Hatena::ブログ(Diary)

アンテナ担いでうん十年

2017-12-23

同一モデルC/N0違いがもたらすもの


 あるメーカーさんよりC/N0(搬送波雑音電力密度比)強化版のアンテナを借りることができました.アンテナの評価として受信信号強度と軸比がある.と書いてみましたが正直なところ,アンテナのことはよくわかっていない(近々,専門家よりレクチャーを受ける予定).

 このC/N0強化版のアンテナ,標準品に比べて約2-4dBHzの向上が確認できた.障害物が多く受信環境が厳しいいつものフィールドでRTKによる比較をしてみる.Fix率の向上という形で違いがはっきりでました.厳しい環境では,数dBHzの向上がとても効きます.2つのアンテナは20cmぐらい離して隣接した場所に置いています.

某建設系の研究会


 某建設系の研究会にてトラ技の受信機キットを紹介してみましたが,誰も受信機キットを手に取らず.

 電気電子系のエンジニアとは反応が違うのは当然なのでしょうが,アプローチ方法を考える必要があるかもしれない.

M8P内蔵RTKエンジンの性能

 って本当かなあ,という高須さんのコメントありました.ありがとうございます.
私が評価に使う木々と構造物に囲まれた受信環境では,未だになかなかFixしてくれません.RTKLIBのほうが色々設定がいじりやすいこともあること,差が感じられないこと(RTKLIBより性能が上と感じる場面は未だ一度もないです).しっかり比較評価した訳ではなく感覚的なものなのでご容赦ください.
 
 なお,このような評価はオープンスカイで使っているユーザとは違う見解があるかもしれません.また,未だGPS/GLONASS測位に至ってはFixを待つことは忍耐を通り超して放置するしか無い状態(これはRTKLIBも同様で受信機のICBの問題)です.
 
 でも根本の問題は,QZSSやGalileoが使えないことです.M8P+RTKLIBで+QZSSするだけでも明らかに良くなります.


追記)RTKLIBの測位結果にはRatioがあることが大きな武器,この値の動きから収束状況が感覚的に把握できる.これがユーザの安心感につながっている.

2017-12-17

M8TとM8Pの違い

 
 ここ数ヶ月,つくばチャレンジ2017関連でu-blox社M8Tをさんざん使いましたが,厳しい環境であればあるほどQZSSが効きます.Galileo受信により衛星数が増加して,RTKLIB+M8Tの組合せは満足度高いです.

 一方で,M8PはQZSSは受信できるものの,内蔵の測位計算エンジンではサポートされず.前回のファームウェア更新の際にサポートされなかったので要望は出したのだけど...Galileoは受信すらできない.

 RTKLIB+M8Pの組合せは,M8P内蔵測位計算エンジンより性能はやはり上.定期的に試していますが,うーんやはりFixが遅いです.RTKLIBに戻ってしまいます.そうなるとGalileo受信ができないM8Tになってしまい,モジュール単価で3倍以上なのに性能が下,この辺りをu-bloxさんはユーザにちゃんと回答して欲しい.納得できないユーザが多いのではないでしょうか.ファームウェア更新に期待します.

トラ技キットM8Pをいじり出して気づくこと


 トラ技キット入手しました.M8Pをいじるのは初めてでははないのですが,いじり出すと改めて気づくこと沢山あります.勉強になります.u-centerでNtrip受信がサポートされていて内蔵の測位計算エンジンでRTKが容易にかけられます.でも使ってみて思うのはRTKLIBの使いやすさ,性能の高さ,情報量の豊富さです.是非,キットを購入した人はRTKLIBでも試して欲しいと思います.

2017-12-14

トラ技のRTKスターターキット,もう売り切れてる

 トラ技のRTKスターターキット,販売開始となった模様.模様というのは気づいた時には在庫切れになっていたからです.今日の何時から販売開始だったかわかりませんが,あっという間に売り切れだったということでしょうか.

http://shop.cqpub.co.jp/detail/2114/

トラ技術の2018年1月号特設サイト

 トランジスタ技術の特設サイトが開設された.待望の受信機キットの解説がある.今後,このサイトでキットを使った受信機の使いこなしをサポートしてくれる模様.期待したい.

http://toragi.cqpub.co.jp/tabid/865/Default.aspx

研究会をはしご

 ある研究会の打合せを途中退席し,別の研究会で研究発表,終了後に一つ目の研究会の懇親会に合流で帰宅は午前様,今週は火,水,金と東京出張.仕事が無く職場で冬眠した過去と比較すれば,とてもとても幸せなことです.問題は年々体が横に大きくなっていること(笑),人間ドックでは不思議と肥満以外の数値はとても正常,ストレスがないのでしょうか.
 
 また「CLASがでてくるのだからローカルなRTKは不要」と社内で言われて説明に困っているとの相談あり.単純に某国営放送の報道を受けての判断だと思いますが,少なくとも建設系で測量レベルの精度を要求する用途には厳しいスペックです.ユーザによるCLASの評価実験第一弾は完了している模様,近日中に精度評価の結果がでてくるので色々な意味で期待して待ちたいと思います.例え精度が落ちて測量レベルで使えないとしても,精度に合わせた新しい使い方を模索すれば良いはずです.棲み分けを提唱する人もいます.

2017-12-12

善意の基準局掲示板

 トラ技2018年1月号の14話「オープン基準局の利用法とMy基準局の公開の仕方」において,登録制の基準局リストが公開されている.中本さんの記事です.

善意の基準局掲示板
 http://rtk.silentsystem.jp

 ここの登録RTK基準局が増えてくるといいね.もちろん基準局座標値の質とかありますが,まずはこのような文化が根付くことがRTKにとって大事と思います.皆さん積極的に参加してください.私も参加します.

2017-12-11

GPS/GLONASS受信対応アンテナによるBeiDou受信(気をつけましょう!)

 GPS/GLONASS対応アンテナ(BeiDou受信未対応)でBeiDou受信の受信テストします.受信周波数帯域の違いから数dB〜10dB以上のCNの落ちがあると言われています.RTKを厳しい受信環境で利用する場合,例え数dBの落ちでも受信衛星数で5個も減ってしまうことさえあります.ギリギリのところでFix解を維持したい場合,例え3dB程度であっても厳しいです.

 実験は三脚でアンテナを固定設置し,それぞれのアンテナを30cm程度の隣に設置します.受信環境は構造物や木々の多い厳しい場所です.

 まずBeiDou受信対応のNovAtel 703GGG(20万円オーバークラス)によるC/N0です.
f:id:okackokack:20171212071130j:image:w360

 次にBeiDou受信未対応のTallysman TW3400GP(リットーさんがグランドプレーンを付けたもの,7万円?クラスかな)によるC/N0です.
f:id:okackokack:20171212071051j:image:w360

 GPSとBeiDouのC/N0値を見ます.
703GGG・・・GPS:16番47dBHz,26番50dBHz,BeiDou:1番46dBHz,7番46dBHz
TW3400・・・GPS:16番49dBHz,26番51dBHz,BeiDou:1番45dBHz,7番46dBHz

 GPS受信における703GGGとTW3400GPの比較では,TW3400GPが1-2dB高いです.
 BeiDou受信における703GGGとTW3400GPの比較では,703GGGが1dB高いです.

 つまりBeiDou受信未対応のTW3400GPでは,GPS受信を基準にするとBeiDou受信で1-2dB落ちるという結果です.
相対比較なので何とも言えない結果ですが,影響はとても少ないという印象です.TW3400GPのC/N0が全体的に高いということもあります.

 本来であればBieDou対応のTW3710GPと未対応のTW3400GPの比較が必要です.リットーさんの現ラインナップはTW3710GPに変わっています.その辺りを考慮しての対応でしょうか.

 その他,気になることはTW3400GPの受信感度は優秀だということです.これはいいね.

 今回は7万円?クラスのアンテナですが,数千円や数百円クラスのアンテナの場合は5-10dBの落ちがあります(経験済).BeiDou受信に未対応でも大丈夫と安易に考えると痛い目に合います(痛い目に合いました(笑)).くれぐれも気をつけて下さい.

2017-12-10

NVSさんローコスト2周波NV08C-RTK-Mの火入れ

 NV08C-RTK-Mが試験機扱いで届いた.公式では日本第一号だと思います.NVSさんからはマニュアル類の添付なし,ボードのみとのこと,ホームページにもNV08C-RTK-Mに関する別マニュアルはありません.1周波のNV08C-RTKと共通なのでしょう.

NVSさんの受信機ラインナップ
http://www.nvs-gnss.com/products/receivers.html


 NV08C-RTKと同じ躯体に入った試験機ということもあって外観上は見分けが付かない.NV08C-RTK-Mを基準局,移動局としてRTKをかけてみる.アンテナは定評のあるTallysmanのTW3870,試験環境は建物,木々に囲まれた厳しい最悪の環境,ミスFixも頻発する場所です.せめて基準局のみ良い環境に設置したかったのですが,まずは火入れということで妥協します.

 NV08C-RTK-M,現状ではGPSとGLONASSしかONにできない.マニュアルがないのでわかりませんが,いくつか想像でコマンドを送ったものの受け付けず.BeiDouやGalileo対応は次のファームになる模様.

 すんなりFixしますね.ただ環境が悪すぎなのでしょう,少々時間がかかります.同じ場所にFixするしミスFixは見られません.優秀そう(安易かな,笑)です.そこで1周波のNV08C-RTKと比較してみます.NV08C-RTK-Mで取得した基準局データを,1周波のNV08C-RTKにも分配してRTKをかけて比較しました.(1周波NV08C-RTKにとって基準局,移動局が異機種となります)

 うーん.違いがわからない,といいますか1周波NV08C-RTKが優秀です.やはり観測環境が悪すぎですかね.しばらく眺めると1周波のNV08C-RTKはミスFixしてます.この環境だとしょうがないのですが,ミスFixに気づいてFloatに戻るのにちょっと時間がかかります.対して2周波NV08C-RTK-Mは,ミスFixしても数秒程度でFloatに落ちて再初期化します.この違いは感じます.

 あとは長基線長など,1周波が苦手な環境で比較してみたいです.でもまずは基準局をオープンスカイの場所に移しての正しい評価が必要です.

2017-12-08

トラ技発売イベント(公式チャンネル)

 トラ技2018年1月号の発売イベント,トラ技公式チャンネルで動画が公開されました.
 https://www.youtube.com/watch?v=W7twEo5mSv0

2017-12-07

トラ技のRTKスターターキット

 トラ技のRTKスターターキットの情報が出てきました.
 http://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2018/01/p035-037.pdf
 
1)基準局用(型名:TGRTK-A)
・NEO-M8P-2搭載 (RAW&RTCM対応)
・標準価格 27,000円 (税・送料込み)
・1cmプロジェクト特別価格: 21,600円(税・送料込み)

2)移動局用(型名:TGRTK-B)
・NEO-M8P-0搭載(RAW対応)
・予価 21,600円(税・送料込み)

1)の1cmプロジェクト特別価格というのが,基準局公開を条件としたディスカウント価格の設定でしょうか.
いつ発売なんでしょう.


追記)どうもトラ技発売日明けの 月曜か火曜らしい 遅れるかも...

トラ技GPS特集の目次公開(12月9日(土)発売)

 本家トラ技の次号紹介で目次が公開となりました.一部記事の冒頭だけのぞけます.中本さんと久保先生すごいね.
http://toragi.cqpub.co.jp/tabid/862/Default.aspx

 これをきっかけに高精度衛星測位が広く認知されることを心から願います.私もできることをやらないと.

Ntripの稼働試験のその後


 Microsoft AzureでUbuntuを選択,HDDを選択の上,A1 standard(1vCPU, 1.75GB)を選ぶ.当初,最低のA0 standardを選びましたが,Ubuntuが重くてほぼ動かない状況で変更しました.xdrpにてリモートログイン,SNIPは無事起動,問題なく動作しました.

 ラズパイ3でUbuntu64bitはご指摘の通り厳しい(メモリ的にも厳しい)です.そこで当初の暫定仕様で試験運用を開始しました.
M8P + Raspberry Pi3 (Raspbian) + STR2STR + モバイルルータ
当初M8PとM8Tの2ストリームで実施しましたが,約6時間で落ちてしまう.

 原因不明ですが,ラズパイ3はM8Pのみにして,別PCにM8TのNtripサーバを担わせて,モバイルルータ共有(ラズパイ3有線LAN,PC無線LANにてモバイルルータと接続)にて連続稼働試験に再度入ります.特に問題ない模様でしたが,これも数日で落ちてしまう.うまくいかないです.

 ..とようやく原因が判明,モバイルルータのバッテリが尽きてしまってモバイルルータが落ちていました.ラズパイ3のUSB給電では充電が間に合わないようです.USBアダプタから充電しながらラズパイ3と別PCの双方を無線LANでつなぐと,ぶつかるのか毎秒送信ができずタイムアウトしてしまう.

 3GB制限の格安SIMを使っているのですが,TCPサーバ運用の場合は接続ユーザがいない場合,パケットの消費は0ですので,利用者が数人,毎日使わない環境のであれば1ヶ月は保ちました.Ntripサーバの場合は,接続ユーザ数に関係なくCasterに常にアップロードしているのでパケット消費が多く,1ヶ月3GBはオーバーします.そこでパケットを消費しない低速モード(200kbps制限)に切り替えて試験運用しています.これが原因の一つかもしれません.

 そこで別PCを有線LAN,ラズパイ3を無線LANにすることで充電も接続もOKとなりました,しばらく試験運用後に展開する予定です.なお,別PCは2ストリームを流すための暫定仕様.基本的にM8Pの1ストリームでの運用を考えています.(ラズパイ3で2ストリームも可能です)

追記1)どうも時間が経つとラズパイ3に接続するM8PのUSBが認識しなくなる模様.M8PをUART接続にて改善するか試験を開始してみる.

追記2) M8P(UART接続)+ Raspberry Pi3 (Raspbian CLIで動作,RAMディスク) + STR2STR + モバイルルータ(無線LAN接続)でやっと安定.3日間連続稼働クリア.屋外物置内で雨風がしのげる環境(外気温での稼働).

 

2017-12-06

プレゼン動画作成

 あるところからの依頼で研究成果の動画を作成中.昨晩になってメンツが動画編集を始めましたが,YouTuberの如く没頭して凝りだしました.結局午前様,動画編集の理解がだいぶ進みました.

 アンテナの動きを捉えた動画に,測位結果をスーパーインポーズすると説得力あります.これはいいね.ただ手間がとてもとてもかかります.YouTuberのこと尊敬しちゃいます.

2017-12-02

通信モジュール

 高精度衛星測位では,基準局データなどの送受信が必要になります.MADOCA-PPP(PPP)やCLAS(PPP-RTK)は,QZSSが放送するLEXを受信することでこれを担っており,いわゆる受信するだけで高精度となる理想的な利用環境を提供してくれます.次世代高精度測位のデファクトスタンダードになるはずです.

 一方,ローカルなRTKでは,自ら基準局を設置して,通信手段を確保して,ハンドシェイクしなければならず,この手間やトラブルは利用者にとって大問題です.

 これを解決する方法で真っ先に思いつくのは特小無線や簡易無線を使うことです.電源ONでリンクが確立できるので接続トラブルがありません.しかし,これも無線が届く範囲の話であって,もし届かないエリアがあれば複数の基準局設置など対策が必要です.数年に渡る長期の運用であればいいのですが,その日限りの利用という場合,現地に入ってみない無線が届くか分からないというリスクを負うことになります.

 最近,相談があって,ある通信モジュールの設定のお手伝いをしました.設定ソフトウェアの信頼性にちょっと(本当にちょっとかな)難ありな商品ですが,提供される機能はとても魅力的です.

 ubloxさんは,コンシューマ向け衛星測位受信機を取り扱うメーカです.近年ではRTKエンジンを搭載したM8Pを低価格で提供したことで注目されているメーカです.このubloxさんは衛星測位受信機以外にも通信モジュールを扱っており,その中にODINという通信モジュールがあります.ubloxさんが扱う通信モジュールでも,無線LAN,Classic Bluetooth,BLEに対応し,マルチに同時利用できる全部入り,ちょっと高価なトップレンジの通信モジュールの一つです.

https://www.u-blox.com/ja/product/odin-w2-series

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 これを例えばM8Pとセットにし2台用意して,これを基準局,移動局として使うと,無線LANで基準局データをやり取りしてM8Pで測位計算し,その結果をBLEで投げるということが可能です.マルチ対応なので無線LANとBluetoothの同時利用ができるのはいいのですが,ここまでは普通です.でもODINのすごいところは,もう一歩踏み込んだことができることです.

 先程と同じくM8Pとセットにし2台用意して,これを基準局,移動局として使うことにします.基準局データのやりとりをモバイルルータ越しにIP通信でやりとりする場合,一般的にはパソコンやマイコンが必要で,モバイルルータとパソコンを接続し,その上で通信ソフトを動かしてCOMの情報をやり取りします.

 しかし,ODINはモバイルルータ越しに接続を勝手に確立させることができます.パソコン不要です.電源を入れるだけ,無線LANを通してモバイルルータと勝手に接続し,相手のIPを叩いてシリアル通信を開始します.設定さえすれば自動でできてしまいます.もちろん,Bluetoothの同時利用が可能ですので,モバイルルータ,M8P,ODINの電源を入れれば,勝手にRTKを始めてBLEで測位結果を飛ばすところまで全自動にできてしまう,これはいいね.

 問題は一番最初に書いた「設定ソフトウェアの信頼性にちょっと(本当にちょっとかな)難あり」というところです.久しぶりに手こずりました.設定ソフトで手こずるなんてどうしてと思いますよね.設定しても反映されたり反映されなかったりして...ここをどうにか解決できればいいのですが.一回設定できてしまえばOKなのですから.


 
 

2017-11-30

3Dプリンタ

 遅まきながら,やっと3Dプリンタを使いこなせるようになった.

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 安価な製品ということもあるのでしょうか,造形物の底面の反りや穴部分の精度が甘かったりしてメンツが試行錯誤していたのですが,ここにきてビシッと正確に作れるようになりました.他のメンツも手を出し始めて,やっと輪が広がってきた.いいね.

 ノズルや成形テーブルに貼ってあるフィルムに問題があってことも原因だったが,ものを使いこなすには多少なりともノウハウが必要です.そのノウハウ自体が役に立たなくても,その経験は将来役に立つはず.やはり技術は組織ではなく人に根付くものですか.

 このノウハウを積み上げる行為は,時間,手間がかかること,根気が必要だったりします.スペック通りの性能がでないセンサ,例えば高精度なジャイロで性能を引き出すことは大変です.メーカに問い合わせて終わりにするのか,スペックを引き出す使い方を泥臭く探るのか.

 前者の選択は当然と言えば当然,センサが壊れている可能性があります.時間的な余裕がなかったり,遠回りしている気がしますし,これは自分の仕事ではないと思ったりして...当然の判断です.でも遠回りのように見える道が,実は近道だったということはよくある話です.その先に価値が生まれることもあったりして.

2017-11-29

小峰無線電機さんのアンテナ

 今年の測位航法学会のサマースクールで小峰無線電機さんのアンテナが使われたと聞きました.

小峰無線電機さんのアンテナ製品ページ
http://www.kominemusen.co.jp/recommend/item13.html

 小峰無線電機さんとは縁があって,商品がリリースされるだいぶ前なのですが,お話する機会がありました.開発に10年かかっている商品であること,NovAtelのアンテナをベンチマークとして開発したと聞いたこと思い出しました.

 まだ発売されたばかりでユーザ不在な商品,期待を込めて今後機会があれば評価してみたい.開発者の顔が見えることもいいね.

2017-11-28

RTK基準局のコスト

 受信機のローコスト化により,RTK基準局のコストは大きく下がりました.ただ数を増やすにはどうしたらよいか.まずはノートPCをマイコンへ変更することから始めてみる.

まずは第一段階として,M8P + ノートPC(Windows) + STRSVR + モバイルルータ から
 M8P + Raspberry Pi3 (Raspbian) + STR2STR + モバイルルータ へ変更して,
TCPサーバで試運転中,今のところ問題なし.

 次のステップとして,以下を準備中.
M8P + Raspberry Pi3 (Ubuntu) + SNIP (Ntrip Server) + モバイルルータ & Microsoft Azure (Ubuntu) + SNIP (Ntrip Caster)

さて問題なく運用できるでしょうか.これがOKなら他の受信機の追加と全国数カ所への展開を進めたいと思います.

 unix系に触れるのは久しぶりです.学生時代にSPARCstation 2 で X-window system を動かして以来です.Linuxの出始めのときにインストールして少し触ったが続かず.

(追記)
Tさんのブログでご指摘あり,情報ありがとうございます.別の方法も探ります.

2017-11-27

Tさんのブログでの指摘,ごもっともです

 Tさんのブログでご指摘いただきました.

昨日引用したブログ記事について、少しCLASの弁護だけ。まだサービス開始後2カ月くらいだし、過去実績がほぼない新しい技術なので、利用に関する知見が集まり、実際に「使い物になるか」評価が定まるには、まだ1年以上はかかるのではないか。それまでは暖かく見守る必要があると思う。


 全くその通りで申し訳ないです.頑張ってシステム構築した人達にあまりにも失礼でした.想いをもって開発していた人達に謝ります.

 デコーダ内蔵の受信機がでてくるのはまだ先ですし,数年の中でユーザが性能を評価して,新たな使い道を含めて考えていけば,すばらしいインフラになると期待しています.次世代の高精度衛星測位の主役です.私も何か協力できればと思っています.

 ローカルなRTKをまだやっているの?もう必要ないでしょ?と言われることがあまりにも多くて...PPP-RTKを知らないユーザの過度な期待があったと思っています.私も冷静にならないといけません.

2017-11-26

自社開発からレンタル会社へ


 ゼネコン(ゼネラルコンストラクション:総合建設業)では,本社や技術研究所が主体となり,協力企業とともにシステム開発する.しかし,ここ数年ゼネコンさんとお付き合いしていると,今まで通り,自らが主体的に手を汚して検証試験をしながらシステム開発する会社がある一方,別会社に丸投げして自ら技術開発しない会社があります.心配なのは後者がとても増えていることです.以前から現場主導で本社や技研が絡まない現場の場合,別会社へシステム開発を丸投げすることがあった訳で,今に始まった話でもないのでしょうが...

 これ,人手不足というより人材不足ではないかと心配になります.自らシステム開発する機会が減って,経験が積めなければ力も付かないわけです.どの業界も同じでしょうか.

 こんな状況の中,建設業ではレンタル会社がシステム開発することがトレンドになっているようです.ゼネコンは,自分の現場向けにアレンジしたシステムを,システムや建機に組み込んでレンタルしてもらう.理にかなったやり方なのでしょう.

 このままではシステム開発の工数を見積もる力すらも失い,システム開発の依頼先の言いなりにならざるを得ない,今は仕事が山ほどあって予算も潤沢だから問題ないのでしょうが,オリンピックが終わった後はどうなるでしょう.「自ら技術開発しない」が「自ら技術開発できない」にならなければ良いけど.心配です.

2017-11-25

RTKキットの予価

 先日ブログに書いた某雑誌の次号予告に,NEO-M8Pのキット価格が書かれていました.予価25,000円とのこと,RTCM3出力可能なNEO-M8P-2.アンテナ付きでしょうから売れるでしょう.

 心配は「全国RTK測位基準局開設プロジェクト」がうまくいくのか,5千円割引の2万円で協力を募っています.RTK基準局データの公開と維持をお願いするのですが,それを監視する訳にもいかないので,この方法でいくしかないのでしょうか.

2017-11-24

某雑誌のGPS特集...今度は測位! 2018年1月号(12月9日発売)

 次号予告でましたね.
http://toragi.cqpub.co.jp/tabid/120/Default.aspx

 2016年2月号の主テーマはGPSでタイミング用途でした.ここで測位の記事を担当したところ,大きな反響があって驚かされたこと,以前日記で書きました.この反響を受けて2017年11月号として衛星測位の特集をすることで企画を進められていました.
 
 もちろん主役はあの方しかいないのですが...でも多忙で動けないようで私に相談が廻ってきました.私も抱えきれないほど案件を抱えてしまい身動き取れない状況に...何人かメインをはれるキーマンを紹介しましたが,やはり皆さん忙しく記事が書けないとのこと.

 出版社からは8月初旬に〆切と聞いていたのですが一切連絡なく...その時は記事依頼されても多忙で全く応えられない状況で,諦めながら日々の仕事をこなしていたときでした.その後,トラ技の特集はどうなった?なんて声が聞かれるようになり...私は干されたのかな(笑)と考えていたのですが...出版社から連絡があって,出版社側の事情で11月号から1月号へ変更になったとか.編集者から執筆陣に連絡が無かったことから,なんで連絡がないんだなんてやりとりがありながらも再出発...延期になった理由はわかりませんが,結果的に記事を書けるチャンスがもう一度やってきました.

 どうしても書きたい伝えたい内容があるのですが,しかし情報が不足してまとめられない,時間ばかりが過ぎてゆく.でも〆切ギリギリ最後の1週間で不足していた情報が揃って記事が書けました.いつものことながらハラハラです.

 次号予告にありますが,RTK基準局への協力,皆さんもご検討お願いします.輪が広がる仕組みがあります.オリジナルキット開発中の見出しもありますね.数ヶ月後にRTKが始められる受信機キットが発売される計画があること聞いています.エンジニアの皆さん,ぜひぜひ購入してください.リアルタイムに数cm精度を体験ですます.初めの一歩に最適です.

2017-11-23

RTK基準局の構築

 RTK測位には基準局が必要です.RTKLIBのSTRSVR(Windows版)やSTR2STR(Linux版)でIP配信により公開できます.TCPサーバ(基準局側),クライアント(移動局側)で配信です.この方法,特にTCPサーバ側を固定IPで運用できれば,すぐにでも開始できる方法です.

 でも一つ問題があります.RTK基準局を設置する場所には,大体インターネット環境がありますが,ポートに穴を開けなくてはならず,設置機関からお許しがでることありません.よって個別にネットワークに接続すべくモバイルルータに格安SIMを入れて対応することになります.この場合,クライアント(移動局側)が配信を受けるためアクセスしますが,配信データがそのままTCPサーバ側のパケットとなります.クライアント数が1の場合は問題ないのですが,クライアント数が10になると10倍のパケットが発生して...結果的にパケ死してしまうことです.1周波GPS+BeiDou,RTCM3で2kbps程度となります.格安SIMでは利用無制限の最低速度で,128kbpsや200kbpsは出るスペックですが,100倍弱あるから大丈夫?とはなりません.常に200kbpsのスピードは出ていませんし,詰まったりもあります.

 一般的にこれを回避するためにNtrip方式が利用されます.私もこれに変更すべくNtrip CasterのSNIPに取組中(なかなか時間がとれない).

 基準局を多数設置の場合,ノートパソコンで運用するにはコストが高すぎるということで,現在,ラズパイ3上でLinuxを動かし,STR2STRやSNIPを動かすことで対応を検討中です.動作は確認したのですが,長期運用で大丈夫かはこれからの判断になります.同時にクラウドも準備中です.

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2017-11-22

GLONASSの近代化

 GLONASSのIFB問題は,基準局と移動局が同一機種であれば問題にならない,VRSでもテーブルが近いTrimble社やTOPCON社の受信機同士では問題にならないが,NovAtel社の混用は問題あり.また,1周波のローコスト受信機では,同一機種であっても問題あり,つまり整数値バイアスの設定をミスるミスFixを回避できない問題を抱えていました.

・Trimble社は異機種であってもキャリブレーションして解決する(公式回答),
 Trimble社の受信機は持っていないため,動作確認はできていません.

・Hemisphere社のP303の動作を見ると,GPSだけ使ってFixさせて,
 その後にGLONASSを加えるPartial Fixingの動作をしている.

・NovAtel社のOEM638の動作を見ると,3周波受信機でも1周波動作して
 何度かFixとFloatを繰り返す動作あり,キャリブレーションしている模様.

・NVS社のNV08RTKの動作を見ると,最初のFixに時間がかかるものの,
 以後,比較的早くFixできるようになる.1発目のARにおいてICBのキャリブ
 レーションをすることがコマンドマニュアルに説明されており,最近の
 ファームウェア更新において,この機能をデフォルトにしてきた.
 ただし,毎回うまくいく訳ではなく,ずっとFixできない場合もある.
 その場合は再起動で再度キャリブレーションさせるとうまくいく模様.

 各社,それそれ苦労していることを伺えます.Hemisphere社はGLONASSを使わない無難な動作,その他は正直なところ解決できているのか怪しいです.その中でもNVS社のNV08RTKは,1周波RTK受信機なのですが,ミスFixもほとんどなく,うまく動作できているように見えます.こんな受信機がでてきてくれたことは嬉しいです.

 こんな問題もGLONASSがFDMAだからであって,来年からGLONASS-K2に切り替わってCDMA化されれば解決されていくはずです.ただし,完全な入れ替えは早くて2026年以降とのこと,先が長い話です.

 CLASもCDMAに切換後に対応という困った状況です.今のCLASはGPS+QZSSってことです.Galileoはまだ少ないですから.11衛星しか補強信号を流せない制約もあるし,CLASは困ったことだらけです.

2017-11-20

ublox M8PのRTCM3利用の課題

 ubloxさんのNEO-M8P-2は,RTCM3を出力可能です.GLONASSとBeiDouは排他的利用となります.RTCM3は,GPS+GLONASSではType1005,1077,1087,1230,GPS+BeiDouではType1005,1077,1127を出力することで,受信したRoverにおいてRTK測位が可能となります.

 問題は,最新のファームウェアHPG1.40でもRTCM3出力でQZSSがサポートされないことです.これはすぐに要望として出しましたがまだ対応されていません.Galileo受信もまだですね.

 M8TではGalileo受信できますし,QZSSももちろん受信できます.M8Tは,RTCM3出力は当然できませんので,ublox Raw(RAWX)出力となります.GPS+BeiDouのRTCM3に比べて,その容量は3倍近く(GPS+BeiDou+QZSS+Galileo)になりますが,明らかに衛星数が増加します.特にQZSSの追加は測位性能に効きますので,いち早いRTCM3出力の対応を期待するところです.

 ということで,RTKLIBを使ってublox Rawで測位させるのには理由がありますという話でした.

2017-11-19

ublox M8Pのファームウェア アップデート

 ubloxさんのM8Pは,GPS+BeiDouでRTKLIBでの測位で利用しています.もちろん,受信機onlyでのRTK測位は可能ですが,GPS+GLONASSはなかなかFixせず,GPS+BeiDouは使えますね.測位状況がRTKLIBのようにはわからないので,RTKLIBで使うことが多いです.

 ubloxのファームウェアは定評があって,不具合あってすぐ再更新ということはまずないです.でも,これまでファームウェアの更新は半年後とかにしていました.メンツにやってもらうのですがBeiDouが受信できないとのこと,古いファームに戻していました.

 最近やっとその原因がわかりました.ublox RawにはSVINFOというセンテンスがあるのですが,ファームウェアを更新するとこれがデフォルト出力オフになります.ubloxの設定モニタリングソフトウェアであるu-centerでは,デフォルト出力のNMEAセンテンスのGGA,GSA,GSVで測位状況を表示するので,GPSとGLONASS以外が見えなくなります.メンツがそのように判断したことはしょうがないのですが,私も気づかず恥ずかしい.ファームウェアを更新したらSVINFOを追加,これ忘れないようにしないと.

2017-11-18

RTK,VRS-RTK,PPP,PPP-RTK ?

 ある研究会でRTKやVRS-RTKの他,PPPやPPP-AR,PPP-RTK,また,MADOCAやCLASなど,分からない言葉だらけ,何が違うのかわからないとの意見が大勢を占めた.衛星測位では有名人が集まっている研究会でもこんな状態です.実は私もよく分かっていませんでした.webで検索しても,あまり情報が見つかりません.

2017-11-17

久しぶりに高感度受信機で遊んでみる

 以前購入したCANMORE社の高感度受信機を久しぶりに使ってみた.うちのメンツに一つずつ配り,自宅との往復を記録してみようというもの.

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 USBからの給電で内部バッテリが充電でき,数時間の記録ができるというもの.もう5年以上も昔に購入したもので,まだ動くか心配だったが何の問題もなく動いた.GPSだけのものだが高感度受信機なので十分です.ドライバもソフトも更新されたものがメーカーサイトにあって感動しました.

 結果ですが...驚くほど正確にトレースしていました.5秒毎に測位させる設定でしたが,寄り道して買い物したり,どの経路を通って返っているのか一目瞭然.田舎ってこともあるのでしょうが,これにはメンツも超びっくりでした.これは個人レベルで浮気捜査に使えるね.

2017-11-16

動画のインパクト

 最近,デモンストレーションをして欲しいという要請が多くなってきました.誰でも高精度衛星測位の凄さが分かるデモって難しいです.が...youtubeでアピールなんてインパクトがあっていいね.

RTKロボットカーがその役目を担えるように,デモ用のモデルを一つ確保することにしました.

もう一つは準備中.これはわかりやすい内容ですが,見た目がマニアックすぎるかもしれませんね.
いずれ公開したいと思います.

2017-11-15

ローコスト2周波の新たな波

 とうとうNVS社から2周波がリリースです.
http://www.nvs-gnss.com/products/receivers/item/46-nv08c-rtk-m.html

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 NVSと言えばローコスト系で,ubloxと真っ向勝負している会社の一つです.

 私はNVS社の1周波RTKのNV08C-RTK,NV08C-RTK-Aのユーザでもあります.NV08RTKは発売直後からテストしましたが,当初はちょっとひどくてダメかなと思っちゃいました.痛い目にもあいました.しかし何回かのファームウェア更新を経て,生まれ変わったような優秀さを見せ始めています.もっと早くしてよ...

 特に直近のファームウェア更新では,GLONASSのICB対応をまじめにやってきました.ここまで明確にコマンドとして用意したメーカは初めてではないでしょうか.それもデフォルトでONの仕様,自信ありげです.ジェノバの配信を受けてのVRSテストも良好のようで,GLONASS利用での異機種対応には目を見張るものがあります.

 一方のubloxさんはGLONASS対応をしているのですが...GLONASSでは,なかなかFixしないのですよね.本当,Fixしない.だからGPS+BeiDouになってしまいます.国交省関連ではGPS+GLONASSでなければダメなんてユーザもいる訳ですが,ubloxさんはこの要望に回答できていません.ubloxは2周波をリリースするぞーって非公式アナウンスしていますが,どうなるかですね.(期待していますよ!ubloxさん)

こんな最中,NVS社が投入してきた2周波受信機,今度はubloxさんに対して先手を打ってきました.近々テストできる予定,いずれ紹介できればと思います.

2017-11-14

遠藤一郎さんの芸術作品

 遠藤一郎さんという美術家の作品がすごい.

RAINBOW JAPAN 〜日本列島に未来へ号でメッセージを描くプロジェクト〜
http://www.goforfuture.com

日本列島をキャンバスにメッセージを描こうという壮大なプロジェクトに挑戦している.
その作品がすごい.リンク先の下の方にあります.是非一度ご覧ください.

ここまでやりきる根性はないな.やっぱり世の中を動かそうとしている人のパワーはすごい.

2017-11-13

GPSを測位します...レーダー探知機

 「GPSを測位します」...毎日,通勤時にレーダー探知機から流れるメッセージです.変な日本語です.セルスター社のものなのですが皆さんのレーダー探知機はどうですか.GPSは測位しませんよね.

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 この機種,GLONASSも対応しているし...せめて「GPSで測位しました」ならいいのですが.毎朝,気になってしまいます.
 
 大体,レーダー探知機の機能はほとんど役に立っておらず,取締り情報や取締機の位置情報でアナウンスする衛星測位受信機の関連製品になっています.高速道路と一般道を見分けたりして不要な警報をカットしたり優秀ではあります.

2017-11-07

CLASの精度って

 CLASの測位精度に関するユーザレポート等,統制が引かれているかの如く全く出てきません.ある場所で開催されたCLASのデモンストレーションで,初めて私もCLASの測位結果を見ました.

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 私もあえてデモ風景に留めます.聞いてはいたものの,この測位結果には衝撃を受けました.恐らくSTATICモードでして,RMSE 95%値で水平方向6cmと謳っている精度なのですが...確かに6cmといえば6cm,±6cmですね,誤差の大きさはもちろんですが,この独特の測位値の振る舞い,高精度測位のそれとは大きく異なるものです.これって高精度測位って言って良いものなのか.

 今後改善の見込みはあるのでしょうか.2,000bpsの帯域制限,衛星のアップリンクによる補強信号の遅延,結果として日本を12という大きな区分けとなるローカル情報,11衛星しか補強信号を流せない.LEXで1chだけでは厳しいのはないでしょうか.期待はしたいのですが.

(追記)
ご指摘ありましたので追記してみます.
http://qzss.go.jp/technical/system/l6.html

 静 止・・・水平 6cm,垂直12cm
 移動体・・・水平12cm,垂直24cm

これはRMS換算だと以下のようになる(一般的な受信機精度の表記と合わせる場合).
 静 止・・・水平3.47cm,垂直 6.13cm
 移動体・・・水平6.94cm,垂直12.25cm

精度ももちろんですが,実運用では初期化時間がとても大切です.
初期捕捉時間(TTFF) 60 [sec](95%)以下

CLASが技術的に劣っているとか残念という意図はありません.
PPP-RTKはすばらしい技術であって,これを準天頂からサービスされるCLASにあって
制約が課された結果,本来の性能が出せないのではないかと.

CLASで2ch専有できれば違った結果になったのかもと思っています.
とは言ってもユーザの評価を待ってからの判断が必要ですね.
これからの技術です.まだチューニングも続いていると聞いています.
期待しています.

2017-11-06

CLAS...これは混乱しますよ

 準天頂衛星みちびきから,補強信号が無料で配信される,その精度は何と6cm,みちびきを受信すれば誰でも6cmが手に入る.そんな報道がメディアから一斉に放送されました.

 これを受けて,ローコストRTKを指向する私には多くの質問が投げかけられました.象徴的だったのは他分野のとても有名の先生からの質問で,ある研究会で「先生,まだRTKなんてやっているのですか?,時代はCLASで無料で6cmの精度が出るの知らないのですか.もうRTKは時代遅れで誰もやらないですよ」と言われたそうで,実際はどうなの?というものでした.

 誰なのでしょう,こんな無責任な話をするのは...(もう笑いを通り過ぎて泣けてきます).行く先々で質問が浴びせられ...困りました.これは真実をまとめなければ混乱してしまう,そんなことから,某雑誌の依頼もあって,記事にまとめることにしました.ここ2ヶ月は情報収集に奔走しましたが,当事者はA4一枚のプレスリリース以外は何も話せないとのこと,しかし幾つかの伝手から興味深い情報が集まって,まとめることができました.

 国のお金を数百億円単位で投入した一大事業です.この国民のために計画されたサービスの性能が,国民不在で決定されることに違和感を感じずにはいられません.まあ,RTKをうん十年やってきた立場からするとがっかりな精度です.高精度衛星測位の応用をやっている経験から数cmの精度を保証できない測位法は,50cm程度の精度しか要求されない分野での応用以外,道はありません.このような応用先って意外とないのです.案の定,建設業界には落胆の声が広がり始めました.無責任な話をしていた人達は火消しが大変です.

(追記)
他人事のようではダメですね.私は私の立場でしっかりと評価して説明したいと思います.

2017-11-05

QZSSいいね

 あるロボット大会で衛星測位を実験しています.ロボット用のコースではなく,街中を走行するロボットなので,衛星測位的に見ると,とても厳しい受信環境です.とにかく木がやたら多く,建物等で半分程度の空が隠れるところ多数,そんな中,RTK測位の結果をじっと3時間以上にらめっこしました.こんなにじっくりと測位結果を眺めたこと,とてもとても久しぶりです.

 先週に比べてFixするようになったなあ,なんて思って,よくよく観察したら,そうでした,今週から受信衛星としてQZSSを加えていました..真上に1個QZSSが据わるとFix維持がとてもよくなることを実感します.たかが1個の衛星なのですが,Fix維持にはとても効果的です.