大森の夜

okatake2008-12-17

寒い朝、雨だ。娘が「いってきます」と戸口で告げ、ドアを閉める音で目が覚める。
昨日の帰りは遅かった。大森の知る人ぞ知る居酒屋で、『昔日の客』再刊委員会の集まり、といってもただ飲んで喋っただけだけど。関口直人さん、「天誠書房」和久田さん、魚雷くん、ぼく、「音羽館」広瀬くん、「カーネーション」直枝さん、そのマネージャー横尾さん、少し遅れて晶文社・宮里くんという面々。
大森へ行く前に、ひさしぶりに大井町駅前の「ブ」を覗いていくべえ、と思って下車したら、ビル自体が跡形もなく消え、ブルトーザーがガーガー走っていた。どうしよう。ずいぶん時間が余ってしまったなあ。
大森へ移動し、ここにも駅前に「ブ」大型店がある。本の量は多いが、見所は少ない。二冊だけ拾う。それでもまだ時間があり、そうだ「天誠」さんの後に入った「アンデス」さんを表敬訪問しようと、山王側の丘にとりつく。ここが急なつづらおりの階段になっていて、住宅街へ続く。建物は変わったが、昔の大森の風情を残すエリアだ。ようやくジャーマン通りへ出るが、「アンデス」さんは休みだった。
この夜の宴のことは、簡単には書けず。くわしく書くと長くなってしまう。関口、和久田両氏から、大森の話、「山王書房」の話を聞く。また、この飲み屋もよかった。路地の奥で、看板の電気を消し、営業中の札もなく、完全に常連さんだけが愛しているという店だ。だからくわしくここに書かないことにする。
店を出て、山王書房のあった、いまは関口邸にみんなでお邪魔する。「山王書房」の額(尾崎士郎の筆)を始め、縁の貴重な品々を見る事ができた。関口良雄夫人にも挨拶する。なんとか、『昔日の客』再刊にこぎつけるよう、盛り上げていきたい。これは祭りだから。
ビリケン商会から、うらたじゅん展で購入した絵が届く。カラーの絵もあったが、なぜかこのモノクロの淋しい絵に引かれ、これを選んだ。