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2015-01-24

映画エッセイ更新。『疑惑』に見る「正しい女」。

WEBスナイパー18禁に連載中のエッセイ「あなたたちはあちら、わたしはこちら」第十回が更新されました。

今回は、野村芳太郎監督の『疑惑』(1982)。今更言うまでもない傑作でございます。


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松本清張の原作からはやや離れ、容疑者とその弁護士に焦点が当たった作りになっているこの作品、桃井かおり岩下志麻の対決シーンが凄まじかったことでも有名。二人とも半分以上「地」じゃないかってくらいの嵌りよう。フェミニズム系の映画をよく「女性映画」と言ったりしますが、これこそ「女性映画」と呼びたい。

裁判シーンで登場して来る人々もそれぞれ一癖あっていいですね。山田五十鈴はさすがの貫禄、若い鹿賀丈史がまたとぼけた味で。


両極端のキャラである「悪い女」(桃井かおり)と「正しい女」(岩下志麻)。中年以上の女性を取り上げる本エッセイではもちろん、岩下志麻(当時40〜41歳)の演じた弁護士、佐原律子の考察に力点を置いています。

どちらも大衆に共感されない女であることは間違いないですが、より敬遠されるのは多分後者でしょう。前者は強烈に嫌われつつもどこか憎めない、外野からはむしろ面白がられるタイプの女です。

多くの女性がこの二極の間のどこかに立っていて、ちょうど真ん中が両者の強い個性から一番遠い「誰からも嫌われにくい女」(映画では真野響子がとりあえずソレですか)だとすれば、自分がどのあたりにいるかちょっと考えてみるのも一興ではないかと思います。


イラストもシンプルに対比を意識して描いてみました。テキストと合わせてお楽しみ下さい。

「あなたたちはあちら、わたしはこちら」第十回 正しい女