースの Pr5N (ヒラギノは ProN)の場合、えむけいさんが指摘されたように8つのグリフがAJ16範囲から追加になります。しかるに、ogwata さんが指摘されたように JIS X0213:2004例示に対応してAJ16に加えられたグリフは21072〜21074の3つです。残りの5つは何者かというと、これらは X0213:2000に含まれる文字で、2004での例示の変更の対象ではないけれど、既存の字形が例示と微妙に違ったので例示と一致する字形を改めて作った、というものです。ま、ヒラギノの場合そこまで細かい差は書体デザイナーの領域、ということで区別しません。

AJ13ベースの StdN は、単に字形の対応だけではなく、基本セットとして人名漢字をカバーするようにしましたので、144グリフの追加になります。

ちなみに AJ1-5N / AJ1-6N なるものや用語は私の知る限り存在しません。JIS2004対応は cmap の変更によって行われるのであって、CID とグリフの対応は安定です。AJ1-5N という言葉は、AJ15フルセット+JIS2004対応のための8グリフを指す、と再定義すれば便利かもしれませんが、AJ1-6N なる言い方は技術的に間違っています。

たかはしたかはし 2007/10/29 14:41 >上書きインストールをしたのだが、この場合インストール前の設定が保存される。
アプリケーションの設定は、通常ユーザーの~/Library/Preferencesの下に保存されますので、本来の「新規」状態を試したい場合には新たなアカウントを作成して試すとよいです。

ogwataogwata 2007/10/29 14:46 きださん、貴重な情報の提供、心から感謝いたします。そうですね、ぼくもずっと1-5Nという言葉は引っかかっていました。ご教示にしたがい検証してみようと思います。
たかはしさん、たしかにそうですね。試してみます。お教えありがとうございます。

えむけいえむけい 2007/10/29 15:52 AJ1-5Nと1-6Nについてはフォントワークスのページの曖昧な情報しか知らなかったので撤回しますが、他の部分についてきださんの説明は正確ではありません。
CID21072〜21074以外の5つはJIS X 0212-1990の例示字形用に作ったけど、改めて調べてみたらそっちのほうがJIS2000/JIS2004の例示字形にも近かったというものです。
http://www.jisc.go.jp/newstopics/2005/040220kanjicode.pdf
などを見れば明らかですが、CID21072〜21074もJIS2004での例示の変更対象ではありません。これらこそ「例示と一致する字形を改めて作った」と言うべきでしょう。
残りの5つが当初JIS2004の例示に一致させるために作られたのでない証拠として、
http://examples.oreilly.de/english_examples/nutshell/cjkv/adobe/
のaj16.tar.Zに含まれるUniJIS2004 CMapとUniJIS CMapでは8字形すべてが変更されますが、それより日付の古いjisx0212-all.txtとjisx0213-all.txtによると’jp04’で字形が切り替わるのはCIS21072〜21074の3つだけで、残りの5つは’hojo’でなければ切り替わらないということが挙げられます。

きだきだ 2007/10/29 17:53 はい。経緯について、えむけいさんの説明が真実に近いと想像します。これらのグリフに関する記述が Technical Note 5078 の 195-196 ページと JIS2004_Comparison.pdf で矛盾しているのはなぜかを説明できます。おそらく #5078 は「日付の古い」状態なのでしょう。私はこれら5つのグリフにまつわる経緯を知っている訳ではないので、「違ったので…作った」と因果のごとくの説明をしたのは misleading でした。ペコリ。:)

えむけいえむけい 2007/10/31 00:08 某所でこんな文書があることを教えていただきました。
http://www.adobe.com/cfusion/search/index.cfm?loc=ja&term=%22Adobe%20Japan%201-6N%22
> Adobe Japan 1-6N:JIS2004 対応のフォントを合成フォントとして適用すると、JIS2004 の字形が採用 されません。[1538238]
撤回は少し早まったかも。

ogwataogwata 2007/10/31 01:12 きださんは大元の「当事者」です。

えむけいえむけい 2007/11/02 16:27 当事者が書いているから正しいとは限りません。本人の記憶違いや勘違いもあり得ますし、そもそも本人という保証すらありませんし。だから安岡さんはシフトJISの制定者に関して古川説に異議を唱えているのではないのですか。
アップルの中の人がShift_JISX0213コンバータを表立って使っているところはないと言ってたこともありました。
http://www2.xml.gr.jp/log.html?MLID=xmlmoji&N=1506
某所からの追加情報
http://www.morisawa.co.jp/morisawanews/
Adobeを含む複数のフォントメーカーのサイトに記述がある以上(まさかAdobeは当事者じゃないなんて言いませんよね)、こんなブログのコメント欄の片隅で何言っても信用するに値しないので大日本スクリーンかアップルのサイト上で言っていただきたいものです。JIS委員の方は言いたいことは規格票の上で言ってください。規格は委員の意図した通りではなく書かれた通りに実装されます。小形さんはいい加減半年くらい前に指摘されたビット舟の間違いくらい訂正してください。
http://www2.xml.gr.jp/log.html?MLID=xmlmoji&TID=1670&F=0&L=10&R=1

きだきだ 2007/11/04 03:31 おっしゃる通り、当事者だからといって正しいとは限らないのはその通りだと思います。技術的議論は当事者かなどと関係なくできるのがいいところですね。

さて、Adobe-Japan1-6 という名前は Adobe-Japan1 というキャラクタコレクションの6番目の拡張であることを示しています。キャラクタコレクションは、CIDに対応する例示字形を定義します。つまりキャラクタコレクションが指定し、CID を指定すると、一つの例示字形を特定できます。AJ16とかAJ1-6というのはこのような名前の省略形ですね。さて、このとき、AJ1-6N、もしくはAdobe-Japan1-6N という書き方はいったい何を示していると思われますか?

私は、例としてあげていただいた AJ1-6N といった用語が参照されている web page を執筆した当事者ではなく、技術的に考えてこれが何を意味しうるのか想像がつかないのです。

山本太郎山本太郎 2007/11/06 16:55 この一連の議論の中で、ご指摘いただきました文書、http://www.adobe.com/jp/support/downloads/pdfs/AdobeInCopyCS3_501j_Update.pdfの中に記されていた「Adobe Japan 1-6N」という語句は、「Adobe-Japan1-6」などの文字コレクションの名称と、「Pr6N」などのフォント名称の接尾語のさらに末尾に用いてJIS2004基準のエンコーディングへの対応を示す「N」とを混同したもので、技術的に不正確・曖昧な語句です(「AJ1-6N」、「AJ16N」などの派生形も同様)。この用語上の不具合は、上記文書の制作担当部署に伝達済みで、既に上記文書はアップデートされています。以上、お知らせ申し上げます。

山本太郎
アドビシステムズ株式会社
エンジニアリング、日本語タイポグラフィ
シニア・マネージャー

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