2011-11-19 『「本屋」は死なない』新潮社
本屋はやっぱり死にそうじゃない?
本書での「本屋」とは、せまい意味での書店で働く人という意味ではなくて、「本」を自分以外の人へ伝えていくことに情熱を持っている人と言えそうだ。
目次をまず見れば、プロローグが「彼女を駆り立てたものは何か?」、エピローグは「彼女が手渡そうとしているものは何か?」でもこの「本を伝えたい」という衝動、何も本屋だけのものではないんだな、特に今は。
ブログで読書日記を書いている人は相当いるだろう。本屋は死なないどころか、リトル本屋が無数に発生しているわけだ。自分の思考の記録を残したいのか、その実績を誇りたいのか、はたまた本そのものの価値を認め広く知らしめたい衝動に駆られているのか。大して、というかほとんど儲かりもしないのに多くの人が本について語りたがっているこの現実、もっと分析されてもいい気がする・・・いやそんなことせずに自分の商売にどう活かせるか考えたほうがいいか、アマゾンみたいに。
本を伝える行為は純粋なもので、営利目的とは直接の関係はない。。。。。
それならそれでいいんだけど、じゃあ、それを営利目的でやっている人間(本屋)がどうやって採算ラインに乗せているのか、あるいは乗せるだけではなくてそれ以上の「新しい(儲かる)本屋」の可能性を考えているのか、そこんところが読めないと「本屋はアマゾンとジュンクがあれば後はいらない=それ以外は死ぬ」という気持ちになっちゃうなぁ。
ていうか、自分で考えろよ、ってことか。本に答えは書いてない。
仕入れの円滑化。利益率の交渉。コストの削減(協業化)。情報化による効率化と最適化。だんだんシステムが前面に出てきて、ここで人間が疎外されちゃう、みたいなパターンを僕もよく使って説明する。だけどやっぱりここまでやって採算に乗せて、そのあとに人間の創造性が初めて発揮できるのでは。余談ですがそうこうしているうちに新たな変化が押し寄せてきて(kindleですよ!)また振り出しかよ、というか振り出しより10マスさがれ、みたいな感じで、すごーく疲れますがね。。。
本屋におけるイノベーションとは何か?
系統図(これについては「復権」ですか)。フラット化。評価経済。文脈。コミュニケーション。
よくわかんないけど、バカみたいに信じ切って週に90時間働いて、運が良けりゃ、凡人でも新しい価値を認めてもらえるかもしれないですね。10年前に気づけばなぁ。さいきん徹夜出来ないのよ。あれ?90時間?働いてるかもなー、ダメじゃん。
2011-11-16 備忘録
ビジネスの利益はトライ&エラーからしか生まれない
その回数で利益の大きさは決まる・・・
(TBSラジオlifeのどこかの回で柳瀬さん)
出版社では新刊の発行・出荷
利益の増加を宿命づけられた資本主義では
新刊点数が増え続けるのも無理はないのか。
そもそも本は、「置いてみないとわからない」「同じものを2度と買わない」という極端なトライ&エラー向き?の商品かも。
自分はどうやったら本屋が儲かるかを考えるのだが。
トライ&エラー。
ミクロの書店現場でずーっと行われてきたこと。
仕入(配本)と返品。
物理的な制約のあるリアル店舗では
トライ&エラーの回数を増やすことには限界がある。
ジュンク堂とアマゾンは「トライ&エラー」を飲み込んでしまうほどの
規模拡大をすることで、その限界を越え利益を追求したのか。
回数を増やせない(新刊扱い点数を増やせない)ならば
一回のトライの規模を大きくする(費用を上げずに)のが本部主導かな。
本部の人がトライ&エラーして(考えて)、現場には権限がない。給料も安い。働き甲斐もない。ロボット。
現場でお客さんと本を見ながら、トライ&エラーして、
そこそこお店が回る、というサイクルが維持できなくなっている。
そのお店の通常の商圏内から上がる売上・その利益では採算が合わない。
利益率の大きなものを扱うか。
商圏外に「輸出」するか。(要するにネット・通販と集客)
本を?どこで買っても同じものを?
どこで買っても同じなら、入り口を抑えるしかない。
いちど入った入り口に自動的に入ってもらうしかない。
使い勝手。
コンテンツ。
価格。
サービス品質(時間・支払い方法)
口コミ消費(オススメ)に可能性はあるか?
マス広告以外の付帯的なオススメを一冊ごとにつけるのか?(費用をかけずに)
その回数も増やせるのか?継続できるのか
導かれ消費(仮称・セレクトショップ)に可能性はあるか?
その分野がわかっている人のセレクトを信用して買う。
昔ながらの棚担当の世界ではないか?
2011-06-20
■[棚づくり]震災一色なのはいかがなものか?
8時40分徒歩で出社。ちょっと遅刻。
今日は朝レギュラーが一人お休みなので二人で雑誌の品出し。ミュージックマガジンがYMO特集(フジロックに出るんだって?)。お昼には売り切れました。さっそく電話で直送を頼みました。明日届きます。週刊現代の表紙がすごいデザインでびっくり。記事によれば講談社のあたり、少し放射線値が高いらしい。
お昼休みに自転車購入(注文してあったのが組みあがったのだ)。
今月末、新潮文庫から『根津権現裏』(藤澤清造)が出る。西村賢太が師と仰ぐ不遇の小説家の作品。当店は根津裏門坂を下りきった三差路の左手約50メートルですから、権現様の裏、と言えなくもないですね。全国的に新潮文庫が搬入発売となる25日には少ししかないかも知れませんが(それがパターン配本分です)、30日ごろにはある程度のボリュームで入荷します。
なんとか品出しを終わらせ、17時から打ち合わせ。終了19時。
今回の震災とそれに続いた原子力発電所の事故は、私たちの生き方や文明のあり方まで考えなおさにゃいかんのかなぁ、という気分に私たちをさせるものです。
確かにそういう面はあるから、関連する本も雑誌もたくさんあるし、売れるのも関連したものが多いです。でもずーっとそれではきついなぁとも思います。私たちは原子力技術という厄介なものを持ってしまった存在であると同時に、3月11日以前と同じ、そんなことは知らない、暢気でオバカな人間でもある。。。。
震災関連の本は現状でもたくさんありますから、それ以外の本もあえて強調するくらいでちょうどバランスがとれるかもしれないなどと考えています。
2011-06-18
■[棚づくり]辞書を注文しました
昨日はさるイベントに呼ばれて勝手なことを喋ってきましたが、そうそう勝手なことばかりしているわけでもなく、今日は地道に辞書を50冊あまり注文してみました。
NET21のお仲間を何店かピックアップして、1年分のPOSデータを集計し、棚の大きさとにらめっこしながら注文。こういうとき、まったくの個人店ではなく、チェーン店のような機能があるということは(なにしろ他の店の売れ行きがわかるのです。辞書をしっかり売ってらっしゃる店に教えを請うことが思いついたらすぐにできる)大いに助かります。
いろんなところに呼ばれて喋るとつい、「いい本見つけてそれをお客さんにプッシュだー」といったハナシになりがちで、それもウソではないのですが、「実用的な本などを適度な選択範囲の中から納得して買える」という価値を提供することは「まちの本屋」としては忘れてはならない仕事です。そのあたり、まだまだなんですね、当店は。
辞書はもう、一覧チェック表を作ってしまったので、来月からは新人クンにチェックを頼むとしよう!さて、次はどこに取り掛かるかなー
(新人が3人入ります。みなさま宜しくお願い致します。雑誌・文芸・文庫・実用・児童、みーんな担当が替わります。こんなことは私がこの店にきてからはじめてのことです。店の奥、実用と児童書のあたりのレイアウトも多少変更する予定です。)
知人の紹介でお訪ねしましたが、本に気持ちが込められている
居心地の良いお店でした。これからも手書きの新聞を楽しみにしております。