GPS/GLONASS受信対応アンテナによるBeiDou受信(気をつけましょう!)

 GPS/GLONASS対応アンテナ(BeiDou受信未対応)でBeiDou受信の受信テストします.受信周波数帯域の違いから数dB〜10dB以上のCNの落ちがあると言われています.RTKを厳しい受信環境で利用する場合,例え数dBの落ちでも受信衛星数で5個も減ってしまうことさえあります.ギリギリのところでFix解を維持したい場合,例え3dB程度であっても厳しいです.

 実験は三脚でアンテナを固定設置し,それぞれのアンテナを30cm程度の隣に設置します.受信環境は構造物や木々の多い厳しい場所です.

 まずBeiDou受信対応のNovAtel 703GGG(20万円オーバークラス)によるC/N0です.

 次にBeiDou受信未対応のTallysman TW3400GP(リットーさんがグランドプレーンを付けたもの,7万円?クラスかな)によるC/N0です.

 GPSとBeiDouのC/N0値を見ます.
703GGG・・・GPS:16番47dBHz,26番50dBHz,BeiDou:1番46dBHz,7番46dBHz
TW3400・・・GPS:16番49dBHz,26番51dBHz,BeiDou:1番45dBHz,7番46dBHz

 GPS受信における703GGGとTW3400GPの比較では,TW3400GPが1-2dB高いです.
 BeiDou受信における703GGGとTW3400GPの比較では,703GGGが1dB高いです.

 つまりBeiDou受信未対応のTW3400GPでは,GPS受信を基準にするとBeiDou受信で1-2dB落ちるという結果です.
相対比較なので何とも言えない結果ですが,影響はとても少ないという印象です.TW3400GPのC/N0が全体的に高いということもあります.

 本来であればBieDou対応のTW3710GPと未対応のTW3400GPの比較が必要です.リットーさんの現ラインナップはTW3710GPに変わっています.その辺りを考慮しての対応でしょうか.

 その他,気になることはTW3400GPの受信感度は優秀だということです.これはいいね.

 今回は7万円?クラスのアンテナですが,数千円や数百円クラスのアンテナの場合は5-10dBの落ちがあります(経験済).BeiDou受信に未対応でも大丈夫と安易に考えると痛い目に合います(痛い目に合いました(笑)).くれぐれも気をつけて下さい.