今日は『マルテの手記』を

長い一日だった。
11時に神保町「ぶらじる」で、日経トレンディの取材を受ける。昨今の古本屋事情について。
書肆アクセスに寄ったら、「彷書月刊」たくさん積んでくれていて、20冊にサインさせてもらう。さっき畠中さんからメールをもらったが、それから10冊売れたそうだ。すげえ。
サンデー毎日で仕事。きゅうきょ、著者インタビューで樽見博さんの『古本通』を取り上げることに。
3時からまた「ぶらじる」で、こんどは中央公論新社・藤平くんと中公文庫総目録企画について打ち合わせ。うーん、どうやらおもしろいことになりそう。
4時過ぎ、彷書月刊編集部へ。プレゼントの色紙「花より古本」を渡す。特集号、出だし好調とのこと、ほっとする。責任を感じていたからだ。寄稿してくださった人たちからのお礼のメール、ファクスを見せてもらう。好評でよかった。
神保町ではブカキンで、黄色函入り岩波少年文庫『ふくろ小路一番地』を。
荻窪「ささま」で、コクテイルライブの告知ハガキを置かせてもらう。
西荻音羽館」へ。その前に、広瀬くんに以前教わった定食屋で夕食。食べ終わったころ、入ってきた客が横に坐ったとたん「ああ、岡崎さん」と声をかけてきた。見ると、とんぼ書林さん。少し言葉を交わす。
音羽館均一で、吉田時善『地の塩の人 江口榛一私抄』新潮社、小穴隆一『白いたんぽぽ』日本出版共同。
江口は詩人だが、昭和30年代「地の塩の箱」運動の推進者。駅などに木箱を置き、そこにお金をみんなが入れ、困った人がそこから出して使うという善意の箱。しかし、江口の最後は自殺。帯によれば、姉は自殺、妻は窮死とある。いったい、何があったのか。
音羽館で広瀬くんと喋っていると、穂村弘さんが来店。こんど、西荻で開くイベントの打ち合わせらしい。穂村さんの会は即、予約で埋まった。穂村さんと言葉を交わすのは初めて。くりくりした目玉で、穏やかに話す人。好感度高し。なるほどなあ、女性に人気があるのもわかるわ。
興居島屋へも寄り、澄ちゃんと喋るころには、身体が崩れそうになる。コクテイルライブ告知を置かせてもらい、彷書月刊にサインして、帰路に着く。電車のなかでもつり革にぶらさがり、やたら溜め息をつく。前に坐っていたサラリーマン、うさんくさそうにぼくの顔を見る。
今日はずっと『マルテの手記』を読んでました。
天気予報で29は曇りのち雨とか言っている。「一箱」あやうし!