食の安全情報blog

2009-09-07

本当は怖い、角切りステーキ

 O157による食中毒が発生したようだ。記事によると、まだ、「疑い」の段階だが、1:共通して喫食・2:患者からの菌検出・3:牛ミンチが原料かつ火を完全に通しにくい販売形態 ということで、ほぼ間違いないだろう(おそらく、原料からの菌検出がまだのため、疑いとされているのだろう)。

食材について

 今回、原因と目されているのは「角切りステーキ」である。多くの方々は既にご存知であると思うが、一般にレストランやスーパーで販売される「角切りステーキ」や「サイコロステーキ」と呼ばれる物は、一枚の肉をブロック状に切り分けた物ではない。記事にあるように、ミンチ等の肉をサイコロ状に整形したものだ。

 通常の「ステーキ」であれば、菌は表面にしかいない。そのため、表面部分を焼けば問題なく食べることができる。ステーキのレアを安全に食することができるのもこのためだ。ところが、「角切りステーキ」は多数の肉を結着させた成型肉であるから、内部にも菌存在する。ただ、「角切りステーキ」が「危険な食材」というわけではない。十分に加熱すれば、通常の肉同様安全なものだ。好みの問題だが、柔らかいため年配の人にも食べやすいということもあるかもしれない。

 しかし、「角切りステーキ」がいわゆるステーキとは異なる食材である以上、次の2点には留意されるべきだ

  • 成型肉」であることが明示されていること。
  • 十分に加熱を行う必要があることが明示されていること。あるいは十分に加熱された状態で供されること。

 では、実際にはどうなっているかを確認していこう。

外食における「角切りステーキ」の提供

 まず、外食産業において、「角切りステーキ」をメニューに使用する場合、そのことが十分に伝えられているのだろうか?

 じつは、この点が十分でなかった業者に対して、公正取引委員会排除命令を出したことがある。

(平成17年11月15日)株式会社フォルクスに対する排除命令について

(抜粋)

公正取引委員会は,株式会社フォルクスが提供する牛肉料理に関する表示について調査を行ってきたところ,景品表示法第4条第1項第1号(優良誤認)の規定に違反する事実が認められたので,本日,同法第6条第1項の規定に基づき,同社に対して,排除命令を行った(別添排除命令書参照)。

2排除命令の概要

(1)違反事実の概要

株式会社フォルクスは,平成17年3月8日から同年9月6日までの間,自社が経営する飲食店において,一般消費者に提供した「ビーフステーキ焼肉ソースランチ」,「ひとくちビーフステーキ焼肉ソースランチ」,「ひとくちステーキ&ハンバーグランチ」,「ひとくちビーフステーキ焼肉ソース」又は「ひとくちビーフステーキペッパーソース」と称する5種類の料理(注)について,別表のとおり,あたかも,当該料理に使用している肉は,牛の生肉の切り身であるかのように表示していたが,実際には,牛の成型肉(牛の生肉,脂身等を人工的に結着し,形状を整えたもの)であった。

(注)「ひとくちステーキ&ハンバーグランチ」については,「ハンバーグ」と称する部分を除く。

(2)排除措置の概要

ア前記表示は,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。

イ再発防止策を講じて,これを役員及び従業員に周知徹底させること。

ウ今後,同様の表示を行わないこと。

 すでに3年以上前であるから、現在では殆どの外食のお店では適切に情報提供がされているものと思われる。もし、まだ対応していない飲食店があれば、早急に対応することをお勧めする。

 次に、加熱の状態ですが、今回のペッパーランチの提供方法では加熱が十分に行えるとは言えない。私もペッパーランチを利用したことはあるが(メニューは異なる)、鉄板が冷めるまでに肉を加熱すべく、せわしなく裏返したりした覚えがある。薄切り肉ですらそうなのだから、厚みのある「角切りステーキ」では中心部までの加熱は無理だろう。ペッパーランチで現在の提供方法に変更がないならば、今後このメニューが復活することはないでしょうし、すべきではない。

スーパーにおける「角切りステーキ」などの販売状況

 次に、スーパー等ではどのように販売されているのだろうか?

 食品衛生法の施行規則において食肉を販売する際に必要となる記載事項について次のような記載がある。

第二章 表示

第二十一条  別表第三に定める食品又は添加物であつて販売の用に供するものの表示の基準は、次のとおりとする。

中略

ツ 食肉であつて、刃を用いてその原形を保つたまま筋及び繊維を短く切断する処理、調味料に浸潤させる処理、他の食肉の断片を結着させ成形する処理その他病原微生物による汚染が内部に拡大するおそれのある処理を行つたものにあつては、処理を行つた旨及び飲食に供する際にその全体について十分な加熱を要する旨

 「角切りステーキ」以外にもテンダライズ処理(針状の刃を刺し通し、 原形を保ったまま硬い筋や繊維を短く切断する処理)やタンブリング処理(調味液を機械的に浸透する処理)を行った場合は表示が必要なことになっている。そこで、実際の表示状況を確認するために実際にスーパーで購入し、表示状況を確認した。


 サイコロステーキ(=角切りステーキ)

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パッケージの全体像

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プライスラベル

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成形肉であること、十分か加熱が必要なことが明記されている。

 味付け肉

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パッケージの全体像

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プライスラベル

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同じく、十分な加熱が必要なことが明記されている。


なお、テンダライズ処理およびタンブリング処理を行った製品については取り扱いがなく、確認できなかった。


われわれはどうすればよいか?

 「角切りステーキ」やテンダライズ等の処理をした肉を提供・販売するなというのは誤りだろう。正しくリスク情報が伝えられ、処理方法が示されている(処理が行ってある)ものは安全に食べることができるのだから。

 その上で、家庭においては、購入の際によく表示を見てほしい。JAS法で表示が必要な産地などは別に気にしなくても安全性には影響しないが、保存方法・処理方法・アレルギーなど食品衛生法に関する表示は安全に直結する。

 また、外食する際には安易な畜肉の生食はさけてほしい(レバ刺しなど)。今回はペッパーランチという、あまり子供や高齢者が利用しないチェーンでよかった。もし、子供がO157食中毒なっていたらと思うと。ぞっとする。

ペッパーランチでO157 6都府県11人、食中毒疑い

 全国でステーキチェーン店「ペッパーランチ」を展開する「ペッパーフードサービス」(東京)は5日、埼玉、東京、大阪、奈良、山口、愛媛の6都府県の店舗で「角切りステーキ」を食べた9人が病原性大腸菌O157による食中毒を発症した疑いがあると発表した。山口県にはその後、2人が追加報告され、計11人とみられる。

 同日、記者会見した一瀬邦夫社長は「本当に申し訳ない」と謝罪。全店で「角切りステーキ」の販売を中止したが、営業は継続すると明らかにした。

 山口県によると、防府市の山陽自動車道佐波川サービスエリアの店舗で8月23、24日に食事をした山口市や広島県の計4人が下痢や腹痛の症状を訴え、うち6歳と19歳の2人が入院。全員快方に向かっているという。

 山口県は4人は食中毒と断定、食品衛生法に基づきこの店に3日間の営業停止を命じた。

 東京都によると、8月中旬に都内の店で食事をした女性も腹痛を訴え、女性からO157が検出された。

 ペッパーフードサービスによると、ステーキの供給元は岐阜県大垣市の「大垣食肉供給センター協同組合」。オーストラリアから輸入した肉を8月3日にミンチした上で成形加工。神奈川県厚木市や神戸市の流通センターを経て各地の店舗に配達された。

 各店舗では、約260度に熱した鉄皿に生の肉を載せて提供。客は好みの焼き具合で食べる。「角切りステーキ」は通常、550円。

 同社は1970年に創業し、2006年に東証マザーズ上場。国内外で200店舗以上を展開している。

2009/09/05 19:06 【共同通信

kazzkazz 2009/09/10 06:19 埼玉【 ス テ ど ん 】でもO157で女子中学生と小学生の子供が被害にあった。

埼玉県によると、2009年9月9日、外食チェーン「どん」(埼玉県鶴ケ島市)が経営する「ステーキのどん」で角切りステーキなどを食べた男女4人が下痢や腹痛を訴え、病原性大腸菌O157の感染が確認されたと発表した。県は食中毒と断定し、両店を同日から3日間の営業停止処分にした。

以前から、ハンバーグの生焼けやレアの角切りステーキなどは平気で食べていたが、これほど危険なものとは知らなかった。
角切りステーキに使用される肉は骨に付いた肉を掃除機のような機械で根こそぎ吸い取り、その肉を張り合わせ、そこに牛脂を注入した加工品だが、「角切りステーキ」や「サイコロステーキ」と呼んでも優良誤認にあたらないのはなぜだろうか。
ペッパーや、ステどんに限らずこのような表示はスーパーなどでも一般的になってしまっているのです。本当に恐ろしいことです。

   2009/09/10 20:01 ステーキのどんの角切りステーキって成型肉じゃないと思うんですけど・・・。
カレー用とかでよく売ってるような肉な感じ。

匿名希望匿名希望 2009/09/11 00:58 確かに、どんの「角切りステーキ」は、成型肉じゃないと思いますよ。今回の食中毒に関しては、加熱不足による事例であって、ちゃんと加熱していれば何の問題もなく食べれる商品だと思います。

通りすがり通りすがり 2009/09/11 09:18 O-157の菌は75度1分の加熱で死滅しますが(生肉は5分の加熱が必要といわれています)、
O-157が排出し、食中毒の直接的な原因になるベロ毒素は80度10分の加熱が必要です。
顧客が鉄板の余熱で加熱して食べるという販売形態を取る限り、決して安全ではないと
考えますがいかがでしょうか。

食いしん坊食いしん坊 2009/09/16 00:51 一度食べた事があります。ステーキ?安い?食べてみて、ハンバーグの角切りでした。
ガッカリ!、だまされた!

torres8torres8 2011/06/02 19:56 そうなんだ、角切りはここにはないけど・・・
ここはキウュリで騒いでる。

torres8torres8 2011/06/03 00:49 そうなんだ、角切りはここにはないけど・・・
ここはキウュリで騒いでる。

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