motoGP第11戦インディアナポリス

125CCクラス
マルク・マルケスの若さが悪い方へ出たレースだった。
ポールポジションから順調にトップを走っていたマルケスが9周目に転倒。必至でこらえてバイクにしがみついていたお陰かバイクにダメージは少なく、レースに復帰した後も快走し、順位を上げていった。ラストラップにコースを外れたマルケスがかなりショートカットして5位集団に追いついてしまう。その後そのままの順位をキープしていればよかったのだが、5位集団をパスして自ら5位に浮上。レースを終えた後10秒のペナルティをもらい、結局10位という結果に終わった。
9周目に転倒するまで、2位テロルを引き離し、テロルはついていく事ができず2位キープの走りに徹していたように思う。マルケスが焦る必要は無く、もったいないミスだった。復帰後のラストラップも冷静な判断が出来なかったと思われる。レースを終えた後の彼のうつろな表情が印象的だ。逆にテロルは堅実なレース展開で2戦連続の1位。マルケスが年間チャンピョンを取るにはもう一皮剥けないと無理だろう。

moto2クラス
トニー・エリアスのチャンピョンへの執念を感じるレース。最初のスタートは多重クラッシュにより、再スタートになる。2回目でのエリアスのロケットスタートはすごかった。6位グリット(2列目の中央)から1コーナーのインへめがけて一気に飛び出し、1コーナーの渋滞を尻目にスパートを掛ける。一度は2位に後退したもののシモンをアウトから一気にパスをする思い切った走りをみせ、1位フィニッシュ。今年のmoto2はエリアスのものかも知れない。

motoGPクラス
ダニーが快走で今年3度目の1位。彼にとって年間2勝の壁を破る嬉しい勝利だった。ロレンソは無理をせず3位をキープ。大人になったもんだ。レース後のインタビューでは不満だと言っていたが、年間チャンピオンを見据えて走り方を変えたのは明らかだ。ベンはサテライトながらヤマハ勢のベストリザルトで2位フィニッシュ。来年ヤマハのファクトリーに移籍が決まった直後のレースで祝砲をあげた。貪欲な性格なのかレース直後には1位になれなかった悔しさを表情ににじませていたのが印象的だ。気になったのはコーリン・エドワーズ。フィーリングが合わなかったのか途中でピットインし、リヤタイヤを交換。その後再スタートを切るも、途中で自らバイクを降りてしまった。どんな状態でも走りぬくのか、結果が出ないと解っているなら途中で止めるのか、判断が分かれるところだが、クルーに声を掛けることもなく、バイクを降りて控え室に去ってしまう態度はいかがなものか。クルーは必至でバイクを調整しているし、恐らくこのハプニングの後も休まずに原因究明に精を出すに違いない。ライダーが自分のフィーリングを伝えなければクルーは仕事ができない。エドワーズが飛躍できない一因を見たような気がした。
青山は復帰戦を完走した。彼もホッとしたのではないか。

今日のレースは気温が異常に高く、路面温度は50度を超えた。それに加え路面の状況もつぎはぎが多くバンピーだという。難しいコンディションの中で転倒するライダーも多く、moto2クラスでは11台が完走できずにレースを終えた。そんなコンディションだからこそ日頃のライダーの弱点が露呈した1戦でもあった。見応えがあり、面白いレースだった。
moto2クラスの日本人ライダーは一人も完走できずに終わった。高橋と富沢はクラッシュに巻き込まれて転倒。不運な面もあるが、他人を押しのけてでも前を狙うのが、日本人には向かないのかも知れない。そんな性格の人が身近にいたら、きっと「嫌なやつ」だと思うだろう。きれいに走り、きれいに勝つことにかけては皆優れている。それでも自分の走りに徹すれば去年の青山のようにチャンスはあるはず。折れずに頑張って欲しい。