大量殺戮
20世紀に入ってから科学技術の発展は目覚しく、特にそれが「戦争兵器」の性能アップとなった。従って戦場が広範囲、及ぼす一般住民への影響も過去とは一変した。双方の死者も過去の戦争とは桁違いに多く、且つ「残虐性」を強めたのである。同時に戦場となった地域の一般市民・住民の被害者も飛躍的に多数となる.(その典型が原爆使用である)
国別死者数
下表に見る通り、戦場−特に激戦地となった国での死者が多い。ソ連はドイツの侵攻で西部都市スタ−リングラードから、更にモスクワ近郊まで攻められた。中国は資料がなく正確な犠牲者数は判然としないが史家ジョンピムロットによれば1千5百万人となっている、日本との戦争で広い中国が戦場となったためである。ドイツは第二次大戦の敗戦国で緒戦は優勢な戦いを進めたものの、米英仏等の枢軸軍の反攻に会い最終的には本土が決戦場となって多数の死傷者を出した。ポーランド、ユーゴーはヒトラーの「ユダヤ人狩り」で一般市民の死者数が多数に上った、と思われる。
処で、日本だが、第二次世界大戦死者数で世界の第5位に位置する。軍人の戦死者数ではソ連・ドイツに次いで多い。民間人は殆どが内地で戦災に遭っての焼死が主で、原爆による爆死も多くを占めている。それに反し、一方のアメリカは注記したように第二次世界大戦中の死者は軍人の29万5千人のみで民間人の死者は全くゼロである。アメリカは独立以来、本土が戦場となった経験を持たない稀有の国である。
国別 戦死者数 内軍人 一般市民 対人口比戦死者 ソ連邦 21.300千人 13.600千人 7.700千人 10.4% 中 国 15.000 − − 3.0 ドイツ 6.850 3.250 3.810 0.8 ポーランド 6.123 123 6.000 17.2 日 本 3.100 2.200 900 4.4 ユーゴ 1.706 300 1.406 10.9 フランス 810 340 470 1.9 ギリシャ 520 − − 7.2 イギリス 388 326 62 0.8 <|