安心して眠りたい今日か明日かその次のために。(K=1と2とNのために)

 夜中の二時をまわるころ、僕とM出は部屋を真っ暗にして、ともたんとスカイプで通話していた。半分眠っていて、脊髄反射的に(BOT的に)ともたんの言葉に返答していたから、内容はぜんぜん覚えていない。

 いつの間にか僕は眠っていた。

 起きたら僕の隣で寝ているはずのM出がいなくなっていた。時計を見ると十一時だった。ベッドにはほんのりとM出の体温が残っていた。っていうのは嘘ぴょんで、M出はベッドではなくこたつで寝ていた。
 記憶の糸をがんばってたぐりよせてみると、八時くらいに出て行ったような気がするけど、夢か現実かよくわからない。もしかしたら最初からM出なんて人間はいなかったのかもしれない。
 
 二度寝して、起きたら汗びっしょりだった。なんだこの部屋、糞暑い……。お昼をまわっていたが、部屋着用のハーフパンツを買いに行くことにした。うちの目と鼻の先にあるジーンズメイトっていうお店に入った。どうやら名前が体をあらわしている類の店だったらしく、ジーンズばかり売っていたので、すぐにでた。次にユニクロに行った。ハーフパンツはなかった。そんでダイエーにいった。ハーフパンツがあったので買った。TSUTAYAにいって(TSUTAYAはダイエーの上の階にある)買い逃していたスピッツとかミスチルのアルバムの去年でたやつのレンタル落ちのやつを買おうと思った瞬間にOさんからメールが来た。一時四十五分に石橋駅に着くらしい。一時四十分をちょうどまわるくらいの時系列に存在していた僕からはTSUTAYAのことなんて吹っ飛んだ。そんなに慌てないでのんびり石橋駅に向かった。
 Oさんと合流して家に帰った。Oさんは家から出てくるときに芳香剤を蹴ってしまって、足が芳香剤臭くなったことを告白したけど、ぜんぜんわからなかった。「嗅がせて!」とは言えなかった。勇気がなかった。
 Oさんが持ってきた 「やさぐれぱんだ」を観た。主演・堺雅人、ぱんだの声・生瀬勝久である。二人ともハマりすぎである。白いDVDと黒いDVDだった。あさっちゃんに「やさぐれぱんだ観てるぜ〜」っていう自慢のメールを送ったが、すぐに返事はなかった。あさっちゃんは堺雅人厨である。Oさんも僕も割と堺雅人厨で、この三人は堺雅人厨仲間なのである。たぶん。
 Oさんは九時の電車に間に合うように帰った。僕はOさん送った足で石橋駅の近くのゲーム屋さんに行って、wiiSportsリゾートを買おうとしたが、高かったのでやめた。古本市場はもっと安かった気がする。ウィースポーツリゾートと仮面ライダーオーズのゲームがほしい。
 さいきんなぜだかぜんぜんわからないんだけど、お金がなくなってきた。だからバイト情報をちょこっとみた。履歴書をちょこっとみて、「こ、これ、住所ごまかせば交通費支給系のバイトは、ちょろまかせるんじゃね!?」って思ったのはないしょである。

 dommuneを観てる。レイハラカミとか七尾旅人とかUzhaanが歌ってた。七尾旅人は新曲「圏内の歌」を歌っていた。

 このまえのおっきな戦争が終わってから、戦争のことを書いた小説がいっぱいできた。今回の震災は、戦後の事件としては最大のもので、もしかしたら大戦に匹敵するかもしれないと言われている。震災の後、最初にみんな(という名の一部の島宇宙なんだろうけど……)に届いた文学は和合亮一さんの詩だった。七尾旅人はそれに続こうとしているように思えた。しょうせつはどないなるんやろなあ、とかいろいろ考えた。伊坂幸太郎が群像に小説を書いていたこととかを考えた。中沢新一さんが「すばる」に書いた文章を読みたい。明日学校にいけば読めるかな。学校に行こう。ゴールデンウィークは今日で終わりだ。おそろしいことに。なにがおそろしいのかはよくわかんないけど!けどけど!

(コーナー/七尾旅人・1991年)

(リトル・メロディ/七尾旅人・2011年3月16日)


 そんなことをしてたらあさとから「いいなあ やさぐれちゃうなあ」というメールが来た。
 自慢成功や! 
 これで今日も安心して眠ることができるな!

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