okatake2013-03-09

きのう、神保町経由「サンデー毎日」。古書会館で文庫2冊。旺文社文庫富澤一誠『ぼくたちは音楽から愛を学んだ』という、手でタイトルを隠してでないと買えないような文庫をフォーク文献として買う。文章が幼稚だなあ、と思って読んでいると、元本は著者26歳の著作。コミガレで3冊。和田誠装幀挿絵のO・ヘンリー(理論社)『最後のひと葉』が買えたのはよかった。
「ギンレイ」で主演と監督を兼ねたジョディ・フォスター「それでも、愛してる」。お相手は、メル・ギブソン。鬱の底から抜け出せないダメ父親に扮する。「ギンレイ」までの待ち時間と帰りの電車で、話題の西村賢太日記『一私小説書きの日乗』文藝春秋を一気読み。毎日いっぽん宝焼酎を空け、弁当は二つ、出前寿司なら三人前をたいらげる。ときどき「買淫」。編集者を怒鳴りつけ、のち和解。新潮社の古浦、田畑、柴崎氏がひんぱんに登場。執筆はまずノートに、のち清書。鴬谷の大衆酒場「信濃路」がお気に入り。ぼくもエンテツさんと飲んだことあり。原作者としては、まったく認めていない映画「苦役列車」のラストで、主人公がヤクザにボコボコにされる店はこの「信濃路」だったようだ。テレビラジオにひんぱんに出ているのは、芸能事務所がマネージメントしているから。
「雲遊天下」112は「街に会う 人に会う」特集。中川五郎さんのフォーク史、おもしろく読む。関西フォークの全盛は3年しか保たなかった。南陀楼綾繁さんのちょい鬱の日々を描いた「横になってる男」、岸川真さんの持ち込み体験を描く「持ち込みの年」を、同業として身につまされながら読む。ぼくもいちばん良かったときからすると、年収は三分の二ぐらいに落ち、もちろんこれは怠けたせいだが、赤字生活が慢性化している。無から手を動かして商品生産するもの書きは、手を動かすしかない。こんな日誌、書いている場合じゃないのだ。