ほんと、どうでもいい話だから

うちの家族は、娘、ぼく、妻という順で風呂に入ります。風呂があるのは一階。妻と娘の部屋は二階。以下、ものすごくどうでもいい話なので、そういう話嫌いな人は、ここで止めてください。
で、娘が風呂から出ると、一階から(ぼくは地下にいますから)「お父さん、お風呂だよ」と声をかける。ぼくが上へあがって入る、とまあ、そう思ってください。今夜、娘が上がって、声がかかっても、ちょっと本を読んでいて、しばらく上へ上がらなかった。ようやく上へあがって、風呂場のドアを開けようとすると、2階で妻と娘がウッシャシャシャシャと笑う声がする。なにを笑ってるんだろうと、気にせず、途中になっていた打海文三ハルビン・カフェ』を持ち込んで入浴。風呂から上がると、妻が降りてきて、「さっき、おかしかったの」と解説。
つまり、妻が娘に「そろそろ、お父さんに、お風呂って言っておいで」と言った。ちょうど、そのとき、ぼくが上へあがってきた。「あ、ちょうどいいから、○○ちゃん、言ってきな」と妻。すると娘が「だいじょうぶだよ。お父さん、歌うたってるから。歌うたってるときは、次にお風呂へ入るんだよ」と言う。そんなやりとりは、ぼくは知らない。バタンとドアを開けて風呂へ。「ほらね」となって、妻と娘はぼくの姿はいっさい見ずに、笑ってたわけだ。
気がつかなかったな。風呂へ入る前に、必ず歌をうたってたなんて。どうも、なにか面倒臭いことをする前には歌をうたうようなのだ。娘はそれを観察していたわけだ。ね、どうでもいい話でしょう。
キネ旬ムック、宮台真司編『岩井俊二』をパラパラ読む。いろいろわかっておもしろい、岩井の演出方法など。1993年テレビ放映された「フライド ドラゴン フィッシュ」(浅野忠信芳本美代子主演)を、ぼくは見ていることに気づく。あ、あれが岩井俊二だったのか。ぼくは、このドラマを偶然、リアルタイムで見ている。熱帯魚を入れた水槽しかない部屋の、孤独な殺人者を浅野忠信が演じる。とにかく目が覚めるような映像で、ふだん見ているドラマとはまったく違う印象を持った。演出家の名も、たぶん意識しなかたtのだと思う。あれが、やっぱり岩井俊二だったんだ。と、納得。
あのね、「ラブ レター」の発想のもとは、「探偵ナイトスクープ」なんだって。そりゃ、やっぱりちゃんと見ないとなあ、と、今日、CSで、前回途中でやめた、その後半を見たけど、やっぱり納得いかなかったな。今日、谷川書店で、有馬頼義『リスとアメリカ人』角川文庫100円、と小林秀雄『栗の樹』講談社文芸文庫150円を買いました。
あ、忘れてました。近代ナリコさんの初のエッセイ集『インテリア・オブ・ミー』がついに出ました。パルコ出版から今日、届いた。まさに、いま女の子たちのいいセンスを煮詰めれば、近代ナリコにいきつく。そのことがよくわかる本だ。はじめに近代ナリコありき。ソフトカバーだけど、でしゃばらずに、心地よい印象を残す装幀もいいんでないかい。売れてほしいね。そして、くらげ書林、浅生ハルミンと風を切って、時代の先頭を歩いていってほしいね。ぼくもはるか後方から、たどたどしくついていきたいと思います。